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MECT2025の来場者数と会場レポート

MECT2025(メクト, メカトロテックジャパン)の来場者数、会場のレポートを前回との比較データとあわせて知りたいと困っていませんか。

この記事を書いた私は工具メーカーでの営業・マーケティングの経験を活かし、切削工具と切削加工業界に特化した専門サイト「タクミセンパイ」を2020年から運営しています。
2015年からMECTに6回参加してきた視点と会場で感じたことから本記事を執筆しました。

本記事では国内最大級の工作機械見本市「MECT」に関する最新の来場者数データ、会場で感じたことをまとめています。
この記事を読むことで、前回との比較データとあわせてMECT2025の来場者数(開催実績)と会場の様子を知ることができます。

MECT2025の来場者数は2023年と比較して約1%増えた77,613人でした

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MECT2025の来場者数と会場レポート

mect2025-logo

キャッチコピーは「この発見、劇アツ!!!!」です。

名称メカトロテックジャパン2025
MECHATRONICS TECHNOLOGY JAPAN2025
(略称:MECT2025)
会期2025年10月22日(水)〜25日(土)
開催時間10:00~17:00(最終日は16:00まで)
会場ポートメッセなごや(名古屋市国際展示場)
新第1展示館・第2展示館・第3展示館
出展規模524社・団体
来場者数77,613人


MECT2025会場の様子を写真でお伝えします。

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MECT2025会場風景(新第1展示館)


午前中に新第1展示館が混み、午後に第2展示館および第3展示館が混む傾向にあったようです。

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MECT2025の主催者企画展示(コンセプトゾーン)のテーマは「医療を支える加工術 -異業種に学ぶ成功のヒント-」です。

コンセプトゾーン内に3台の工作機械が持ち込まれて加工実演が提供され、「機械動作」や「加工音」、「段取り方法」など最新加工ノウハウを会場で見ることができました。

テーマは下記3つとなっています。

医療器具のミニチュア再現技術(キャステム×碌々スマートテクノロジー)
医療に生かす金型メーカーの技(狭山金型製作所×ファナック)
医療の未来を創る、切り拓く新工法(メイラ×中村留精密工業)

他社の加工技術に触れることができる機会は少ないため、コンセプトゾーンにて実加工や実物のワークを確認したり、スタッフと会話することで学びにつなげることができます。


キャステム×碌々スマートテクノロジーのMECT2025主催者企画展示

キャステム×碌々スマートテクノロジーのMECT2025主催者企画展示として、サンプルワークと加工実演の写真を紹介します。
「医療器具のミニチュア再現技術」として鉗子(かんし)が展示されました。

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キャステム×碌々スマートテクノロジーのサンプルワーク


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キャステム×碌々スマートテクノロジーの加工実演



狭山金型製作所×ファナックのMECT2025主催者企画展示

狭山金型製作所×ファナックのMECT2025主催者企画展示として、サンプルワークと加工実演の写真を紹介します。
「医療に生かす金型メーカーの技」としてマイクロ流路が展示されました。

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狭山金型製作所×ファナックのサンプルワーク


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狭山金型製作所×ファナックの加工実演



メイラ×中村留精密工業のMECT2025主催者企画展示

メイラ×中村留精密工業のMECT2025主催者企画展示として、サンプルワークと加工実演の写真を紹介します。
「医療の未来を創る、切り拓く新工法」として、整形外科用インプラントなどが展示されました。

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メイラ×中村留精密工業のサンプルワーク


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メイラ×中村留精密工業の加工実演




MECT2025の来場者数データ

2025年10月22日(水)〜25日(土)に開催されたMECT2025の来場者数は下記です。

MECT2025MECT2023
10月22日
(水)
18,728人18,084人
10月23日
(木)
21,194人20,108人
10月24日
(金)
23,714人24,731人
10月25日
(土)
13,977人14,302人
合計77,613人77,225人


前回MECT2023の来場者数合計は77,225人で、MECT2025は2023年と比較して約1%増えた77,613人でした。
来場者数と曜日について、MECT2025は例年通り金曜日が最も多いという結果でした。

土曜日の来場者数はMECT2023と同じく減少傾向にあり、2023年と比較してMECT2025は2.3%減少しています。
MECT2025は1日目(水曜日)と2日目(木曜日)の来場者数が2023年と比較して多く、土曜日参加を避けて平日に参加する傾向が強くなっていると予測します。

