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技術力だけでなく発信力もすごい!試作メーカー松浦製作所インタビュー

切削工具と切削加工業界に特化した専門サイト「タクミセンパイ」を運営する服部です。

今回、株式会社松浦製作所で技術者として活躍し、SNS運用も担当されているIさんに「技術力だけでなく発信力もすごい!試作メーカー松浦製作所インタビュー」と題してインタビューさせていただきました。

「松浦製作所の技術力がなぜ高いのか」がわかるだけでなく、SNSを活用した発信のヒントを得ることができます。

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松浦製作所について

タクミセンパイ:松浦製作所について教えてください。



松浦製作所 Iさん松浦製作所は創業86周年を迎えた東京都大田区にある小さな町工場です。
主に除去加工を駆使した微細加工と精密加工で、お客様のご要望を実現しています。

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松浦製作所 WEBサイトより掲載


松浦製作所 Iさん:キレイなものを作ることをモットーとしており、1個から数十個程度の比較的小ロットのご依頼が大好きで、お客様の分野や個人・法人を問わないのが特徴だと思います。





松浦製作所が得意な加工

タクミセンパイ: 松浦製作所が得意な加工を教えてください。



松浦製作所 Iさん:刃物を使った微細加工と精密加工が得意です。


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松浦製作所 WEBサイトより掲載


松浦製作所 Iさん:特に微細加工については、小さい部品を作ること、部品の一部に微細な構造物を成形することの両方を得意としています。


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松浦製作所 Iさん:弊社単独で製作可能な部品サイズとしてはA4サイズ以下を基本とし、最小は1辺0.05mmの立方体から対応可能で、手のひらサイズをメインでご依頼いただいています。



松浦製作所の設備

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タクミセンパイ:松浦製作所で活躍する設備を教えてください。



松浦製作所 Iさん:ハイスピードミーリングセンタMC430L(Sodick)、ワイヤ放電加工機FA10(三菱電機)、平面研削盤PFG500DXALⅡ(岡本工作機械製作所)、CNC画像測定機QV-Apex(ミツトヨ)などが松浦製作所の微細加工を支えてくれています。


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松浦製作所 Iさん:小さくて壊れやすい部品を扱うためには、加工機だけでなく画像測定機も不可欠です。

直径や長さ、幅など様々な寸法を測定するのはもちろん、画像データを記録することも可能です。
お客様の様々なご要望に応えられるように努めています。



松浦製作所の半導体関連部品実績

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松浦製作所 WEBサイトより掲載


タクミセンパイ:松浦製作所が得意とする業界として半導体関連部品が紹介されていますが、この領域の難しさにはどのようなところがありますか。



松浦製作所 Iさん:半導体には除去加工に留まらない多工程にわたる加工が必要な部品が多く、それをカバーできる協力企業ネットワークが求められる点と、高い寸法精度と幾何公差が要求される点にあると思います。

松浦製作所では大田区を中心に、創業時から築いてきた多彩な企業ネットワークがあり、協力しながらお客様のご要望に答えています。



松浦製作所の医療関連部品実績

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松浦製作所 WEBサイトより掲載


タクミセンパイ:松浦製作所が得意とする業界として医療関連部品が紹介されていますが、この領域の難しさにはどのようなところがありますか。



松浦製作所 Iさん:予想しがたい形状やご要望がある場合が多く、それを満たす柔軟な対応力を求められる印象があります。

そもそも医療関連のご依頼をいただくチャンスが少ないのが難しいところかもしれません。



松浦製作所が得意とする業界・部品

タクミセンパイ:半導体と医療関連の部品以外で、松浦製作所が得意とする業界や部品はありますか。



松浦製作所 Iさん:得意というわけではありませんが、腕時計業界、楽器業界、宇宙業界からご依頼をいただくことが多いです。


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松浦製作所 Iさん:特に腕時計については外装だけでなくムーブメント(動力など中身の部分)にまつわる部品も製作しています。



松浦製作所SNSの目的と運用方針


タクミセンパイ:インタビュー時点(2026年3月)で松浦製作所Xのフォロワー数は1万人を超えています。SNSの目的や運用について教えてください。



松浦製作所 Iさん:ものづくりの面白さ、町工場という異空間、松浦製作所のリアルを伝えること、そして情報交換が主な目的です。


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松浦製作所 Iさん:町工場では当たり前のことを投稿すると思いのほか反応が多い気がしています。

X(当時Twitter)のアカウントを2011年に開設し、試行錯誤しながらアルゴリズムの特徴をつかみ、2016年頃から毎日投稿を意識するようになりました。
ものづくりが疎遠になりつつある今、製造業と人を近づけられたらと考えています。



