JIMTOFの出展企業として来場者の分析と施策に困っていませんか。
この記事を書いた私は工具メーカーでの営業・マーケティングの経験を活かし、切削工具と切削加工業界に特化した専門サイト「タクミセンパイ」を2020年から運営しています。
2016年・2018年にJIMTOF出展企業として企画から参加した経験をもとに本記事を執筆しました。
本記事ではJIMTOFの来場者データの詳細分析と施策のアイデアを紹介しています。
この記事を読むことで、出展企業の皆さまがJIMTOF2024で最大限のパフォーマンスを発揮することができます。
来場者データより、金曜日のブース対応人数を増やし、「業界動向」と「新製品情報」の入手を目的とした来場者に対する準備が重要であると考えました。
JIMTOF来場者分析と出展ガイド2024
JIMTOF2016と2018では出展企業として、JIMTOF2014以降は来場者としてJIMTOFに参加してきた経験を活かして、JIMTOFに出展される方に向けて来場者に関する情報をお届けします。
来場者に関する詳細な情報の他、出展社としてどのような目的と目標を設定すべきか、必要となる準備物や会場メンバーについて参考となる数値を提供しています。
JIMTOFとMECTの来場者比較
国内最大の日本国際工作機械見本市「JIMTOF」、日本最大級の工作機械見本市「MECT」の開催規模について比較していきます。
JIMTOF2022とMECT2023比較
開催実績が最も新しいJIMTOF2022とMECT2023の来場者数(重複なし)が下記です。
JIMTOF2022 | MECT2023 | |
開催期間 | 2022年 11月8日(火)~13日(日) 6日間 | 2023年 10月18日(水)~21日(土) 4日間 |
国内来場者数 | 109,343人 | 非公開 |
海外来場者数 | 4,815人 | 非公開 |
来場者数合計 | 114,158人 | 77,225人 |
開催期間の違いはありますが、JIMTOF2022はMECT2023と比較すると約1.5倍の来場者数でした。
上記データは新型コロナウイルス発生以降の開催実績であり、展示会参加にあたって政府・企業の行動制限の影響もあるため、正確な比較とはいえません。
そのため、新型コロナウイルス発生前(~2019年)の実績も紹介します。
JIMTOF2018とMECT2019比較
新型コロナウイルス発生前で開催実績が最も新しいJIMTOF2018とMECT2019の来場者数(重複なし)が下記です。
JIMTOF2018 | MECT2019 | |
開催期間 | 2018年 11月1日(木)~6日(火) 6日間 | 2019年 10月23日(水)~26日(土) 4日間 |
国内来場者数 | 140,169人 | 88,987人 |
海外来場者数 | 12,934人 | 1,257人 |
来場者数合計 | 153,103人 | 90,244人 |
開催期間の違いはありますが、JIMTOF2018はMECT2019と比較すると約1.7倍の来場者数でした。
本来のJIMTOFとMECTの規模の違いとしてはこちらが参考にできる数値です。
JIMTOF2018はMECT2019と比較すると国内来場者のみでは約1.6倍、海外来場者のみでは約10倍の来場者数でした。
JIMTOFは世界4大工作機械見本市の1つであるため、海外の来場者数も多いことがMECTと比較することでわかります。
JIMTOFとMECT 国内来場者の地域
新型コロナウイルス発生前で開催実績が最も新しいJIMTOF2018とMECT2019の来場者数(重複なし)について、国内来場者の地域をまとめたものが下記です。
*地域ごとの人数が公開されていないため、(国内来場者数)×(全国に占める割合)で算出
JIMTOF2018来場者数* (全国に占める割合) | MECT2019来場者数* (全国に占める割合) | |
関東地区 | 65,459人* (46.7%) | 5,072人* (5.7%) |
東海地区 | 27,193人* (19.4%) | 64,694人* (72.7%) |
甲信越・北陸地区 | 16,260人* (11.6%) | 4,983人* (5.6%) |
近畿地区 | 10,653人* (7.6%) | 9,077人* (10.2%) |
北海道・東北地区 | 7,008人* (5.0%) | 623人* (0.7%) |
中国・四国地区 | 6,588人* (4.7%) | 2,848人* (3.2%) |
九州地区 | 5,046人* (3.6%) | 1,691人* (1.9%) |
合計(国内) | 140,169人 | 88,987人 |
JIMTOFは国内最大の展示会であるため、全国から来場があります。
そのため、出展社としては全国の顧客に対して製品・サービスを紹介できる非常に重要な展示会です。
東海地区について、MECTはJIMTOFと比較すると約2.4倍の来場者数でした。
製造業として重要な東海地区について、MECTの出展も重要であることが分かるデータです。
JIMTOF 国内来場者の訪問日
JIMTOF2022の国内来場者数(重複なし)を曜日別に整理したものが下記です。
JIMTOF2022 来場者数(国内のみ) | 全日程に 占める割合 | |
1日目 (火) | 15,612人 | 14% |
2日目 (水) | 17,567人 | 16% |
3日目 (木) | 21,470人 | 20% |
4日目 (金) | 29,296人 | 27% |
