JIMTOF2024(JAPAN INTERNATIONAL MACHINE TOOL FAIR/ジムトフ)の来場者数と会場のレポートを前回との比較データとあわせて知りたいと困っていませんか。
この記事を書いた私は工具メーカーでの営業・マーケティングの経験を活かし、切削工具と切削加工業界に特化した専門サイト「タクミセンパイ」を2020年から運営しています。
2014年からJIMTOFに5回参加してきた視点と会場で感じたことから本記事を執筆しました。
本記事では国内最大の工作機械見本市「JIMTOF」の来場者数データ、会場で感じたことをまとめています。
この記事を読むことで、前回との比較データとあわせてJIMTOF2024の来場者数(開催実績)と会場の様子を知ることができます。
JIMTOF2024の来場者数(重複なしの速報値)は2022年と比較して14,860人増えました(前回比113%)。
本記事のポイント部分をまとめたYouTube版「JIMTOF2024の来場者数と会場レポート」も公開しています。
JIMTOF2024の来場者数と会場レポート
JIMTOF2024は下記の内容で開催されました。
名称 | JIMTOF2024 JAPAN INTERNATIONAL MACHINE TOOL FAIR (第32回日本国際工作機械見本市) |
会期 | 2024年11月5日(火)〜10日(日) |
開催 時間 | 西・南展示棟 9:00~17:00(最終日は16:00まで) 東展示棟 10:00~18:00(最終日は16:00まで) |
会場 | 東京ビッグサイト(東京国際展示場) 全館 |
出展 規模 | 出展社数:1,262社(5,743小間) 総展示場面積:118,540㎡ |
東京ビックサイトの全館を使用し、JIMTOF2024は過去最大規模の開催となりました。
JIMTOF2022と同じく火曜日スタートの開催です。
JIMTOF2022との大きな違いは、西・南展示棟と東展示棟の開催時間が変更されたことです。
JIMTOFについて詳しくは「【2024年】JIMTOFの基本から最新情報まで徹底解説」をご覧ください。
JIMTOF2024の新たな取り組みの1つとして「アカデミックエリア」が設置されました。
アカデミックエリアは、「MACHINE TOOLS INFINITY」と題した工作機械業界やものづくりの知見を深めるテーマで構成された展示、多目的ステージ、キャリアマッチングスクエア、オープンカフェなどで構成されていました。
体験型コンテンツとして汎用旋盤に触ることができました。
本記事ではJIMTOF2024について来場者数と現地で感じたことをまとめています。
JIMTOF2024の来場者数データ
11月5日(火)~10日(日)に開催されたJIMTOF2024の来場者数(開催期間中の重複なし・速報値)は下記です。
速報値のため、今後更新される可能性があります。
開催日 | 天気 | JIMTOF2024来場者数 (うち海外の来場者) |
11月5日 (火) | 晴れのち曇り | 18,792人 (3,205人) |
11月6日 (水) | 曇り | 22,296人 (2,519人) |
11月7日 (木) | 晴れ | 26,348人 (2,314人) |
11月8日 (金) | 晴れ | 33,925人 (1,377人) |
11月9日 (土) | 晴れ | 22,175人 (805人) |
11月10日 (日) | 曇り 時々雨 | 5,482人 (203人) |
例年通り、金曜日が最も来場者数が多いという結果でした。
JIMTOF2022との来場者数比較
JIMTOF2024とJIMTOF2022の来場者数合計(開催期間中の重複なし・速報値)および海外来場者数合計(開催期間中の重複なし・速報値)を比較してみました。
速報値のため、今後更新される可能性があります。
JIMTOF2024 (重複なし速報値) | JIMTOF2022 (重複なし) | |
来場者数合計 | 129,018人 | 114,158人 |
海外来場者数合計 | 10,423人 | 4,815人 |
JIMTOF2024の来場者数合計は129,018人で、JIMTOF2022の114,158人と比較して14,860人増えました(前回比113%)。
新型コロナウイルスの影響を受けていないJIMTOF2018の来場者数合計は153,103人だったため、2024年は2018年と比較すると来場者数が15.7%減っています。
JIMTOF2024の海外来場者数合計は10,423人で、JIMTOF2022の4,815人と比較して5,608人増えました(前回比216%)。
新型コロナウイルスの影響を受けていないJIMTOF2018の海外来場者数合計は12,934人だったため、2024年は2018年と比較すると来場者数が19.4%減っています。
JIMTOF2022と比較して来場者数は回復しているものの、まだ新型コロナウイルスの影響を受けていないJIMTOF2018規模には戻っていません。
JIMTOF2018と比較して、2024年は会場が拡大し(南展示棟が追加)、開催時間が増え(東展示棟は最終日を除き17~18時も開催)ているため、もう2018年のような来場者数に戻ることは難しいかもしれません。
JIMTOF2022との開催日・曜日ごとの来場者数比較