これまでのMECTは土曜日にプライベートで参加する方や家族連れの参加が多い傾向にありました。
JIMTOFでも土曜日・日曜日の来場者数が減少傾向にあり、切削加工業界で働き方に変化が起きていると考えます。



MECT2025会場レポート

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MECT2025の来場者数だけではわからない情報として、会場レポートをお届けします。
現地で感じた「MECTの変化」に関して、Xで実施したアンケートを元にお伝えします。


MECT2025参加の目的

MECT2025の「参加目的」を調査した結果がこちらです。


もっとも当てはまるものを1つ選ぶXのアンケートにて、「新製品情報の入手・業界動向の調査」に続き、「出展者・来場者との交流」が26.8%で2番目に回答数が多いという結果でした。

mect2023-visitor-purpose


参考として、主催者が公開している「MECT2023 来場目的」が上図であり、来場目的は「新製品情報・資料の収集」と「最新技術の動向調査」が高いことがわかっています。

Xで調査したデータであるため偏りはあると考えられますが、主催者公開データからはわからない来場者の変化として、「出展者・来場者との交流」を目的とした参加者が一定数いることはMECTの変化ではないでしょうか。
JIMTOF2024において実施した同様のアンケートでも「出展者・来場者との交流」が16.9%だったため、MECTに限らず切削加工業界に関連した展示会の変化と考えています。


MECT2025におけるノベルティの重要性

MECT2025について「訪問する企業を選ぶ上でのノベルティの重要性」を調査した結果がこちらです。


アンケート結果は「ノベルティはかなり重要」の回答が41.5%で最も多く、「重要」の回答(17.1%)と合わせると、58.6%の来場者が訪問する企業を選ぶ上でノベルティが重要であると回答しています。

Xで調査したデータであるため偏りはあると考えられますが、展示物や主催者企画ではなく出展社のノベルティが来場者の訪問先決定に重要であることがわかります。
JIMTOF2024において実施した同様のアンケートでも「ノベルティはかなり重要」「ノベルティは重要」の合計が58.8%だったため、MECTに限らず切削加工業界に関連した展示会の変化と考えています。


MECT2025における紙MAPについて

MECT2025の「視察におけるMAP活用方法」を調査した結果がこちらです。


アンケート結果は「紙MAP(持参)を使った」の回答が51.9%で最も多く、「紙MAP(現地入手)を使った」の回答(25.9%)と合わせると、77.8%の来場者が紙MAPを利用していることがわかります。
スマホでMAPを確認することもできますが、MECT2025は展示会の会場規模が大きく、出展社数が多いため、書き込みができて全体像を把握できる紙MAPが視察に適しているのではないかと考えます。


MECT2025における紙カタログについて

MECT2025の「会場での紙カタログ配布の必要性」を調査した結果がこちらです。


こちらの調査を実施した背景は、MECT2025の会場で切削工具メーカーを視察している時に前回(MECT2023)と比較して紙カタログが減ったと感じたからです。

アンケートの結果は「後日送付なら欲しい」の回答が33.3%で最も多く、「会場で紙カタログが欲しい」の回答(30.6%)と合わせると、63.9%の来場者が紙カタログを求めていることがわかります。
ペーパーレス化も重要ですが、視察した製品の情報(特に製品名と特長)を正しく記録し、社内に情報展開する上で紙のカタログが必要なのではと考えます。


MECT2025における会場へのアクセスについて

MECT2025の「会場へのアクセス」を調査した結果がこちらです。


こちらの調査を実施した背景は、ポートメッセなごや周辺の道路渋滞、あおなみ線の混雑に関するSNS投稿を数件確認したためです。
私も24日(金)に参加し、混雑している電車を利用し、周辺道路が渋滞していることを確認しました。

アンケートの結果は「電車で参加して混雑していた」の回答が37.1%で最も多く、「車で参加して渋滞していた」の回答28.6%と合わせると、65.7%の方が混雑・渋滞に遭遇したことがわかります。
道路の渋滞やあおなみせ線の混雑が来場者の不満につながっている点は、継続的な展示会開催において改善の検討が必要であると考えます。