5日目 (土) | 19,976人 | 18% |
6日目 (日) | 5,422人 | 5% |
合計 | 109,343人 |
JIMTOF2022は火~日曜日の6日間開催でした。
全日程に占める割合を%で記載していますので、配布物準備数や会場スタッフ人数の参考にしてください。
例年、金曜日の来場者数が多い傾向にあります。
2022年の実績で、土曜日と日曜日の来場者数は他の曜日と比較して例年以上に少なく、土曜日は前回(2018年)から46.1%減少、日曜日は62.3%減少しました。
これまで土曜日・日曜日はプライベートでの参加や家族連れの参加が多い傾向にありましたが、感染症の回避や働き方の変化などで減少したのではと予想します。
JIMTOF 国内来場者の目的
JIMTOF2022の国内来場者の来場目的(複数回答)を表したグラフが下記です。
「業界動向」の入手を目的とした来場が最も多く57.6%、次いで「新製品情報」の入手が50%となっています。
出展企業として、業界の最新動向がわかるコンテンツ(プレゼンテーションや配布資料、展示)を用意することで、来場者のブース訪問につなげることができると考えられます。
また、新製品情報を求めている来場者が多いため、新製品であることがわかりやすい表示、撮影可能な場合はそれがわかる表示が必要です。
また、来場者が帰社後に情報を社内展開してくれるような資料の用意も必要です。
JIMTOF 国内来場者の業種・種別
JIMTOF2022の国内来場者を業種・種別で分類したグラフが下記です。
製造業に携わる来場者(青・緑色で着色)は全体の74.5%です。
人数は公開されていませんが、JIMTOF2018の国内来場者数140,169人に対する74.5%で算出すると約104,000人、JIMTOF2022の国内来場者数109,343人に対する74.5%で算出すると約81,000人です。
製造業に携わる来場者に対して会場でカタログ・チラシ・ノベルティなどを配布する場合は、この数字から目標配布数や準備数を算出する必要があります。
製品をユーザーに知ってもらうためには、商流によるプロモーションも重要となってきます。
商社・代理店の来場は全体の16.4%です。
人数は公開されていませんが、JIMTOF2018の国内来場者数140,169人に対する16.4%で算出すると約23,000人、JIMTOF2022の国内来場者数109,343人に対する16.4%で算出すると約18,000人です。
JIMTOF 国内来場者の職種
JIMTOF2022の国内来場者を職種別で分類したグラフが下記です。
「技術系の職種」を青色系、「情報収集や購入の判断に関わる技術系以外の職種」を緑色系で着色しています。
「技術系の職種(青色系で着色)」は全体の48.8%です。
人数は公開されていませんが、JIMTOF2018の国内来場者数140,169人に対する48.8%で算出すると約68,000人、JIMTOF2022の国内来場者数109,343名に対する48.8%で算出すると約53,000人です。
業界動向や新製品に関する情報の提供だけでなく、技術的な質問にも対応できる体制(会場での即答もしくは後日早めに回答など)が重要です。
「情報収集や購入の判断に関わる技術系以外の職種(緑色系で着色)」は全体の32.3%です。
人数は公開されていませんが、JIMTOF2018の国内来場者数140,169人に対する32.3%で算出すると約45,000人、JIMTOF2022の国内来場者数109,343名に対する32.3%で算出すると約35,000人です。
業界動向や新製品に関する情報の提供だけでなく、社内に情報を展開したくなる展示や配布物、購入の判断材料となる資料の提供が効果的であると考えます。
国内最大の展示会であるJIMTOFにおいて、数ある出展企業からブースに足を運んでもらうためには、会場でしか見ることのできない展示やプレゼンテーション、会場でしか手に入らない資料やノベルティを用意することが重要です。
海外来場者に関するデータ
日本で開催される切削加工業界関連の展示会として、JIMTOFが最も海外の来場者が多いです。
海外からの来場者に対応するために、対応言語の視点でどのような準備が必要であるか、参考となるデータをまとめました。
新型コロナウイルス以降初めてリアル開催されたJIMTOF2022は、前回(2018年)と比較して海外来場者数が少ない結果でした。
そのため、JIMTOF2018とJIMTOF2022の2つのデータをまとめています。
JIMTOF 国内と海外の来場者数
JIMTOF2018とJIMTOF2022の国内・海外の来場者数(重複なし)が下記です。
JIMTOF2018 来場者数 | JIMTOF2022 来場者数 | |
国内 | 140,169人 | 109,343人 |
海外 | 12,934人 | 4,815人 |
合計 | 153,103人 | 114,158人 |
また、それぞれ国内と海外の比率をグラフにしたものが下記です。
2022年の海外来場者数は前回(2018年)から62.7%減少しました。
新型コロナウイルス発生前の海外来場者数(2018年実績ベース)に戻るとすれば、海外から約13,000人がJIMTOF2024に参加すると予想できます。
海外の来場者が重要な顧客であれば、これらに対応するための準備が必要です。
具体的には、多言語対応可能なスタッフの用意、会場スタッフの対応言語がわかる仕組み(例えば名札)、多言語カタログ(紙・ダウンロード案内)の用意などです。
