切削工具と切削加工業界の情報を発信するポータルサイト「タクミセンパイ」をご覧いただきありがとうございます。
当サイトを運営する編集長の服部です。
本記事は「試作部品の切削工具ユーザー(工作機械で切削加工されている方)に対して、切削工具の情報収集」についてインタビューしました。
「切削工具の情報収集の手段が新型コロナウイルスでどのように変化したか、切削工具の比較・検討」について理解が深まる記事を目指して執筆しました。
【記事の信頼性】
本記事を書いた私(服部)は2014年から切削加工業界に携わり、2020年から「タクミセンパイ」を運営しています。
工具メーカーで営業として500社以上の切削工具ユーザー(工作機械で切削加工されている方)に訪問し、技術支援をさせていただきました。
また、マーケティングとして展示会とイベントの企画・運営、カタログとWEBサイトの大型リニューアルプロジェクト、ブランディングプロジェクトを経験しました。
営業とマーケティングの経験をもとに、切削加工業界で働く皆さまに向けて本記事を執筆しています。
試作部品の切削工具ユーザーに聞く切削工具の情報収集
試作部品の切削工具ユーザー(工作機械で切削加工されている方)に、新型コロナウイルス発生以降の切削工具の情報収集についてお伺いしました。
対応いただいた切削工具ユーザーについて簡単に紹介いたします。
中小企業の試作部品の切削工具ユーザーとして21年勤務され、主にマシニングセンタと旋盤を使用されています。
業務内容としては、製造だけでなく、営業、生産管理、品質保証をそれぞれ10年以上経験されているベテランの方です。
これまで試作品として対応されている部品の用途は下記で、幅広く経験されています。
- 一般機械関連部品
- 電気電子関連部品
- 自動車部品
- 二輪車部品
- 建機部品
- 後期部品
- 医療関連部品
- エネルギー関連部品
- 半導体関連部品
- 金型
切削工具の情報収集手段とコロナの影響
普段利用している切削工具の情報収集の手段と、その手段が新型コロナウイルス発生後に重要度が上がった・変わらない・下がったかお聞きしました。
業界新聞
普段利用されている業界新聞を回答いただきました。
- 日刊工業新聞
業界新聞について、新型コロナウイルス発生後に情報収集の手段として重要度は変わらないと回答されました。
日刊工業新聞は、お客様の動向を見るのに活用されているとのことです。
業界専門誌
業界専門誌は利用されていませんでした。
WEBサイト
普段利用されているWEBサイトを回答いただきました。
- IPRPOS
- NCネットワーク
上記WEBサイトは、情報収集というより、新しいお客様を探す(営業的な利用)目的で利用されているそうです。
お客様を探す目的での利用として、新型コロナウイルス発生後に重要度は変わらないと回答されました。
展示会・セミナー
新型コロナウイルス発生前から利用されていた(リアルで開催される)展示会・セミナーを回答いただきました。
- JIMTOF
- 商社主催の展示会(プライベートショー)
展示会について、新型コロナウイルス発生後に情報収集の手段として重要度が上がったと回答されました。
JIMTOFオンラインは閲覧されたものの、一方的な情報提供であり、名刺交換まではしなかったとのことです。
リアルで開催されていたJIMTOFには、若手のメンバーを連れていっていたようですが、会場で業界の技術や製品を見て興味をもつキッカケが失われていると感じられているそうです。
機械工具販売店
機械工具販売店について、新型コロナウイルス発生後に情報収集の手段として重要度が上がったと回答されました。
アンケートに回答いただいたユーザーの会社では、販売店のメーカー同行の依頼が増えているようです。
特に新製品の紹介での訪問依頼が多いとのことです。
また、新型コロナウイルス発生前から、販売店を通じて、メーカーのカタログを1年ごとに更新されており、常に新しい情報を入手することに力をいれているとのことです。
切削工具メーカー
切削工具メーカーについて、新型コロナウイルス発生後に情報収集の手段として重要度は変わらないと回答されました。
アンケートに回答いただいたユーザーの方は、新型コロナウイルス発生前からメーカーの方と直接やり取りをされていて、影響がなかったとのことです。
メーカーからWEBセミナーの案内がきて何度か参加されたようですが、一方的な情報提供で、リアリティに欠けるため飽きてしまい、満足度は低かったようです。
切削工具の比較・検討
比較・検討方法について
切削工具の比較・検討の方法について、3つの工具種ごとにお答えいただきました。
エンドミル・ドリルについて
工具選択の目的がサイクルタイムの短縮なのか、工具寿命なのか、不適合対策なのか、課題別に対応されています。
加工条件の決定について、推奨の加工条件、もしくは推奨の加工条件の中間値でまずは加工されています。
加工中の現象を確認するために、切粉を見て、加工音を聞き、動力計で機械に負荷がかかっていないかを確認されています。
加工後に、USBタイプのマイクロスコープで被削材の加工面(ひき目やバリの発生)、工具の摩耗を確認されています。
タップについて
工具を選ぶ際は、何個加工できるかで判断されています。
硬い素材や難削材など、タップだと欠けてしまったり、加工が難しい場合に、スレッドミルを選択されています。
ターニングについて
工具の選び方は、被削材の材質、加工形状、断続か連続か、切り込み深さ、要求面粗度、加工時間、寿命で決められています。
加工条件の決定について、加工中の切粉の排出を確認し、加工音を確認されています。
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