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【バリ取り研究所】スギノマシンのデバラボ開所式レポート

切削工具と切削加工業界の情報を発信するポータルサイト「タクミセンパイ」をご覧いただきありがとうございます。
当サイトを運営する編集長の服部です。

本記事は「株式会社スギノマシンのデバラボ開所式レポート」です。
「バリ取り・バリ制御に関する技術研究、商品開発、テスト・検証等を行う場所をコンセプトとしたデバラボの全貌」をお伝えします。

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デバラボについて

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株式会社スギノマシンは、掛川事業所内で設置を進めてきた「デバラボ(バリ取り研究所 Deburring Labo at SUGINO)」を2023年7月20日に開所した。

迅速な対応とお客様との接点を身近にするため、これまで各セクションで開発・製造していたウォータジェットによるバリ取り、ロボットによるバリ取り(フローティング加工)、マシニングセンタによるバリ取り・バリ制御加工を1か所に集約した。

「デバラボ」は生産性向上や危険作業の廃止を目的に自動化のニーズが高まるバリ取りを研究する施設。
ミッションとして「バリ取りを考えるすべての人に閃きを」を掲げている。

バリ取り・バリ制御に関する技術研究、商品開発、テスト・検証等を行う場所をコンセプトとし、下記を活動内容とする。

  • 情報交換・技術交流
  • バリ取りの問題に対する研究および加工テスト
  • バリ取り技術の情報発信(Webサイト、セミナー)


記者会見より抜粋(杉野社長 )

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バリ取りは自動化しにくいため手作業が主流であるが、人手不足で自動化が重要になっている。

スギノマシンのすべてのバリ取りノウハウをデバラボに集約し、すべての技術を集結して「ものづくり産業の発展」へ貢献していきたい。

記者会見より抜粋(酒井常務)

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生産性向上、自動化ニーズの高まりを受け、バリのお困りごとに対して最適な提案をするために、すべての技術を集結して提案できるようにデバラボを開所した。

加工テストや技術交流をおこなうために、お客様のアクセスのしやすさを考えて掛川を選んだ。

デバラボはバリ取りの研究、加工テスト、交流、発信を行う場所。
コミュニケーションを密にとり、トータルソリューションのための連携や、産学連携で地域の学びの場にしていきたい。
産学連携については、大学や高専などとタッグを組むことも1つの手段だと考えている。

バリ取りは研究しないと難しい領域であるため、新しい手法を開発していく。

JIMTOF2022にあわせてデバラボを発表し(2022年10月20日)、開所前からすでに引き合いをいただいている。

デバラボ見学・実演

記者会見のあと、デバラボHubエリア・Laboエリアの見学と実演がおこなわれた。

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Laboエリア内には手前から「ロボットバリ取り装置」、「高圧水バリ取り部品洗浄機(JCC 104 HYBRID)」、「小型マシニングセンタ(SC-V40a)」が並ぶ。
それぞれの装置の前には各ソリューションとバリ取り前後のサンプルが展示されている。

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酒井常務より、バリについての解説がおこなわれた。

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ロボットバリ取り装置によるバリ取り実演。
可搬質量の異なる2つのロボットにBARRIQUAN(バリカン)が搭載されている。

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BARRIQUAN(バリカン)とバリ取り前後のワークが展示されている。

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BARRIQUAN(バリカン)で大きなバリを取ったあと、高圧水バリ取り部品洗浄機(JCC 104 HYBRID)によるバリ取りと洗浄の実演がおこなわれた。

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高圧水バリ取り部品洗浄機(JCC 104 HYBRID)のノズルとバリ取り前後のワークが展示されている。

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小型マシニングセンタ(SC-V40a)での切削加工の実演がおこなわれた。

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実演に使われた切削工具とバリ取り前後のワークが展示されている。

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Hubエリアの打ち合わせスペースには、測定器が設置されている。

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酒井常務より、研究する上でまずはバリを数値化することが重要であると説明された。

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Hubエリアにはバリ取りや切削加工に関する書籍が置かれている。

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デバラボに興味を持った方は

デバラボに興味を持った方は特設ページから問い合わせください。

■アクセス
〒436-0047 静岡県掛川市長谷1300番地(株式会社スギノマシン 掛川事業所内)

■ 交通
掛川駅より車で約7分
東名高速道路 掛川ICより車で約10分

編集長コメント

「スギノマシンのデバラボ開所式レポート」いかがでしたか。

杉野社長が登壇して記者会見をされており、スギノマシンとして「バリ取りにさらに力を入れていく」という熱量を感じる開所式でした。

杉野社長は一般社団法人 バリ取り・表面仕上げ・洗浄協会(DSC協会)の理事も務められています。
バリ取りを通じて「ものづくり産業の発展」に取り組むスギノマシンの今後に注目したいと思います。

バリ取りは手作業でもできますが、自動化することもできます。

ただ、バリ取りの自動化は簡単ではないケースが多いのが現状です。
そして、工作機械の中で工具を使ってバリ取りをする方法もあれば、一度工作物を機外に出してロボットを使ってバリを取る方法、専用機でバリを取る方法など、手法がたくさんあります。

専門的な知識を持った技術者に、幅広い手法を選択肢としてバリ取りの相談ができるデバラボがあることで、今後バリ取りの自動化は進んでいくのではないかと考えます。

今後ガソリン自動車がEVに移行していくことで、量産部品は減り、多品種小ロットの部品が増えると予想されています。
また、EV化の流れで別々だった部品が1つに統合されることで、構造が複雑な部品も登場しています。

多品種小ロットの部品や構造が複雑な部品という今後のバリ取りの課題に対して、最適な技術や製品が登場することを期待しています。

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