切削工具と切削加工業界の情報を発信するポータルサイト「タクミセンパイ」をご覧いただきありがとうございます。
当サイトを運営する編集長の服部です。
今回、株式会社あかがねの近藤様・山手様・石井様と「厚物カタログ制作にも効率化が求められる時代の解決方法とは」をテーマに、対談を実施させていただきました。
*本記事はスポンサー広告として記事を作成しています
あかがね×タクミセンパイ対談
はじめに
タクミセンパイ 服部(以下服部):こんにちは。タクミセンパイの服部です。
今回は製造業のカタログやWEBサイトの制作、データベース構築の支援をされている企業「株式会社あかがね」との対談になります。
私も工具メーカーでマーケティングを担当していた際に、カタログ制作に携わっていたことがあるため、同じ業界人としても苦労を理解しています。
そこで、今回は切削工具のカタログ制作について意見を交わしていきたいと思います。
株式会社あかがねの皆さん、よろしくお願いします。
株式会社あかがね 石井様(以下石井様):本日はこのような機会をいただきありがとうございます。
株式会社あかがねで広報を担当しています、石井です。
切削工具業界で有名なタクミセンパイとの対談を楽しみにしていました。
服部:有名と言っていただき光栄です。私も楽しみにしておりました。
石井様:あとでお話をしようと思うのですが、我々、切削工具のカタログには少し自信を持っております。
服部:御社のオフィスを見学させていただいた際に、そうそうたる切削工具メーカーのカタログが置かれているのを確認しました。
このカタログ制作は、もちろん御社が携わったものでしょうか。
石井様:はい。携わらせていただいています。
あかがねの由来
服部:では、カタログ制作の話は後ほどお聞きさせていただきます。
最初に伺いたいのが、「あかがね」というひらがな4文字の社名、珍しいと思いますこちらにはどのような意味が込められているのでしょうか。
石井様:創業は1962年になり、おかげさまで半世紀を超えて事業を継続させていただいています。
長らく製造業のお客様からお仕事を頂いてきたのですが、どの企業様もどんどん変化をされていきます。
創業時は写植で制作していたカタログも今ではデータベースを軸としたカタログ制作に変わり、ECサイトへ展開されています。
当社も変化に対応し、お客様の業務を支援させていただいています。
お客様の進化・変革に寄り添い、お役に立ち続けたいという思いと意志をもって、銅(あかがね)のように形を変えて役に立ち続ける、そのような意味を込めております。
服部:なぜ、銅(あかがね)なのでしょうか。
石井様:銅(あかがね)は古来から人類の発展と反映になくてはならないものでした。
大昔から装飾品や貨幣に使用され、今では電子機器の半導体に数多く使用されています。
そのような銅のように我々も変化を続け、お客様のお役に立たせていただくという意味になります。
あかがねの事業内容
服部:銅(あかがね)は金属の1種なので、製造業との距離の近さを感じますね。
次に事業のご紹介をお願いします。
石井様:当社はBtoB製造業の中でも、特に商品数が多く(カタログページ数が多い)、多言語・多媒体展開をされている企業様を支援させていただいています。
これらの企業を当社では3M(Multi Page, Multi Language, Multi Mediaの頭文字)と呼んでおります。
たとえば切削工具のように数千、数万を超える商品を取り扱っている企業や、FA機器や建機のようにグローバルに活躍されている企業のことです。
多頁(多製品)・多言語・多媒体の場合、商品情報を正確に管理すること自体が大変で、さらに必要なタイミングで提供するということは非常に難しいことです。
これら課題を抱える3M企業の商品情報発信プロセスの支援をしております。
服部:商品情報発信という部分を、もう少し詳しく教えてもらえますか。
石井様:たとえばカタログにあるスペック情報、WEBサイトにある画像や動画、ECサイトからダウンロードできるCADなどは、いずれもひとつひとつが商品情報です。
商品情報の集合体がカタログやWEBサイトになりますが、これらの情報は当然のことながら最初から存在しているわけではありません。