松浦製作所SNSの目標

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タクミセンパイ:SNS運用で目標は設定されていますか。



松浦製作所 Iさん:無理なく長く続けることを念頭に置いています。

そしてその結果として、松浦製作所アカウントがいつでも気軽に相談できる存在になることが目標です。
数値目標は一切ありません。



松浦製作所SNSの運用でこころがけていること

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タクミセンパイ:SNS運用でこころがけていることはありますか。



松浦製作所 Iさん:極力ストレスフリーな運用を心がけています。

ウソをつかない、誇張しすぎない、同情を誘いすぎない、誰かを傷つけないなど、要するに誠実かつ人畜無害な存在であること、そして素のままでいることを大切にしています。

Xについては1日1投稿できるように頑張っていますが、無理はしません。



松浦製作所SNSの効果

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タクミセンパイ: SNSを運営していることで、商談がスムーズに進んだケースはありますか。



松浦製作所 Iさん:商談が目的でSNS運用をしていませんが、代表に直接ご連絡される前にDMでご相談をいただくこともあります。

ご相談いただいた場合は、機械工目線でコスト圧縮のコツや町工場に要望を伝えやすくするポイントなどを打ち合わせで整理し、そこからご依頼をいただくパターンが少なくありません。



タクミセンパイ:SNS経由で加工の依頼がきたことがあれば教えてください。



松浦製作所 Iさん:何度かSNS経由でご依頼が届いたことがあるのですが、その中で印象的な出来事が2つあります。

1つは個人のお客様からの腕時計の外装を一式セットで作りたいというご依頼です。
腕時計の外装については複数回ご依頼いただき、毎回異なるデザインで製作いたしました。

もう1つはSNS経由である趣味のオフ会にお招きいただいたところ、そこで会った方々がブランドを立ち上げられ、ご相談ののち製品の部品加工を任せて頂けるようになりました。



タクミセンパイ:SNSを運用していることが、展示会出展にプラスの効果が働いたことはありますか。



松浦製作所 Iさん:展示会のブースに「SNSを見て来ました」とおっしゃる方やSNSで知り合った方が立ち寄ってくださる回数がとても増えました。

ブースに人が入ると、立ち止まってご覧になる来場者が増えるのでありがたいです。
遠方の地域の同業社の知り合いと情報交換できるようになったのも個人的にプラスに感じています。

商談が増えたかと言えばそんなことはありません。



社内における松浦製作所SNSの認識

タクミセンパイ:松浦製作所社内でSNSはどのように認識されていますか。



松浦製作所 Iさん:SNS経由でご相談いただいたことがあるため、弊社代表としてはSNSに力を入れる方針を考えているようです。

毎日実施している朝の打ち合わせで、代表がSNSに関して話すこともあるため、全社員にSNSに関する情報が時おり共有されています。
町工場で働く人の姿としてカッコイイ仕草や仕事場の様子を投稿ネタにしたい場合に、他の社員に撮影の協力をお願いすることもあります。



タクミセンパイが分析した松浦製作所の技術力と発信力

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松浦製作所 Iさんにお話しをお聞きし、タクミセンパイとして強みを分析してみました。

まず松浦製作所の技術力についてですが、機械加工を主とする企業としては、少しユニークな特徴を持っていると感じました。
部品加工は量産の方が生産性を高めて利益を上げやすいケースが多いですが、松浦製作所では10個以下の小ロットを積極的に対応されています。

小ロットを積極的に受ける方針を持たれているため、業界を問わずさまざまなお客様から相談が集まっていると考えられます。
例えば自動車部品に特化すればその領域のノウハウは蓄積されますが、業界ごとに求められる要求は異なるため、業界問わず対応されていることで提案の幅が広がっていることが予想できます。

また、個人のお客様からの依頼をプラットフォームを介さず直接受けている点も特徴的です。
加工を知らない個人の方からのお仕事は、場合によってはコミュニケーションの負担が大きく、取引上のリスクもあると予想しますが、実績からも丁寧でわかりやすい対応をされていることがうかがえます。

業界問わず様々なお客様からの相談が集まっていること、個人の方からの相談も受けていること、この2点が松浦製作所の技術力を支える大きな源泉になっているとタクミセンパイは考えました。

さらに、自社だけでなく、創業時から築いてきた多岐にわたる企業ネットワークも活用し、お客様のニーズを満たしています。
企業ネットワークは短時間で構築できるものではなく、他では真似できない松浦製作所の技術力の1つと言えると思います。

加えて、松浦製作所では「キレイなものを作ることをモットー」とされています。
SNSで確認できる機械や部品の写真からも、キレイを意識されていることが感じられ、品質へのこだわりが伝わってきます。

