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切削油剤による手荒れに最適な保護クリームとは

切削工具と切削加工業界の情報を発信するポータルサイト「タクミセンパイ」をご覧いただきありがとうございます。
当サイトを運営する編集長の服部です。

本記事では「切削加工業界の困りごとの1つである切削油剤による手荒れについて、その原因と対策方法」についてまとめています。
また「予防方法の1つである保護クリームについて、株式会社YSKが開発したびるふれ」についても触れています。

*本記事は保護クリーム「びるふれ」を開発した金属部品メーカーの株式会社YSKに作成いただき、編集させていただきました。

【記事の信頼性】
本記事を書いた私(服部)は2014年から切削加工業界に携わり、2020年から「タクミセンパイ」を運営しています。

工具メーカーで営業として500社以上の切削工具ユーザー(工作機械で切削加工されている方)に訪問し、技術支援をさせていただきました。
また、マーケティングとして展示会とイベントの企画・運営、カタログとWEBサイトの大型リニューアルプロジェクト、ブランディングプロジェクトを経験しました。

営業とマーケティングの経験をもとに、切削加工業界で働く皆さまに向けて本記事を執筆しています。

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切削油剤によって手が荒れる原因

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切削油剤による手荒れ、炎症(かぶれ)、かゆみ、赤み、湿疹、水ぶくれの原因は「刺激性接触皮膚炎」です。

接触性皮膚炎とは

皮膚に何らかの物質が触れることで刺激を受け、かゆみや赤みなどの症状を伴うことを接触性皮膚炎と言います。
接触性皮膚炎は「かぶれ」とも呼ばれ、油や洗剤、金属などが主な原因となり発症します。

主に2種類に分類されており、「刺激性接触皮膚炎」と「アレルギー性接触皮膚炎」があります。

「刺激性接触皮膚炎」は触れたものによる刺激によって発症する恐れがあり、誰にでも起こる可能性があります
一方、「アレルギー性接触皮膚炎」は特定の物質にアレルギー反応を起こす人だけが発症するものです。

接触性皮膚炎の症状

刺激物やアレルギー物質が皮膚に付着した際に炎症(かぶれ)を起こし、かゆみや赤みを生じます。

また、湿疹や水ぶくれを起こしたり、激しい痛みを生じる場合もあります。
長期間放置すると、ただれや膿などに悪化する場合もあるため、早期の治療をオススメします。

金属加工業における刺激性接触性皮膚炎の原因

金属加工業では、主に工業用油の使用によって刺激性接触皮膚炎を発症します。
油に含まれる成分や個人差(体質、肌質)によって炎症の程度は変わります。

金属加工では切削油剤や防錆油などの工業油や薬品を使用します。

油には脱脂作用があるため、皮膚が乾燥して肌が刺激を受けやすくなります
乾燥した皮膚に工業用油や薬品などが付着することで炎症を起こしてしまいます

また、手洗いの回数が多いことも手荒れを起こす原因となります。

しかし、作業者は工業油や薬品の使用を避けることが難しく、肌の回復が間に合わず、絶えず刺激を受け続けてしまいます。

切削油剤の手荒れ対策

金属加工業で避けては通れない切削油剤との接触ですが、いくつか対策する方法があります。

ゴム手袋やアームカバーを着用する

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刺激性接触性皮膚炎を防ぐためには、刺激物が直接皮膚に触れないように対策することが効果的です。

ゴム手袋やアームカバーを着用することで、刺激物が直接皮膚に触れないように保護することができます。
しかし、ゴム手袋の着用が人によってはアレルギーを起こす原因となるため注意が必要です。
ゴム手袋を着用する際には、布手袋の上からゴム手袋を着用することをオススメします。

ただし、回転工具などによる巻き込みの危険性があるため、手袋を着用できない場合があります。

作業前に保護クリームを塗る

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作業内容によってはゴム手袋やアームカバーの着用が難しい場合もあります。
また、作業の効率性からできる限り着用したくない方もいると思います。