商品企画部門で企画案が生まれ、開発・設計部門で商品スペックが決まります。
商品化が決定された後に仕様が決定し、仕様書が作成されます。
その仕様書をもとにマーケティング部門がカタログやWEBサイトに情報を掲載しますが、プロセスを経るごとに商品情報は変化を続けていきます。
服部:カタログの商品情報を、そのようなプロセスで考えたことはありませんでした。
厚物カタログの課題
株式会社あかがね 近藤様(以下近藤様):当社は商品企画からマーケティング(販促)、営業、代理店、エンドユーザーに至るプロセス全体で商品情報の管理・活用ソリューションを提供していますが、とりわけマーケティング(販促)部門でのサービス提供に強みを持っています。
たとえば、総合カタログと単品カタログは同じ商品が掲載されていますが、メーカー様は同期をとるのに苦労されています。
商品情報をデータベースで一元管理し、総合カタログと単品カタログを自動制作する。
そのようなシステムを提供することで、メーカー様の苦労を軽減させていただいています。
服部:その苦労はよく理解できます。
私もカタログを制作していた際に、新製品は単品カタログをまず進めて、総合カタログ改定の際に追加していました。
総合カタログを制作する中で発生した新製品に関する変更点を、単品カタログの増刷・改定に忘れることなく反映すること、また同時並行で進む英語カタログの制作チームに連携することに苦労していました。
カタログの誤植や改善点はExcel等に各自が記入し、それを確認して改定していましたが、かなり大変でした。
近藤様:まさにおっしゃるとおりです。
昔はマンパワーでやりきれていた部分が多いと思うのですが、カタログの種類・ボリュームが増え、WEB施策が注目を浴びるようになってから、マンパワーの限界が来ているように思います。
人に依存した制作体制だと、どうしてもミスが発生し、正誤表が発行されてしまいます。
服部:たしかに何人もの社員がダブルチェック、トリプルチェックをしてもミスは出てきますね。
近藤様:そのチェック工数の積み重ねがお客様の工数(負荷)に跳ね返ってきてしまうのです。
服部:あかがねでは、どのようにお客様の工数(負荷)を削減されているのでしょうか。
株式会社あかがね 山手様(以下山手様):カタログの工程だけで見ると、全体の工数、お客様の負荷を抑えるには限界がありますし、今がその限界点だと思っています。
これ以上頑張っても、効果は薄い。つまり乾いた布を絞るようなイメージです。
当社では制作プロセスの改善を図るために、カタログの工程だけでなく、その前後工程を含めて、お客様に必要なモノを必要な形で改善提案をさせていただいています。
そのひとつが商品情報データベースを構築することです。
服部:ということは、単なる制作会社ではなくて、コンサルティング的な機能を持っているということでしょうか。
山手様:はい、そうです。
カタログ制作が得意です、マーケティングが得意です、という会社はたくさんあると思います。
ただ、商品情報自体をどう管理しカタログを作るのか。
最初から最後までを俯瞰してお客様ごとにあった状態を提案する、コンサルティング・システム・運用代行を組み合わせて提供する、そのような制作会社はあまりないのではないかと思います。
あかがねが選ばれる理由
服部:あかがねが選ばれる理由というのは、ズバリなぜでしょうか。
山手様:大量の商品を扱う企業のお客様の課題に寄り添った「提案力と実行力」だと考えています。
切削工具業界は正に3Mならではの課題をお持ちの業界だと思います。
だからこそ我々のサービスにご満足いただき、大手・中堅のメーカー様、商社様と継続的なお取引をさせていただけているのだと思います。
切削工具メーカー様の実績を紹介すると、カタログをきれいに上手につくることだけではなく、お客様目線に寄り添い、お客様の工数・負荷を削減する会社というスタンスを受け入れていただき、指名をいただきました。
商品情報データベースの導入効果
服部:商品情報データベースの導入効果を教えていただけますか。
山手様:たとえば、いままで手作業で数百ページのカタログを制作していたとします。