JIMTOF 海外地域別来場者数
JIMTOF2018とJIMTOF2022の海外地域別来場者数(重複なし)が下記です。
JIMTOF2018 来場者数 | JIMTOF2022 来場者数 | |
アジア | 11,039人 | 3,859人 |
ヨーロッパ | 1,221人 | 572人 |
北中南米 | 488人 | 271人 |
オセアニア | 107人 | 31人 |
中東 | 70人 | 72人 |
アフリカ | 9人 | 10人 |
JIMTOF2018とJIMTOF2022の海外地域別来場者の割合を表したグラフが下記です。
JIMTOFはアジアの来場者が圧倒的に多いことがわかります。
JIMTOF 国・地域別来場者数
JIMTOF2018とJIMTOF2022の国・地域別来場者数(重複なし)のTOP10が下記です。
JIMTOF2018 来場者数 | JIMTOF2022 来場者数 | |
中国 | 3,200人 | 160人 |
台湾 | 3,058人 | 838人 |
韓国 | 2,488人 | 1,539人 |
タイ | 538人 | 303人 |
インド | 403人 | 252人 |
ドイツ | 370人 | 189人 |
マレーシア | 277人 | 160人 |
インドネシア | 276人 | 176人 |
ベトナム | 271人 | 210人 |
アメリカ | 266人 | 205人 |
JIMTOF2018とJIMTOF2022の国・地域別来場者の割合を表したグラフが下記です。
2018年と2022年で異なるのが「中国」からの来場者です。
JIMTOF2018で3,200人(海外来場者の24.7%)だった中国からの来場者数は、JIMTOF2022では160人(海外来場者の3.3%)でした。
JIMTOF2022においては新型コロナウイルスが影響し、中国からの来場者数は前回(2018年)と比較して95%激減しています。
JIMTOF2024について新型コロナウイルスの影響はほとんどないと考えられますが、一方で中国の景気減速があるため、中国からの来場者がどの程度になるのかは予想できません。
SNSとノベルティについて
展示会においてブースへの来場を促す上でSNSの活用が重要になっています。
また、SNSとノベルティの相性は良く、こだわりのノベルティはSNSで発信され、多くの人に知ってもらうチャンスです。
製品を使ってくれているユーザーに対して、さらに会社や製品を好きになってもらうために、こだわりのノベルティを用意することが効果的であると考えます。
関連する記事として「ブランドを磨いてファンを増やし推してもらうことの重要性」を公開しています。
「JIMTOF2024 出展社こだわりノベルティ紹介」の記事にて、JIMTOF2024に出展する16社の「こだわりノベルティ」をまとめています。
JIMTOF2024をもっと楽しむ!
「JIMTOF2024をもっと楽しむ!」をキーワードに、タクミセンパイが下記5つの企画をご用意しました!
- JIMTOF2024 出展社こだわりノベルティ紹介
- ユーザーが選ぶJIMTOF2024注目の切削工具メーカーランキング公開
- JIMTOF2024 攻略ガイド配布
- #JIMWALK2024
- JIMTALK(ジムトーーク!)2024 生配信
「JIMTOF2024 連動企画 特設ページ」に企画の詳細情報をまとめています。
5つの企画について紹介した動画「JIMTOF2024をもっと楽しむ5つの企画を紹介」も公開しています。
JIMTOF来場者分析と出展ガイド2024まとめ
- 金曜日の来場者数が多いため、ブース対応人数を増やす必要がある
- 来場者の目的として「業界動向」が最も多く(57.6%)、業界の最新動向がわかるコンテンツ(プレゼンテーションや配布資料、展示)などを用意し、来場者のブース訪問につなげることが重要
- 来場者の目的として「新製品情報」が二番目に多く(50%)、新製品であることがわかりやすい表示、撮影可能な場合はそれがわかる表示が必要
- 数ある出展企業からブースに足を運んでもらうためには、会場でしか見ることのできない展示やプレゼンテーション、会場でしか手に入らない資料やノベルティを用意する必要がある
- 新型コロナウイルス発生前の海外来場者数(2018年実績ベース)に戻るとすれば、海外から約13,000人がJIMTOF2024に参加すると予想。海外の来場者が重要な顧客であれば、会場スタッフの対応言語がわかる仕組み(例えば名札)、多言語カタログ(紙・ダウンロード案内)の用意が必要
編集長コメント
「JIMTOF来場者分析と出展ガイド」いかがでしたか。
出展社の皆さまが最大限のパフォーマンスを発揮され、JIMTOFが盛り上がることを願って本記事を執筆しました。参考になれば幸いです。
タクミセンパイ企画として「ジムトフ作戦」を用意していますので、たくさんの企業のご参加お待ちしています。
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執筆者情報
本記事はタクミセンパイの服部が執筆・編集しました。
私は工具メーカーでの営業とマーケティングの経験を活かし、切削工具と切削加工業界に特化した専門サイト「タクミセンパイ」を2020年から運営しています。
私(服部)の実績や経歴については「運営について」に記載しています。
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