
ブログをご覧いただきましてありがとうございます。
「切削工具の情報サイト タクミセンパイ」を運営する、編集長の服部です。
本記事では「JIMTOF2022に出展された切削工具をIoT化したセンシングツール(センサ工具)」についてまとめています。
「各社のセンシングツールに関する先進的な取り組み」を紹介できればと思っています。
JIMTOF2022に関する切削工具の取材記事は下記を公開しています。
【記事の信頼性】
本記事を書いた私は、2014年から切削加工業界に携わり、2020年から「切削工具の情報サイト タクミセンパイ」を運営しています。
工具メーカーで営業として500社以上の切削加工ユーザーに訪問し、技術支援をさせていただきました。
また、マーケティングとして展示会とイベントの企画・運営、カタログとWEBサイトの大型リニューアルプロジェクト、ブランディングプロジェクトを経験しました。
営業とマーケティングの経験をもとに、切削加工業界で働く皆さまに向けて本記事を執筆しています。


切削工具のIoT化について

切削工具をIoT化して、工作機械や計測器などとデータ連携することは、技術的に可能な段階にきています。
ただし、量産工程に耐えうる仕様、装置・システムとの連携方法などの課題から、各社参考出展という形をとっています。
JIMTOF2022で確認できた切削工具をIoT化したセンシングツール(センサ工具)を紹介します。
センシングツール 外部取付式(京セラ株式会社)

外部取付式(簡易取付)のセンシングツールが参考出展されていました。
特徴として下記が紹介されています。
- 自動盤・内径加工(マシニングセンタ対応)
- 優れた利便性(現場ですぐ取り付けて測定可能)
- 高い汎用性(幅広いマシンに取付可能)
センシングツール ホルダ内蔵式(京セラ株式会社)

ホルダ内蔵式(高感度・監視計測)のセンシングツールが参考出展されていました。
特徴として下記が紹介されています。
- 旋削・溝・ネジ加工(角シャンク20mm以下)
- 高感度(刃先に近い位置に内蔵)
- 高い耐久性(長期間運用に対応)
センサ工具(三菱マテリアル株式会社)

寸法測定が可能な変位センサ(内径用・端面用)と加工面撮影機能を持つ画像センサを搭載したセンサ工具が参考出展されていました。
特徴として下記が紹介されています。
- 工具交換が不要となり機上寸法測定や自動補正を効率化
- 機上加工面撮影が可能となり工具寿命判断の自動化も可能
旋削加工用センシングツール(住友電気工業株式会社)

センサーで切削力の変化を測定し、無線で送信して加工状態を監視できるセンシングツール(旋削加工用)が参考出品されていました。
特徴として下記が紹介されています。
- 垂直荷重、水平荷重を測定
- 断続加工でも明瞭な測定
- 剛性は通常の99%を確保
- 高感度で微細な変化を測定

会場で開発に携わった担当者の方とお話させていただきましたが、デザインにもこだわっていると教えていただきました。LEDの発光がカッコいいです。
会場では実際に触って変化の測定を体験することができました。
転削加工用センシングツール(住友電気工業株式会社)

センサーで切削力の変化を測定し、無線で送信して加工状態を監視できるセンシングツール(転削加工用)が参考出品されていました。
特徴として下記が紹介されています。
- トルク、スラスト荷重に加えて、工具座標系XY面の荷重測定
- アーバ―一体+独自機構で高剛性
- 高感度、φ1.5㎜ドリル切削荷重測定
- ATCにも対応
- BBT、HSKなど各種企画で準備。順次アイテムを拡大中
会場では実際に触って変化の測定を体験することができました。
編集長コメント
「JIMTOF2022に出展されたセンシングツール」いかがでしたか。
切削工具の次のイノベーションの1つが、IoT化だと考えます。
被削材に直接接触する切削工具から得られるデータを利用することで、切削加工が変わっていくと考えます。
切削工具のIoT化によって、最適な加工条件の算出、工具の個体差ごとの最適な寿命の把握が可能になっていくでしょう。
今回3社でセンシングツールを確認することができました。
これら製品の実用化含め、今後の動向を注目していきたいと思います。
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