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【インタビュー】ミスミに聞く切削加工業界のDXを実現したmeviy(メビー)

切削工具と切削加工業界の情報を発信するポータルサイト「タクミセンパイ」をご覧いただきありがとうございます。
当サイトを運営する編集長の服部です。

今回、株式会社ミスミ ID企業体 meviy事業部 Milling事業チーム 横田知明様に、デジタル部品調達サービス meviy(メビー)についてインタビューさせていただきました。

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1. ミスミについて

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タクミセンパイ服部(以下、服部):ミスミについて教えてください。



ミスミ 横田様(以下、横田様):ミスミは電子機器、ベアリングの販売を目的として1963年に設立されました。

現在はFA・金型部品、工具・消耗品など3000万点超を取り扱う通販サイト、MISUMI-VONAを展開し、世界に22の工場と17の配送センターを保有しています。

ミスミは、カタログ販売と標準化により、生産材調達フロー全体の効率化を目指しており、1977年に業界で初めてプレス金型用標準部品のカタログ販売を開始しました。

標準化については、半製品により低コストと確実納期を実現しています。

商品バリエーションについて、ミクロン単位で指定できるサイズバリエーションを含めると、ミスミの品揃えは800垓(がい)を誇ります。
これは1兆の800億倍という、星の数の表現に使われる膨大な数です。

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2. meviyの誕生経緯

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服部:meviy(メビー)誕生の経緯を教えてください。



横田実は、部品の調達において、ミスミのカタログで対応できる規格品領域は部品表の約半分、残りの半分はカタログでは手配できない、図面品領域でした。

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図面品は規格品と比べて、手配に手間と時間がかかることが課題でした。

一般的に、図面品を発注するとなると設計を進めていた3D CADデータから2D図面(紙の図面)を作成し、複数の会社に見積もりを送る必要があります。

部品点数1500点の装置の部品を手配する場合、部品調達にトータル1000時間(125日)かかる計算になります。

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これらの手間・待ち時間を解消するために、3D CADデータをアップロードするだけで見積もり・そのまま注文できるシステムを構築し、meviy(メビー)としてサービスを開始しました。

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ミスミの商品バリエーション800垓を超える無限の商品を提供するという想いから、無限大を意味する∞(メビウスの輪)からmeviy(メビー)と名付けました。

3. meviyの提供価値

服部:meviyの提供価値について教えてください。



横田meviyは3D CADデータをまとめてアップロードし、必要な情報を入力するだけで、AIが瞬時に見積もりと納期を提示します。
CM動画がわかりやすいので是非ご覧ください

1500点の部品調達の場合、meviyを活用することで、92%の時間を創出することができます。

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既に7万人以上のお客様がmeviyの価値を体験されています。

4. meviyの対応領域

服部:meviyの対応領域について教えてください。



横田:FAメカニカル部品(生産設備・装置・治具部品向け)として、マシニングセンタで加工をおこなう切削プレートと、板金加工・レーザー・打ち抜き・曲げ加工をおこなう板金部品の2つのサービスを提供しています。

切削プレートについて、縦型3軸マシニングセンタでドリル・タップ・フラットエンドミル・リーマ・面取りカッターを利用した製作が可能です。

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現在は製作不可の形状についても、今後の対応を目指して開発を進めています。

切削プレートの材質としては鉄、SUS、アルミ、樹脂、ミガキ材フラットバーに対応しています。
よく利用される部品としては、下図にあります生産設備・治具などがあります。

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見積もりにあたっての情報入力画面では、公差の設定や表面処理を選択することが可能です。

5. meviyのバリ取りへの対応

服部:元バリ取り工具メーカー出身として、バリ取りについて、どのように対応されているか気になるのですが教えていただけますか。



横田:meviy FA切削プレートでは、角部がピン角または0.5㎜以下のモデルについては角部C0.1㎜~0.5㎜以下で面取りをしています。

また、穴の口元の面取りは0.1~0.5㎜以下で面取りしています。

面取りの工程でバリ取りもおこなっています。

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6. meviyの導入事例・メリット

服部:どのようなお客様が利用され、何をメリットに感じていますか。



横田:WEBサイトには、株式会社デンソー様、パナソニック株式会社様、株式会社リコー様、ユニプレス株式会社様など、幅広い業界での活用事例を掲載しています。

利用部署としては生産技術部門や設計部門の方のご利用が多い印象です。
また、ベテランの方から若手の方まで幅広くご利用いただいています。

meviyのメリットの1つが、2D図面(紙の図面)を作成する手間を削減できることです。
社内ルールで2D図面の作成が必須なお客様であっても、先に部品の手配を進めることができ、時間があるときに図面を作成できるとメリットを感じていただいています。

また、3D CADデータをアップロードするだけで、誰がやっても同じ価格が一瞬で表示されることも評価いただいています。

7. meviyの納期

服部:納期について教えてください。



横田:生産は自社工場とパートナー工場でおこなっていますが、主には自社工場によるデジタルものづくりによって短納期を実現しています。
発注された部品を加工するプログラムを自動で生成する仕組みを備えています。

切削プレートの場合、標準の納期は6日になります。

標準納期以外のオプションとして、長納期と超短納期があります。

長納期では標準納期と品質は変わらず、20日目出荷で価格30%OFFで提供しています。
長納期はそこまで宣伝していないのですが、予想よりたくさんご利用いただいています。

また、超短納期サービスでは最短1日で出荷しています。
超短納期は選択肢の1つとして知っておくと、もしもの時に使えて安心できるとお客様から評価いただいています。

8. meviyのサポート体制

服部:利用が不安な方へのサポートにはどのようなものがありますか。



横田:meviyのサポート機能として、アップロードされた3D CADデータの形状を解析し、薄肉判定や歪み・変形のリスクをAIが自動で通知します。

これらの機能により、設計経験が少ない方であっても、製造できない形状をすぐに把握でき、設計ミスや手戻りを防ぐことができます。

WEBサイトでは、よくある質問の他、技術・操作マニュアルを提供しています。
ちょっとした疑問やお困りごとは「ヘルプボット」機能をお使いいただくことで、すぐに解決できます。

その他、お問い合わせフォームや電話での問い合わせも用意しています。

また、直接スタッフに相談しながら操作してみたいという方は、展示会への来場もオススメです。
会場ではmeviyの操作が可能な環境を用意していますので、スタッフに相談しながら体験することが可能です。

9. 2D図面への対応

服部:切削加工業界ではまだまだ2D図面(紙の図面)の利用も多いですが、そのようなお客様でも利用できるサービスはありますか。



横田:meviyとは別のサービスで、2D図面をアップロードすると、最短1日で見積もりが提示され、加工部品を1個から発注できるサービスも提供しています。

年間製作実績は5万件以上で、製造パートナー200社以上と連携し、良品率99.9%で提供しています。

編集長コメント

meviyはまさに、切削加工業界の仕組みを変えるDX(デジタルトランスフォーメーション)の成功例だと感じました。

見積もりのために3D CADデータから2D図面を作成する手間を削減できるのは、非常にインパクトがあります。

また、2D図面が業務の中心のお客様向けに向けたサービスも展開されており、ありがたいですね。

対応領域の拡大も予定されており、今後のmeviyに目が離せません。

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