切削工具と切削加工業界の情報を発信するポータルサイト「タクミセンパイ」をご覧いただきありがとうございます。
当サイトを運営する編集長の服部です。
本記事では「2022年4月~2023年3月の1年間で切削工具メーカーが発表した新製品の発表数のランキング」についてまとめています。
また、X(旧Twitter)アンケートにて「新製品の発表数を重視しているか」と「新製品情報をどのように入手しているか」を確認した結果を紹介しています。
【記事の信頼性】
本記事を書いた私(服部)は2014年から切削加工業界に携わり、2020年から「タクミセンパイ」を運営しています。
工具メーカーで営業として500社以上の切削工具ユーザー(工作機械で切削加工されている方)に訪問し、技術支援をさせていただきました。
また、マーケティングとして展示会とイベントの企画・運営、カタログとWEBサイトの大型リニューアルプロジェクト、ブランディングプロジェクトを経験しました。
営業とマーケティングの経験をもとに、切削加工業界で働く皆さまに向けて本記事を執筆しています。
新製品発表数の定義
切削工具メーカーおよびツールホルダーメーカーが、2022年4月~2023年3月の1年間に公式サイトで公表している新製品の発表数をカウントしました。
ラインナップ追加も含めています。
新製品の発表数は、ニュースおよびプレスリリースの数をカウントしており、タイトルを読んで新製品であると判断できるものを対象としています。
新しいカタログの公開、カタログの改定がニュースになっている場合、その中に新製品が含まれていたとしてもカウントの対象になっておりません。
ランキング対象の切削工具・ツールホルダーメーカー
採用数の多い切削工具・ツールホルダーメーカーであり、公式サイトで日本語のニュースを掲載している下記25社をランキングの対象にしております。
- 株式会社イワタツール
- 株式会社栄工舎
- エヌティーツール株式会社
- エフ・ピー・ツール株式会社
- 株式会社MSTコーポレーション
- エムーゲ・フランケン株式会社
- オーエスジー株式会社
- 岡崎精工株式会社
- 京セラ株式会社
- グーリングジャパン株式会社
- サンドビック株式会社
- 株式会社ジーベックテクノロジー
- 住友電工ハードメタル株式会社
- ダイジェット工業株式会社
- 株式会社タンガロイ
- 株式会社日研工作所
- 日進工具株式会社
- BIG DAISHOWA株式会社
- 富士元工業株式会社
- 株式会社不二越
- 三菱マテリアル株式会社
- 株式会社MOLDINO
- 株式会社彌満和製作所
- ユキワ精工株式会社
- ユニオンツール株式会社
新製品発表数ランキング
ランキング対象の切削工具・ツールホルダーメーカー25社のうち、2022年4月~2023年3月の1年間に公式サイトで新製品を1件以上発表しているメーカーのランキングがこちらです。
1位のタンガロイが2位と大きく差をつけて40件という結果でした。
2位の三菱マテリアルは20件、3位のダイジェット工業は13件という結果でした。
25社のうち5社は2022年4月~2023年3月の1年間に公式サイトで公表している新製品が0件でした。
新製品発表数ランキング TOP5
新製品発表件数ランキングの上位5社の累積合計グラフがこちらです。
2022年11月にJIMTOF2022が開催されており、新製品の発表タイミングとされることが多いです。
TOP5のメーカーはJIMTOF2022のタイミングに発表を集中させることなく、コンスタントに新製品を発表しています。
「新製品」の発表数を重視しているか
切削工具ユーザー(工作機械で切削加工されている方)はたくさんの新製品を求めているのか。
X(旧Twitter)のアンケート機能を使って、簡易的に調査してみました。
切削工具ユーザー(工作機械で切削加工されている方)に対して、お気に入りの切削工具メーカーを選ぶ上で「新製品」の発表数を重視しているか、重視する・どちらでもない・重視しないから1つを選んでいただきました。
51人が回答したX(旧twitter)のアンケート結果が下記となります。
(回答だけ見たい人がいたずらに選択しないように「回答だけを見る」を選択肢に入れています)
「回答だけを見る」を除いて作成したグラフが下記です。
想定外の結果で「重視しない」が最も多い51%でした。
この結果について、切削工具メーカーは新製品を大量に出すことだけを目的にしてはいけないと認識することができました。
大量の新製品は、切削工具ユーザー(工作機械で切削加工されている方)にとって選択の負荷になってしまうと考えられます。
とはいえ、新製品は重要であると考えます。
これまでなかった新製品、圧倒的に性能が向上した新製品であれば、選んでテストしてもらえるかもしれません。
加えて、新製品の情報をわかりやすく切削工具ユーザーに伝えることが重要です。
「新製品」情報をどのように入手しているか
新製品の情報をわかりやすく切削工具ユーザー(工作機械で切削加工されている方)に伝えることが重要であると考え、情報収集の方法についてX(旧Twitter)で調査してみました。
切削工具を普段利用している切削工具ユーザーに対して、切削工具メーカーの「新製品」情報を普段どのように入手しているか、下記3つの選択肢から選んでいただきました。
- 展示会・イベントに参加する
- 切削工具メーカー営業からの紹介/メルマガ
- 機械工具販売店からの紹介
27人が回答したX(旧twitter)のアンケート結果が下記となります。
(回答だけ見たい人がいたずらに選択しないように「回答だけを見る」を選択肢に入れています)
「回答だけを見る」を除いて作成したグラフが下記です。
回答が分かれ、切削工具ユーザー(工作機械で切削加工されている方)によって新製品の情報収集方法が異なることがわかりました。
展示会・イベントで新製品の情報を収集している切削工具ユーザーに対しては、しっかり新製品だとわかるような伝え方が展示方法が必要であると考えます。
切削工具メーカー営業からの紹介/メルマガで新製品の情報を収集している切削工具ユーザーに対しては、営業の訪問やメルマガ配信によるユーザーとのコミュニケーションが重要であると考えます。
機械工具販売店からの紹介で新製品の情報を収集している切削工具ユーザーに対しては、機械工具販売店への適切な情報の展開と、わかりやすい販促資料などを提供することが重要であると考えます。
編集長コメント
「切削工具メーカーの新製品発表数ランキング」いかがでしたか。
TOP5のメーカーはJIMTOF2022のタイミングに新製品発表を集中させることなく、コンスタントに発表されており、素晴らしいと感じました。
一方で、X(旧Twitter)で実施したアンケートからは厳しい意見が出ており、お気に入りの切削工具メーカーを選ぶ上で「新製品」の発表数を重視しているかの質問に対して、「重視していない」が最も多い37.3%でした。
切削工具メーカーは新製品の数を重視するべきではなく、切削工具ユーザー(工作機械で切削加工されている方)がテストしたくなる画期的な製品・圧倒的な性能の製品の開発を重視すべきだと考えます。
そして、切削工具ユーザーにとって切削工具選択が負荷にならないように、検索データベースを整備する必要性もあると考えます。
今回の集計で漏れてしまっている新製品があるかもしれません。
ただ、WEBサイトを訪問した切削工具ユーザーも新製品を見落としている可能性があり、情報発信方法の改善をオススメします。
(あえて新製品をWEBサイトで公開していない戦略を取られている場合もあるかもしれません)
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