制作途中で中身の商品情報が変わるので、修正依頼と反映が錯綜し、ミスが生まれやすくなっています。
このような商品情報が変わる環境の場合、商品情報を一元管理するデータベースをつくります。
一定のルールのもと、カタログ・WEB・商社に提供するデータ、それらの多言語版といったようにすべての商品情報をデータベースに入れておくようにします。
商品情報データベースの構築・入力により、商品情報が常に正しい状態を作ります。
商品情報データベースをルール通りに入力・運用することでWEBサイトへの自動更新が可能になったり、プログラムでのカタログ自動制作ができるようになります。
自動で処理されるということは、チェックの工数も大幅に省力化できますし、完成までの期間をスピードアップさせることができます。
服部:よくわかりました。プロセス全体を見て課題を解決するというのは、切削工具の選定と共通点があると感じました。
切削加工におけるコスト削減という目的に対して、解決手段の1つとして切削工具の改善があります。
ただ、切削工具単体のコスト削減には限界があるため、加工時間を短くする・工具の交換時間を減らして機械を停める時間を減らすなど、生産全体のコストをいかに下げるかの視点が重要になってきます。
これらの視点を意識した上で、タクミセンパイはVision「切削加工に携わる人々の情報格差をなくす」を掲げ、情報を発信しています。
近藤様:アプローチは違いますが、切削工具の商品情報の発信や流通の格差を埋めていくという意味では共通点が多いと感じました。
なぜならプロセスを部分としてではなく全体として見ているからです。
これは知見や実績に下支えされていることだと思いますし、そういう意味でまるで同志のようにも感じました。
服部:ありがとうございます。私もそう思っています。
さいごに
服部:商品情報データベースが導入された未来は、非常に利便性が高いと理解しました。
一方でカタログ制作の経験者として、カタログ制作案件なのに商品情報データベースからつくりましょうと言われると、少しハードルが高いように思います。
どのようにご相談ができるのでしょうか。
近藤様:商品情報データベースはかなり大掛かりなプロジェクトになります。
そのため、データベース化を見据えながらも、まずは単品カタログ・翻訳・動画・WEBサイトなどの制作からスタートすることが可能です。
それらの制作案件を通して、商品情報データベースのあるべき形や、両社の業務の進め方をすり合わせていく流れが多いです。
さきほどご紹介した切削工具メーカー様は、きっかけは動画制作の依頼でした。
その後、単品カタログが多数あることで、カタログ間の同期をとることに課題を感じられていることを知りました。
カタログを効率よく作る方法として当社の商品情報データベースをご紹介し、導入していただきました。
服部:いきなりデータベースの構築や総合カタログ制作を新規の会社にお願いするのはかなりハードルが高いので、プロジェクト規模を問わず相談できるのは良いですね。
現在カタログ制作でお困りの方、今後データベースを見据えた商品情報管理に興味がある方は、気軽にご相談ができる企業様だと思います。
近藤様・山手様・石井様、今日はありがとうございました。
近藤様・山手様・石井様:はい、本日はありがとうございました。
編集長コメント
切削工具のカタログ制作、商品情報データベースの構築を強みとされている「株式会社あかがね」と対談させていただきました。
私も工具メーカーでカタログ制作を担当していたため、カタログ・WEBサイトの制作、商社やECサイトとのやり取りにおいて、商品情報の管理・更新・連携に苦労していました。
扱っていた商品数は1000点以下でしたが、カタログ・WEBサイトにおける多言語対応、商社やECサイトとのやり取りにおける指定のExcelフォーマット入力が負担になっていました。
今後工作機械や切削加工関連ソフトウェアと切削工具情報の連携が高まると考えられ、最新の情報を正確にスピーディに連携するために、商品情報データベースの構築が必要であると考えます。
AIによって切削工具が自動で選定されるようなサービスも登場しており、選ばれる切削工具になるためにも、商品情報データベース構築を検討されてはいかがでしょうか。