JIMTOF2024とJIMTOF2022の来場者数(開催期間中の重複なし・速報値)を開催日・曜日ごとに比較してみました。
速報値のため、今後更新される可能性があります。
開催日 (曜日) | JIMTOF2024 (重複なし速報値) | JIMTOF2022 (重複なし) |
1日目 (火) | 18,792人 | 17,255人 |
2日目 (水) | 22,296人 | 18,594人 |
3日目 (木) | 26,348人 | 22,486人 |
4日目 (金) | 33,925人 | 29,962人 |
5日目 (土) | 22,175人 | 20,388人 |
6日目 (日) | 5,482人 | 5,503人 |
日曜日の来場者数は他の曜日と比較して昨年同様に少なく、前回から0.4%減少しています。
これまで日曜日はプライベートでの参加や家族連れの参加が多い傾向にありましたが、働き方の変化などでこれらの層の参加が減少したのではと予測します。
JIMTOF2024会場レポート
JIMTOF2024の来場者数の実績だけではわからない情報として、会場レポートもお届けします。
現地で感じた「JIMTOFの変化」に関して、Xで実施したアンケートを元にお伝えします。
切削工具の取材記事は順次公開します。
JIMTOF参加の目的
JIMTOF2024「参加の目的」を調査した結果がこちらです。
主催者が公開している「JIMTOF2022の来場目的」は下記であり、目的として「業界動向」と「新製品情報」が高いことは認識していました。
もっとも当てはまるものを1つ選ぶXのアンケートにて、「業界動向」と「新製品情報」に続き、「出展者・来場者との交流」の回答が16.9%だったことはJIMTOFの変化の1つであると考えます。
これはSNS(特にX)を活用している出展者・来場者の特徴であり、Xでの調査結果だからかもしれませんが、JIMTOF参加の目的が変化していることがわかります。
ノベルティの重要性
JIMTOF2024で「訪問する企業を選ぶ上でのノベルティの重要性」を調査した結果がこちらです。
近年、切削加工業界の展示会では、こだわりのノベルティを用意する企業が増えています。
アンケート結果は「ノベルティはかなり重要」の回答が31.9%で、「重要」の回答(26.9%)と合わせると、58.8%が訪問する企業を選ぶ上でノベルティが重要であると回答しています。
Xでの調査結果だからかもしれませんが、展示物以外にノベルティが来場者において重要になっていることがわかります。
切削工具メーカーの取材とノベルティを紹介させてもらった出展社さんへの挨拶回りをする中で、たくさんのノベルティをいただきました。
こちらは11月5日にいただいたノベルティです。
こちらは11月8日にいただいたノベルティです(参加者の方からいただいたものも含まれています)。
タクミセンパイの投稿のように、手に入れたノベルティを並べて画像投稿する参加者がたくさんいました。
JIMTOF2024会期中だけでなく、閉幕後にもたくさんノベルティ画像が投稿されており、JIMTOFの余韻を楽しんでいます。
紙MAPについて
JIMTOF2024の「視察におけるMAP活用方法」を調査した結果がこちらです。
こちらの調査を実施した背景は、JIMTOFの会場で紙MAPがなくて困ったという声を聞いたからです。
アンケート結果は「スマホで調べた」が33.3%と最も多いものの、「紙MAP(持参&現地入手)を使った」の回答が57.1%と多いことがわかります。
JIMTOF2024における「会場での紙MAP活用」を調査した結果がこちらです。
「紙MAPが現地になくて困った」と20.8%が回答しており、ペーパーレス化も重要ですが出展社数が多く会場が広いJIMTOFにおいて、見やすい紙MAPが会場で不足なく配布されることが必要であると考えます。
紙カタログについて
JIMTOF2024の「会場での紙カタログ配布の必要性」を調査した結果がこちらです。
こちらの調査を実施した背景は、JIMTOFの会場で切削工具メーカーを調査している時に前回(JIMTOF2022)と比較して紙カタログが減ったと感じたからです。
アンケートの結果は「会場で紙カタログが欲しい」の回答が45.7%と最も多いことがわかりました。
ペーパーレス化も重要ですが、視察した製品の情報(特に製品名と特長)を正しく記録し、社内に情報展開する上で紙のカタログが必要であると考えました。
JIMTOFの開催時間
JIMTOF2024の「JIMTOFの開催時間」を調査した結果がこちらです。
今回初めて西・南展示棟と東展示棟の開催時間が変更されました。
アンケート結果は、「今回(西南9-17時、東10-18時)が良かった」の回答が40.9%と多く、来場者として満足度が高かったことがわかります。
一方で出展社の意見として、展示棟によっては人が少ない時間帯があったという声も聞いており、主催者は出展社の意見を確認して次回に活かして欲しいと考えます。
JIMTOF2026会期
次回JIMTOF2026の会期が2026年10月26日(月)~10月31日(土)に決まったことが公開されました。
10月スタートはJIMTOF2014以来、月曜日スタートはJIMTOF2004以来(おそらく)であるため、開催日程での変化がありそうです。
JIMTOF2024の来場者数と会場レポートまとめ
