JIMTOF2022(JAPAN INTERNATIONAL MACHINE TOOL FAIR/ジムトフ)の来場者数、新型コロナウイルスの影響、会場のレポートを前回との比較データとあわせて知りたいと困っていませんか。
この記事を書いた私は工具メーカーでの営業・マーケティングの経験を活かし、切削工具と切削加工業界に特化した専門サイト「タクミセンパイ」を2020年から運営しています。
2014年からJIMTOFに4回参加してきた視点と会場で感じたことから本記事を執筆しました。
本記事では国内最大の工作機械見本市「JIMTOF」の新型コロナウイルスの影響、来場者数データ、会場で感じたことをまとめています。この記事を読むことで、前回との比較データとあわせてJIMTOF2022の来場者数(開催実績)と会場の様子を知ることができます。
JIMTOF2022の来場者数(重複なし)は2018年と比較して25.4%減った114,158人であったものの、回復の兆しが見えました。
JIMTOF2022の来場者数と会場レポート
JIMTOF2022は下記の内容で開催されました。
名称 | JIMTOF2022 JAPAN INTERNATIONAL MACHINE TOOL FAIR (第31回日本国際工作機械見本市) |
会期 | 2022年11月8日(火)〜13日(日) |
会場 | 東京ビッグサイト(東京国際展示場) 全館 |
新しくできた南展示棟を含めた全館を使用し、JIMTOF2022は過去最大規模の開催となりました。
また、JIMTOF2018と違って火曜日スタートの開催となっています。
JIMTOFについて詳しくは「【2022年】JIMTOFとは」をご覧ください。
JIMTOF2022について新型コロナウイルスがイベントに与えた影響、開催時の新型コロナウィルスの感染者状況、来場者数をまとめています。
新型コロナウイルスがイベントに与えた影響
JIMTOF2022が4年ぶりにリアル開催するまでの、切削加工業界のイベントと新型コロナウイルス関連ニュースをまとめました。
2020年のイベントに対する影響
2020年の切削加工業界のイベントと新型コロナウイルス関連ニュースについてまとめてみました。
1月15日 | 国内初の新型コロナウイルス感染者確認 |
2月28日 | イベント自粛要請 |
4月7日 | 7都府県に緊急事態宣言発令 |
4月15~18日 | インターモールド2020(大阪)中止 |
4月16日 | 全国に緊急事態宣言発令(1回目) |
5月25日 | 全国の緊急事態宣言解除(1回目) |
7月15~18日 | インターモールド名古屋(2020)中止 |
10月5~16日 | インターモールドオンライン開催 |
11月16~27日 | JIMTOF Online開催 |
12月7~12日 | JIMTOF2020中止 |
新型コロナウイルスの影響で、インターモールド2020(大阪)、インターモールド名古屋(2020)、JIMTOF2020が中止となりました。
2021年のイベントに対する影響
2021年の切削加工業界のイベントと新型コロナウイルス関連ニュースについてまとめてみました。
1月8日 | 緊急事態宣言発令(2回目) |
3月21日 | 全国の緊急事態宣言解除(2回目) |
4月14~17日 | インターモールド2021(東京)開催 |
4月25日 | 緊急事態宣言発令(3回目) |
6月20日 | 全国の緊急事態宣言解除(3回目) |
7月12日 | 緊急事態宣言発令(4回目) |
9月30日 | 全国の緊急事態宣言解除(4回目) |
10月20~23日 | MECT2021開催 |
2021年は新型コロナウイルスの影響はあるものの、通常通り展示会が開催されました。
インターモールド2021(東京)とMECT2021に参加して、現場で感じたことをまとめています。
JIMTOF2022開催時の新型コロナウイルス感染者状況
JIMTOF2022は2022年11月8日(火)~13日(日)に東京ビックサイト(東京国際展示場)で開催されています。
2022年1月1日(土)~11月13日(日)の全国と東京の新型コロナウイルスの感染者状況をグラフにしました。
感染者数の増減について、全国と東京でほぼ同じ動きをしています。
JIMTOF2022開幕前日の11月7日(月)の新型コロナウイルス感染者数は全国が31,728名、東京が3,507名でした。