次に松浦製作所の発信力について分析してみました。

インタビュー時点(2026年3月)で松浦製作所Xのフォロワー数は1万人を超えており、機械加工関連のアカウントとしては圧倒的な数値です。
参考として、2020年にXアカウントを開設したタクミセンパイは約5000人で、2倍以上の差があります。

SNSでの発信は誰が発信するか、何を発信するか、この2点がポイントであると考えます。

まず発信者ですが、Iさんは技術者でありながらSNS中の人を担当されています。
一般的にSNSは広報や営業などが担当されているケースが多く、技術者が担当しているケースは少ないと考えます。

タクミセンパイとして機械加工に関連したアカウントを幅広く見てきて気付いたのですが、フォロワー数を伸ばしている方の特徴の1つとして、技術者でありながら説明がわかりやすいことです。

技術的な内容を専門的に語れる技術者は多くても、誰にでもわかる表現で伝えられる方は多くありません。
Iさんが元々持たれていたスキルもあると思いますが、業界知識のない個人の方からの相談に対応してきた経験がSNS発信でも活きているのではと予想しました。

さらに、松浦製作所としてSNSに数値目標を設定されていないものの、IさんはXのアルゴリズムを分析するなど、研究されていることが素晴らしいと思いました。
本業である機械加工に限らず、PDCAを回す習慣がSNSの成長に結びついていると予想します。

次はSNSの発信内容についてです。
松浦製作所のSNS発信には、独自のノウハウが随所に感じられます。

私も5年以上SNSを運用していますが、極端に大きい・小さいもの、古いものなどは反響が良い傾向にあります。

その中で小さいものについては、その表現がポイントになります。
誰でもわかる比較対象と並べて初めて、人はその小ささを認識することができます。

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松浦製作所のSNSでは、小ささが一目で伝わる比較画像を用いて投稿されており、これが業界を問わず反応を得ている理由の一つだと感じました。

SNSの目的として回答いただいていますが、Iさんは情報交換も積極的にされています。
Iさんが技術に精通しているため、SNSのコメントでのやり取りからも松浦製作所の技術力が自然と伝わってきます。

投稿内容に限らず、フォロワーとして見えているSNS上のコメントも、松浦製作所の技術力を裏付けしているなと感じました。

松浦製作所には技術力・発信力ともに特徴があり、この2つが相乗効果を生んで唯一無二の存在になっているとタクミセンパイは分析しました。



イベントのお知らせと質問募集

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2026年5月29日(金)に大田区産業プラザPiOで開催される「試作市場&微細・精密加工技術展」において、松浦製作所×タクミセンパイで特別講演をさせていただくことになりました。

「試作市場&微細・精密加工技術展」の展示会情報をまとめています。

名称第15回試作市場& 微細・精密加工技術展
日時2026年5月28日(木)・29日(金)10:00~17:00
*29日は16:00まで
場所大田区産業プラザPiO
(東京都大田区南蒲田1-20-20)
主催日刊工業新聞社
入場料無料
目標来場者数3,500人
公式サイト第15回試作市場& 微細・精密加工技術展 専用ページ


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「試作市場&微細・精密加工技術展」における松浦製作所×タクミセンパイ特別講演の情報をまとめています。

講演タイトル技術力だけでなく発信力もすごい!
微細・精密加工に強みを持つ試作メーカー松浦製作所にタクミセンパイが迫る!
講演内容熟練職人が培ってきた技と先端設備を融合させ、さらに加工後の測定・検証まで一貫して対応できる体制を強みに、半導体・医療機器など多様な産業分野で確かな実績を築いてきた松浦製作所に迫ります。

松浦製作所は、新製品や試作部品に求められる高度な微細加工技術に加え、SNSを活用した積極的な情報発信にも力を入れています。

製造業に携わる人々が関心を寄せるテーマを軸に、「技術力×発信力」という視点から、タクミセンパイがディスカッション形式でお話を伺います。
登壇日2026年5月29日(金)13:00~14:00
会場大田区産業プラザPiO
公式サイト第15回試作市場& 微細・精密加工技術展 特別講演専用ページ


特別講演に興味がある方は、是非「試作市場&微細・精密加工技術展」にお越しください。

「試作市場&微細・精密加工技術展」の特別講演で聞いてみたいこと、話してほしいテーマがあれば「contact@takumi-senpai.com」までご連絡ください。

内容を確認し、採用を検討させていただきます。

執筆者情報

hattori


本記事はタクミセンパイの服部がインタビューして執筆・編集しました。

私は工具メーカーでの営業とマーケティングの経験を活かし、切削工具と切削加工業界に特化した専門サイト「タクミセンパイ」を2020年から運営しています。
私(服部)の実績や経歴については「運営について」に記載しています。

タクミセンパイとして収集した最新情報をもとに、ここでしか読めない独自視点の記事や調査データを提供しています。
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