切削加工業界のトレンドを知りたいと困っていませんか。
この記事を書いた私は工具メーカーでの営業・マーケティングの経験を活かし、切削工具と切削加工業界に特化した専門サイト「タクミセンパイ」を2020年から運営しています。
2024年に発売された切削加工業界の専門誌を調査し、中立的な立場としてまとめています。
本記事で切削加工業界の専門誌4誌「機械技術」「機械と工具」「ツールエンジニア」「生産財マーケティング」の特集をまとめ、トレンドを分析しています。
この記事を読むことで、2024年における切削加工業界のトレンドを確認することができます。
専門誌の特集で振り返る切削加工業界のトレンド
切削加工業界の専門誌として下記4誌について振り返り、トレンドを分析しました。
- 機械技術
- 機械と工具
- ツールエンジニア
- 生産財マーケティング
各専門誌の特徴については、「 専門誌レビュー:4誌比較」で詳しく紹介しています。
機械技術
媒体概要
「機械技術」の媒体概要は下記となっています。
出版 | 日刊工業新聞社 |
創刊 | 1953年 |
発行日 | 毎月25日 |
発行部 | 35,000部 |
WEB | 専用ページ |
2024年 特集
「機械技術」の2024年特集は下記となっています。
1月 | 町工場の概念を変える!元気な日本の金属加工メーカー |
2月 | 2024年版 高難度加工を実現する切削工具活用ガイド |
3月 | 電動化市場に切り込む金属加工技術 |
4月 | 続・新人必見!機械加工現場の素朴な疑問 |
5月 | 5軸マシニングセンタで人手不足に勝つ |
6月 | 収益性と環境負荷低減を両立する視点 |
7月 | 金型メーカーのための“稼ぐ力”強化法 |
8月 | オンマシン/インプロセス計測技術の動向と最新活用例 |
9月 | 切削バリ抑制に効く技術と工具 |
10月 | 先進の歯車加工技術と適用例 |
11月 | 最新CNC・CAMに見る加工領域デジタル化の現在地 |
12月 | 半導体製造の今と関連する部品加工技術 |
「機械技術」はトレンドとしての「電動化市場に切り込む金属加工技術(3月)」から、新入社員にとって嬉しい「続・新人必見!機械加工現場の素朴な疑問(4月)」など、幅広いテーマを扱っています。
また、技術情報だけでなく「収益性と環境負荷低減を両立する視点(6月)」や「金型メーカーのための“稼ぐ力”強化法(7月)」などビジネスと結び付けたテーマも確認できました。
「機械技術」はただ最新の製品やサービスを紹介するだけでなく、業界の最新動向を特集として多く組んでおり、業界の最先端で活躍するために必要な媒体であることがわかります。
- オンマシン/インプロセス計測技術の動向と最新活用例(8月)
- 先進の歯車加工技術と適用例(10月)
- 最新CNC・CAMに見る加工領域デジタル化の現在地(11月)
機械と工具
媒体概要
「機械と工具」の媒体概要は下記となっています。
出版 | 日本工業出版 |
テーマ | 生産加工技術を支える |
創刊 | 1957年(2010年の休刊を経て、2011年リニューアル創刊) |
発行日 | 毎月10日 |
発行部 | 32,000部 |
WEB | 専用ページ |
2024年 特集
「機械と工具」の2024年特集は下記となっています。
1月 | これからの生産加工技術 |
2月 | 全体最適のための機械要素・周辺技術 |
3月 | 高付加価値を生み出す最新切削工具 |
4月 | 求められる最新金型加工技術 |
5月 | 新たなニーズと切削加工機械の進化 |
6月 | 変化するニーズに対応する研削加工技術 |
7月 | 精密微細加工への期待 |
8月 | 生産加工技術におけるSDGs |
9月 | 価値を創造する切削工具とその製造技術 |
10月 | 変わる自動車部品加工への対応技術 |
11月 | 第32回 日本国際工作機械見本市 JIMTOF2024 ガイド |
12月 | 全数検査・省人化を見据えた検査工程の自動化提案 |
2024年の「機械と工具」は業界・技術の変化や将来性をテーマとした特集が目立ちました。
- これからの生産加工技術(1月)
- 求められる最新金型加工技術(4月)
- 新たなニーズと切削加工機械の進化(5月)
- 変化するニーズに対応する研削加工技術(6月)
- 精密微細加工への期待(7月)
- 変わる自動車部品加工への対応技術(10月)
「機械と工具」は変化する切削加工業界の今を正しく理解し、今後の戦略を練る上でのヒントになる特集を組んでおり、業界で勝ち組になるために活用できる媒体であることがわかります。
