切削工具のIoT化技術・センシングツールの最新情報を知りたいと困っていませんか。
この記事を書いた私は工具メーカーでの営業・マーケティングの経験を活かし、切削工具と切削加工業界に特化した専門サイト「タクミセンパイ」を2020年から運営しています。
切削工具の最新技術・トレンドを調査し、中立的な立場としてまとめています。
本記事ではJIMTOF2024の会場で確認できたセンシングツールとして、3社・5製品を写真・解説付きでまとめています。
この記事を読むことで、切削工具の最新技術・トレンドとして「センシングツール」の現状を知ることができます。
センシングツールをJIMTOF2024で調査
切削工具をIoT化して、工作機械や計測器などとデータを連携することが技術的に可能な段階にきています。
2年前のJIMTOF2022で確認できたセンシングツールは「切削工具のIoT化!センシングツールをJIMTOF2022で調査」で紹介しています。
JIMTOF2024で確認できた切削工具をIoT化したセンシングツール(センサ工具)を紹介します。
京セラのセンシングツール
京セラでは通路側の目立つところにセンシングツールが展示され、製品を使った将来像が紹介されていました。
振動測定とFFT解析によって目に見えない加工状態を可視化することで、従来の勘やコツでの加工条件の設定がデジタルで可能になり、安定加工と長寿命化を実現すると提案されています。
ブース内にもセンシングツールが展示されていました。
「切削加工分析用IoTデバイス」という表現でも紹介されています。
「センシングツール ホルダ内蔵式(高感度・監視計測)」と「センシングツール 外部取付式(簡易取付)」の特徴をパネル情報を元に紹介します。
センシングツール ホルダ内蔵式(高感度・監視計測)
ホルダ内蔵式(高感度・監視計測)のセンシングツールが参考出品されていました。
こちらはJIMTOF2022にも展示されており、外観に変化があります。
特徴として下記が紹介されています。
- 旋削・溝・ねじ加工(角シャンク20mm以上)
- 高感度(刃先に近い位置に内蔵)
- 高い耐久性(長期間運用に対応)
センシングツール 外部取付式(簡易取付)
外部取付式(簡易取付)のセンシングツールが参考出品されていました。
こちらはJIMTOF2022にも展示されており、外観に変化があります。
特徴として下記が紹介されています。
- 自動盤・内径加工(マシニングセンタ対応)
- 優れた利便性(現場ですぐ取り付けて測定可能)
- 高い汎用性(幅広いマシンに取付可能)
三菱マテリアルのセンシングツール
三菱マテリアルでは、製品の展示だけでなくヤマザキマザックのQT200に搭載した実演を紹介していました。
「センサー工具」の特徴をパネル情報を元に紹介します。
センサー工具
寸法測定が可能な変位センサー(内径用・端面用)と加工面撮影機能を持つ画像センサーを搭載したセンサー工具が展示されていました。
三菱マテリアルではJIMTOF2022でも「センサー工具」という名前でセンシングツールが展示されていました。
特徴として下記が紹介されています。
- 工具交換が不要となり機上寸法測定や自動補正を効率化
- 機上加工面撮影が可能となり工具寿命判断の自動化も可能
住友電気工業のセンシングツール
住友電気工業では2種類のセンシングツールを「Tool Sat(Sensing Advanced Technology)」というブランドで紹介しています。
また、KKDX(勘・経験・度胸にDXをプラス)加工サポートとして、「Tool Sat」を用いた支援体制も紹介されていました。
「旋削加工用センシングツール」と「転削加工用センシングツール」の特徴をチラシ情報を元に紹介します。
旋削加工用センシングツール
タレットに直接装着し、センサーで刃先の状態を測定できるセンシングツール(旋削加工用)が展示されていました。
こちらはJIMTOF2022にも展示されていました。
「加工状態監視ツール」という表現でも紹介されています。
特徴として下記が紹介されています。
- 高感度で微細な変化を測定
- 垂直荷重、水平荷重を測定
- 25角通常ホルダと同サイズ
- 剛性は通常ホルダの99%
定量値に基づく条件設定と可視化による異常原因究明によって、コストダウン・能率向上・不良低減・工具寿命改善・DX推進を実現すると提案されています。
SMFLレンタル(三井住友ファイナンス&リースグループ)を通じて、センシングツールのレンタルサービスを利用することができます。
転削加工用センシングツール
マシニングセンタに直接装着し、工具座標系XY面の切削荷重の変化を測定できるセンシングツール(転削加工用)が展示されていました。
こちらはJIMTOF2022にも展示されており、モニタ右側の展示品3点などバリエーションが増えています。
特徴として下記が紹介されています。
- 高感度で微細な変化を測定
- トルク/スラスト荷重に加えて、工具座標系XY面の荷重測定
- ホルダー一体の独自機構構造
- ATCにも対応
編集長コメント
「センシングツールをJIMTOF2024で調査」いかがでしたか。
切削工具のイノベーションの1つが、IoT化だと考えます。
被削材に直接接触する切削工具から得られるデータを利用することで、切削加工が変わっていくと考えます。
具体的な活用方法の提案、工作機械メーカーとのコラボ、レンタルの開始など、JIMTOF2022から前身していることが確認できました。
センシングツールのバッテリー・サイズ・強度などの課題はまだあるようですが、着実に進歩していることが確認でき、今後の動向が気になります。
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執筆者情報
本記事はタクミセンパイの服部が執筆・編集しました。
私は工具メーカーでの営業とマーケティングの経験を活かし、切削工具と切削加工業界に特化した専門サイト「タクミセンパイ」を2020年から運営しています。
私(服部)の実績や経歴については「運営について」に記載しています。
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