MECT2025の来場者数と会場レポートまとめ

  • 前回MECT2023の来場者数合計は77,225人で、MECT2025は2023年と比較して約1%増えた77,613人だった
  • 来場者数と曜日について、MECT2025は例年通り金曜日が最も多いという結果だった。土曜日の来場者数は2023年と同じく減少傾向にあり、2023年と比較してMECT2025は2.3%減少
  • MECT2025は1日目(水曜日)と2日目(木曜日)の来場者数が2023年と比較して多く、土曜日参加を避けて平日に参加する傾向が強くなっていると予測
  • Xのアンケート調査より、「出展者・来場者との交流」を目的としたMECT2025参加者が26.8%存在している
  • Xのアンケート調査より、MECT2025では「紙MAP」を利用した参加者が77.8%存在している
  • Xのアンケート調査より、「電車で参加して混雑していた」もしくは「車で参加して渋滞していた」と回答した参加者が65.7%存在している

編集長コメント

「MECT2025の来場者数と会場レポート」いかがでしたか。

私は10月24日(金)にMECT2025に参加しました。

会場で自分が感じたことに加え、他の方の意見も聞きたかったためXでアンケートを実施し、そのアンケート結果を本記事にまとめました。
アンケートにご協力いただいた皆さまありがとうございます。

Xでの「参加目的」に関するアンケート結果より、MECT2025に「出展者・来場者との交流」を目的に参加している方が一定数いることがわかりました。
また、Xでの「ノベルティ」に関するアンケート結果より、ノベルティがブース訪問の動機につながっていることも確認できました。

来場者が出展者と交流する上で、SNS(特にX)での普段の投稿やコミュニケーションが訪問ハードルを下げ、ノベルティがブース訪問の動機につながっているのではと考えています。

切削加工業界のSNSとしては最もXが活用されており、Xを運用していないことの方が企業としてはリスクであり(認識されずに他社に顧客を奪われる)、Xで告知だけの運用はメリットが少ないと考えます。
Xを普段からしっかり運用してコミュニケーションを取り(告知だけのアカウントではない)、発信したくなるこだわりのノベルティを用意し(ユーザーが欲しいものを理解している)、事前にしっかりノベルティの情報を発信し、配布数量を用意できた出展社が特に上手く来場者を集めていたのではないでしょうか。

MECT2025に出展する企業のこだわりノベルティを紹介する企画「MECT2025 出展社こだわりノベルティ紹介」では、タクミセンパイが15社の情報を発信させていただきました。
こちらの記事は、出展社においてノベルティ企画の参考にすることができると思います。

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Xには発信力を持った方がたくさん存在しており、それらの方はノベルティの画像を積極的にSNSに投稿しています。
これら発信力のある方にノベルティを届けて発信してもらうことが、出展社が来場者を上手く集める方法の1つではないかと考えます。
ファンを増やす、こだわりノベルティを作る重要性については「ブランドを磨いてファンに推してもらうことの重要性」でも解説しています。

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Xでの「アクセス」に関するアンケート結果より、車での移動における渋滞、電車での移動における混雑がかなりの割合で発生していることが確認できます。
私も24日(金)にあおなみ線を利用し、10時20分頃に名古屋駅発で会場に向かい、17時20分頃に金城ふ頭発で会場から移動しましたが、ピークタイムから少し外れているものの満員状態でした。
また、車での参加について、Xの投稿より「駐車場内で30分まったく動かなかった」「昼過ぎに駐車場を出ても渋滞していた」などかなり渋滞が酷かったことがわかります。

交通渋滞を主催者が解決するのは難しいかもしれませんが、例えばMECT2025出展者と来場者向けに9~10時の時間帯で「交流&待機スペース」などを主催者が用意することで少し改善できないかと考えました。
通常より1時間早いことで、道路の渋滞やあおなみせ線の混雑を回避することができ、かつ朝に交流することで時間を有効活用できるようになり、満足度が高まるのではないかと考えます。

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執筆者情報

hattori


本記事はタクミセンパイの服部が執筆・編集しました。

私は工具メーカーでの営業とマーケティングの経験を活かし、切削工具と切削加工業界に特化した専門サイト「タクミセンパイ」を2020年から運営しています。
私(服部)の実績や経歴については「運営について」に記載しています。

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