また、トレンドを取り入れた特集として「生産加工技術におけるSDGs(8月)」が組まれています。
ツールエンジニア
媒体概要
「ツールエンジニア」の媒体概要は下記となっています。
出版 | 大河出版 |
テーマ | Tool Engineering & モノづくりの現場を伝える機械雑誌 |
創刊 | 1959年 |
発行日 | 毎月27日 |
WEB | 専用ページ |
2024年 特集
「ツールエンジニア」の2024年特集は下記となっています。
1月 | 目からうろこ! 歯車の基礎と加工技術 |
2月 | 難削材切削加工へのさらなる挑戦,高精度・高能率加工 |
3月 | 半歩先行く生産適合のマシニングセンタ,複合加工機 |
4月 | 穴あけ加工,最新の技術と工具・加工事例 |
5月 | 旋盤加工の新時代 |
6月 | 高品質加工を支える ツーリング,チャック,保持システム |
7月 | 省力化・省人化,変種変量生産のキーポイント技術 |
8月 | 研削盤,汎用性と自動化/超精密機による高品位加工 |
9月 | 輸入 工作機械・機器・工具の最新テクノロジ |
10月 | 微細加工・荒加工時代が求めるテクノロジ |
11月 | 技術のタスキで未来へつなぐ JIMTOF2024見どころ ガイド&解説 |
12月 | 製造業のDX(デジタル)化・最新CAD/CAMの活用 |
「ツールエンジニア」は切削加工業界のトレンドや、業界で勝ち抜くヒントとなる特集は見当たりませんでした。
生産財マーケティング
媒体概要
「生産財マーケティング」の媒体概要は下記となっています。
出版 | ニュースダイジェスト社 |
テーマ | 設備材を中心とするR&D情報誌 |
創刊 | 1964年 |
発行日 | 毎月1日 |
発行部数 | 17,000部(2015年実績) |
WEB | 専用ページ |
2024年 特集
「生産財マーケティング」の2024年特集は下記となっています。
1月 | 今年はこうなる2024 変化する市場構造 |
2月 | 挑戦するアトツギ ~情熱と発想で新たな価値を~ |
3月 | 少量生産の新たな形 ~AMで広がるものづくり~ |
4月 | これからの10年 ~2兆円時代を目指して~ |
5月 | 今できる省エネ ~消費電力を抑えるコツ~ |
6月 | サービスで差別化狙え ~ファン獲得につなげる一手~ |
7月 | 愛知でRTJ2024開幕 ~アイデアは現場だけでは生まれない。~ |
8月 | 多様化する自動車部品 ~本命なき時代にどう作る~ |
9月 | 時代に応える樹脂加工 ~軽量化と持続可能性に向けて~ |
10月 | 半導体と浮上せよ ~製造装置は初の4兆円へ~ |
11月 | JIMTOFを追い風に ~商機を生み出そう~ |
12月 | 工具業界に迫る課題 ~確かな戦略で乗り越える~ |
「機械技術」「機械と工具」「ツールエンジニア」の3誌が技術系の専門誌であるのに対して、「生産財マーケティング」はマーケティングを中心とした専門誌であるため、特集のタイトルも他誌と大きく異なります。
「生産財マーケティング」は時代の変化に対応するため奮闘する「挑戦するアトツギ(2月)」から、トレンドである「少量生産の新たな形(3月)」や「今できる省エネ(5月)」など、幅広いテーマを扱っています。
特集では「多様化する自動車部品(8月)」や「時代に応える樹脂加工(9月)」、「工具業界に迫る課題(12月)」など、将来の切削加工業界を生き抜く経営戦略のヒントとなるものがありました。
編集長コメント
「専門誌の特集で振り返る切削加工業界のトレンド」いかがでしたか。
2024年の「機械技術」「機械と工具」「生産財マーケティング」について、切削加工業界で勝ち抜くためのヒントになる魅力的な特集が組まれていました。
各誌共通の2024年を象徴とする切削加工業界のトレンドと言えるものは確認できませんでしたが、押さえておくべきトレンドは下記だと考えます。
- 自動車の電動化
- 少量生産への対応
- 環境負荷低減への取り組み
- SDGsへの取り組み
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執筆者情報
本記事はタクミセンパイの服部が執筆・編集しました。
私は工具メーカーでの営業とマーケティングの経験を活かし、切削工具と切削加工業界に特化した専門サイト「タクミセンパイ」を2020年から運営しています。
私(服部)の実績や経歴については「運営について」に記載しています。
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