- JIMTOF2024の来場者数合計は129,018人で、JIMTOF2022の114,158人と比較して14,860人増加(前回比113%)
- JIMTOF2024は新型コロナウイルス発生前のJIMTOF2018と比較すると来場者数が15.7%減少
- JIMTOF2024の海外来場者数合計は10,423人で、JIMTOF2022の4,815人と比較して5,608人増加(前回比216%)
- JIMTOF2024は新型コロナウイルス発生前のJIMTOF2018と比較すると海外来場者数が19.4%減少
- 日曜日の来場者数は他の曜日と比較して昨年同様に少なく、前回から0.4%減少
- これまで日曜日はプライベートでの参加や家族連れの参加が多い傾向にあったが、働き方の変化などでこれらの層の参加が減少したのではと予測
- JIMTOF参加の目的を出展者・来場者との交流と回答した人は16.9%だった
- JIMTOFで視察する企業を選ぶ上でノベルティが重要と回答した人は58.8%だった
- 会場で紙MAP(持参&現地入手)を使ったと回答した人は57.1%だった
- 会場で紙カタログが欲しいと回答した人は45.7%だった
- 今回(西南9-17時、東10-18時)の開催時間が良かったと回答した人は40.9%だった
編集長コメント
JIMTOF2024の来場者数と会場レポート、いかがでしたか。
私は初日5日(火)と8日(金)にJIMTOF2024に参加しました。
参加前にわかっていたJIMTOFの変化として「開催時間」がありましたが、現地とXの投稿を確認することでそれ以外にも変化があることを感じました。
他の方の意見も聞きたかったためXでアンケートを実施し、そのアンケート結果を本記事にまとめています。
アンケート回答数としては80~100名と十分参考になる人数を獲得できました。ご協力いただいた皆さまありがとうございます。
革新的な新製品がなかなか出展されない中で、JIMTOF参加の目的を「出展者・来場者との交流」としている方が増えていることがわかりました。
そして、来場者が出展者と交流する上で、SNS(特にX)での普段の投稿やコミュニケーションが訪問ハードルを下げ、ノベルティが動機につながっていることもわかってきました。
切削加工業界のSNSとしては最もXが活用されており、Xを運用していないことの方が企業としてはリスクであり(認識されずに他社に顧客を奪われる)、Xで告知だけの投稿しかしていないのは運用のメリットが少ないと考えます。
JIMTOFの盛り上がりを現地とXで見ていて感じたのは「Xを普段からしっかり運用してコミュニケーションを取り(告知だけのアカウントではない)、発信したくなるこだわりのノベルティを用意し(ユーザーが欲しいものを理解している)、事前にしっかりノベルティの情報を発信し、競合関係なく配布数量を用意できた」出展社が特に上手くいっていたのではないでしょうか。
JIMTOF2024に出展する企業のこだわりノベルティを紹介する企画「JIMTOF2024 出展社こだわりノベルティ紹介」では、タクミセンパイが19社の情報を発信させていただきました。
こちらの記事はノベルティ企画の参考にすることができると思います。
Xには発信力を持った方がたくさん存在しており、それらの方はノベルティの画像を積極的に投稿しています。
これらの発信力のある方にノベルティを届けて発信してもらうことが、出展社の勝ち筋であるのではないかと今回結論づけました。
ファンを増やす、こだわりノベルティを作る重要性については「ブランドを磨いてファンに推してもらうことの重要性」でも解説しています。
出展社へのメッセージとして、「紙カタログは重いのでいらない」方が多い一方で、視察した製品の情報(特に製品名と特長)を正しく記録し、社内に情報展開する上で紙の資料は用意すべきだと思います。
切削工具の取材においても紙がないことを不便に感じることがあったため、両面印刷のチラシを用意してはいかがでしょうか。
主催者へのメッセージとしては、会場に十分な量の紙MAPを用意してほしいこと、開催時間については出展社の意見をしっかり確認して次に活かしてほしいことです。
また、視察の時間がないという不満を多く確認しているため、開催規模や来場者数ではなく、参加者の満足度を高める工夫をしてほしいです。
参加された方との会話やXの投稿を見ていると、東展示棟7・8を見落とした、南展示棟3・4の場所がわかりづらくて行くのに苦労したなどの声を確認しました。
さらに今回のJIMTOFではブース位置が変更された企業があり、開催時間も変更されているため、参加経験のある方も苦労されたような話も聞きました。
出展社数が多く開催規模が大きいことは、来場者にとって負担になる部分もあると認識しました。
タクミセンパイとしては、施設(東京ビックサイト)の回り方もフォローできるような情報も発信していこうと思います。
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執筆者情報
本記事はタクミセンパイの服部が執筆・編集しました。
私は工具メーカーでの営業とマーケティングの経験を活かし、切削工具と切削加工業界に特化した専門サイト「タクミセンパイ」を2020年から運営しています。
私(服部)の実績や経歴については「運営について」に記載しています。
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