11月に入って全国および東京の感染者数は増加傾向にあり、第8波の可能性があると分析されていました。
ただ、行動の制限もなく、感染者数の報道もピーク時と比較して落ち着いていたため、特に気にすることなく参加された方が多いのではないでしょうか。
JIMTOF2022の来場者数データ
11月8日(火)~13日(日)に開催されたJIMTOF2022の来場者数(開催期間中の重複なし)は下記です。
開催日 | 天気 | JIMTOF2022来場者数 (うち海外の来場者) |
11月8日 (火) | 晴れ | 17,255人 (1,613人) |
11月9日 (水) | 晴れ | 18,594人 (1,027人) |
11月10日 (木) | 晴れ | 22,486人 (1,016人) |
11月11日 (金) | 晴れ | 29,962人 (666人) |
11月12日 (土) | 晴れ | 20,388人 (412人) |
11月13日 (日) | 曇り のち雨 | 5,503人 (81人) |
例年通り、金曜日が最も来場者数が多いという結果でした。
JIMTOF2018との来場者数比較
JIMTOF2022とJIMTOF2018の来場者数合計(開催期間中の重複なし)および海外来場者数合計(開催期間中の重複なし)を比較してみました。
JIMTOF2022 | JIMTOF2018 | |
来場者数合計 | 114,158人 | 153,103人 |
海外来場者数合計 | 4,815人* | 12,934人 |
新型コロナウイルスの影響を受けていないJIMTOF2018の来場者数合計は153,103人で、2022年は前回から来場者数が25.4%減った114,158人でした。
2019年と比較して来場者数が23.6%減ったMECT2021と同等の回復レベルです。
機械工具販売店が企画するJIMTOF向けバスツアーの実施も2018年と比較して少なかったようで、国内来場者数に影響していると考えられます。
海外からの来場者も4,815人*となり、前回から62.7%減少しています。
(*海外からの来場者数は速報値から変更があったため修正)
JIMTOF2018との開催日ごとの来場者数比較
JIMTOF2022とJIMTOF2018の来場者数(開催期間中の重複なし)を開催日ごとに比較してみました。
開催日 | JIMTOF2022 来場者数 | JIMTOF2018 来場者数 |
1日目 | 17,255人 (火) | 26,628人 (木) |
2日目 | 18,594人 (水) | 39,309人 (金) |
3日目 | 22,486人 (木) | 37,852人 (土) |
4日目 | 29,962人 (金) | 14,590人 (日) |
5日目 | 20,388人 (土) | 19,848人 (月) |
6日目 | 5,503人 (日) | 14,876人 (火) |
JIMTOF2018との曜日ごとの来場者数比較
JIMTOF2022とJIMTOF2018の来場者数(開催期間中の重複なし)を曜日ごとに比較してみました。
JIMTOF2022は火曜日スタート、JIMTOF2018は木曜日スタートです。
開催曜日 | JIMTOF2022 来場者数 | JIMTOF2018 来場者数 |
火 | 17,255人 | 14,876人 (6日目) |
水 | 18,594人 | |
木 | 22,486人 | 26,628人 (1日目) |
金 | 29,962人 | 39,309人 (2日目) |
土 | 20,388人 | 37,852人 (3日目) |
日 | 5,503人 | 14,590人 (4日目) |
月 | 19,848人 (5日目) |
土曜日と日曜日の来場者数は他の曜日と比較して例年以上に少なく、土曜日は前回から46.1%減少、日曜日は前回から62.3%減少しています。
これまで土曜日・日曜日はプライベートでの参加や家族連れの参加が多い傾向にありましたが、働き方の変化などでこれらの層の参加が減少したのではと予測します。
JIMTOF2022の来場者数と会場レポートまとめ
- JIMTOFが開催された11月8日(火)~13日(日)の新型コロナウイルスの感染者数は増加傾向にあり、第8波と分析されている状況での開催となった