その場合は作業前に保護クリームを肌に塗り込み、皮膚を保護します。
保護クリームには手や肌をコーティングする成分が配合されています。

コーティングすることで刺激物が直接皮膚に触れることを防ぎます
また、作業中に汚れがつきにくくなり、手洗いの回数を減らす効果も期待できます。

クリームは作業や手洗いによって落ちるため、こまめに塗り直すことが必要です。

刺激の少ない切削油剤や手洗い洗剤を使用する

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切削油剤や手洗い洗剤は、できるだけ刺激の少ないものを選ぶことで手荒れの対策ができます。

皮膚刺激を抑えた切削油剤や刺激の弱いハンドソープが販売されています。
手荒れや炎症(かぶれ)に困っている方は、一度試してみるとよいでしょう。

しかし、切削油剤の変更によって逆に手荒れを悪化させてしまう場合もあるため、慎重な選定が必要です。
また、水溶性切削油剤においては、腐敗による微生物の繁殖にも気を付ける必要があります。

びるふれについて

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金属部品メーカーである株式会社YSKの経営企画課がプロデュースし、金属加工の油負けに特化した保護クリーム「びるふれ」を開発しました。
「びるふれ」は保湿目的のハンドクリームとは異なり、原因となる油が直接手指に触れないようにコーティングすることで肌を保護し、手荒れを防ぎます

びるふれ誕生秘話

新入社員の研修(2021年)で行ったコンペで原案を発表したところが原点です。

困りごとからビジネスは生まれるのではと考え、製造業の困りごとを社内・お客様・WEBサイトで確認したところ、「手荒れ」や「手の汚れ」という意見が多くありました。

当時の社長石川から面白いから進めてほしいとGOサインが出て、開発がスタートしました。
弊社現場社員の声をもとに、1年ほどかけて何度も試作を重ねました。

同業者だからこそ分かる、製造業ならではの視点で作られたこれまでにない保護クリームが完成しました。
製品開発とあわせてデザインや販売方法などを検討し、2022年2月に販売を開始しました。

びるふれの効能

「びるふれ」は、ウォータープルーフの化粧品などに使われることもあるシリコン系の成分「ジメチコン」と「ペンタシロキサン」を配合した保護クリームです。

ジメチコンは安全性の高いシリコンです。
シクロペンタシロキサンはシリコンオイルの一種で、無色無臭で安定性や安全性が高いシリコンです。

オイルでありながらベタつきがなく、軽く伸びやすいさらっとした質感が特徴です。

また、揮発性があり、蒸発しても皮膜を形成して水をはじく効果があります。
この成分が皮膜を作って手をコーティングすることで、肌に切削油剤などの原因物質が触れることを予防し、手荒れを防ぎます
膜を作ることで手が汚れることも避けられるため、手洗いも楽になります。

びるふれの効果的な利用方法

作業前に手をしっかり洗い、水分をふき取った後に適量を手に馴染ませます。

工場では手洗いや機械の操作によりクリームが取れてしまいます。
そのため、効果を持続させるために何度も塗り直すことをオススメします。

一般的なチューブタイプのハンドクリームが1本おおよそ50~100gであるのに対し、「びるふれ」は工場で使われることを想定して200gと大容量にしています。

びるふれの反響

製造業でお付き合いのあるお客様から、「以前手荒れが酷くて退職した人がいたから購入したい」とお問い合わせいただきました。

全くお付き合いのなかった業界として、自動車整備士にPRしたい等のお問い合わせもいただいています。

編集長コメント

「切削油剤による手荒れに最適な保護クリームとは」いかがでしたか。

切削加工の現場で働く皆さまの苦労の1つとして、切削油剤による手荒れがあると確認しています。

切削加工現場の生産性向上という目的だけでなく、働く環境の改善として安全で人にやさしい切削油剤が拡がって欲しいと考えていますが、簡単には切り替えできないのが現状です。

そのため、すぐにできる予防方法として保護クリームを紹介させていただきました。

切削油剤を業務で使用する同業者の目線で開発された株式会社YSKの「びるふれ」について、お試ししてみてはいかがでしょうか。

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