- 行動の制限もなく、感染者数の報道もピーク時と比較して落ち着いており、特に気にせず参加した方が多かったと考えられる
- JIMTOF2018の来場者数の合計は153,103人で、2022年は2018年と比較して25.4%減った114,158人だった
- 2019年と比較して来場者数が23.6%減ったMECT2021と同等の回復レベル
- 海外からの来場者も4,686人となり、前回から63.7%減少
- 土曜日と日曜日の来場者数は他の曜日と比較して例年以上に少なく、土曜日は前回から46.1%減少、日曜日は前回から62.3%減少
- これまで土曜日・日曜日はプライベートでの参加や家族連れの参加が多い傾向にあったが、働き方の変化などでこれらの層の参加が減少したのではと予測
編集長コメント
4年ぶりのリアル開催でJIMTOFを楽しみにしていた方が多かったと思いますが、それでも来場者数が前回2018年から25.4%減少しており、新型コロナウイルスの展示会への影響はまだあると考察しています。
今回のJIMTOFで最も特徴的だったのが、twitterの盛り上がりです。
出展社のtwitterによる情報発信はもちろんのこと、参加される方も積極的に活用し、会場で交流されているシーンをたくさん見ました。
また、twitterから流行したステッカーの配布や、JIMTOF会場でのオフ会実施なども盛り上がりました。
これらSNSでの盛り上がりを受け、主催者としては会場での写真撮影のOK/NGを出展者判断にまかせるべきではと考えます(JIMTOFの各入口には会場内撮影禁止の看板が設置されてます)。
来場者としては撮影できることで効率的に視察記録ができますし、出展社は情報の拡散に期待できます。
もちろん撮影NGな参考展示品などもあると思いますので、それらを個別に撮影不可とすればよいのではと考えます。
さらに、主催者が出展社と来場者を繋げる場を提供してほしいと考えます。
例えば中村留精密工業様のステッカーボードやオフ会OK発言などです。
このあたりは来年開催するMECT2023に期待しています。
そして、JIMTOFを通じて切削加工業界を盛り上げるために、入場料を無料にすべきでは考えました。
JIMTOFは学生誘致に対して積極的に取り組んでいますが、さらに重要なのは入社したあとの若手社員の成長です。
入社間もない新人には招待状が回ってこず、3,000円の入場料に躊躇して参加を見送っている現状は、業界としてあってはならないと考えます。
twitter上で入場料に関する不満をいくつも確認できました。
ただし、無料化するとコンパニオン目当ての人が参加するなど、JIMTOFに業務目的で参加される方に迷惑になるという意見をフォロワーの方からいただきました。
つまり、有料であることで質の高い業界人だけのJIMTOFが成立しているとことです。
となると、入場料無料化ではなく、JIMTOFに参加したい業界関係者にしっかりと招待状が行き届く仕組みの方が上手くいくかもしれません。
業界の意欲ある全ての人がJIMTOFに参加できる環境を主催者は提供してほしいと考えます。
さらに、企業は社員に対してJIMTOF視察を積極的に案内し、交通費や宿泊費のサポートを惜しまず、成長のための投資として考えてほしいです。
しかし、目的意識がない社員をJIMTOFに連れて行っても、成長しないという問題もあります。
初めて参加する社員は先輩と一緒に回って視察報告書を書かせ、2回目は1人で参加させて視察報告書を書かせる、3回目は後輩を連れて視察させるなど成長につながる視察の仕組みが必要かもしれません。
製造業に若手が少ないと良く聞きますが、JIMTOF会場では来場社にも出展者にも若い人をたくさん見て、嬉しくなりました。
将来の切削加工業界を盛り上げもらうためにも、若手が活躍できる環境の提供にタクミセンパイも力を入れていきたいと考えます。
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執筆者情報
本記事はタクミセンパイの服部が執筆・編集しました。
私は工具メーカーでの営業とマーケティングの経験を活かし、切削工具と切削加工業界に特化した専門サイト「タクミセンパイ」を2020年から運営しています。
私(服部)の実績や経歴については「運営について」に記載しています。
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