切削工具と切削加工業界の情報を発信するポータルサイト「タクミセンパイ」をご覧いただきありがとうございます。
当サイトを運営する編集長の服部です。
本記事では「2023年に発売された切削加工業界の専門誌の特集を振り返り、業界のトレンド」を分析しています。
【記事の信頼性】
本記事を書いた私(服部)は2014年から切削加工業界に携わり、2020年から「タクミセンパイ」を運営しています。
工具メーカーで営業として500社以上の切削工具ユーザー(工作機械で切削加工されている方)に訪問し、技術支援をさせていただきました。
また、マーケティングとして展示会とイベントの企画・運営、カタログとWEBサイトの大型リニューアルプロジェクト、ブランディングプロジェクトを経験しました。
営業とマーケティングの経験をもとに、切削加工業界で働く皆さまに向けて本記事を執筆しています。
専門誌の特集を振り返る
切削加工業界の専門誌として下記4誌について振り返り、トレンドを確認しました。
- 機械技術
- 機械と工具
- ツールエンジニア
- 生産財マーケティング
各専門誌の特徴については、「 専門誌レビュー:4誌比較」で詳しく紹介しています。
機械技術
媒体概要
「機械技術」の媒体概要は下記となっています。
出版 | 日刊工業新聞社 |
創刊 | 1953年 |
発行日 | 毎月25日 |
発行部 | 35,000部 |
WEB | 専用ページ |
2023年 特集
「機械技術」の2023年特集は下記となっています。
1月 | JIMTOF2022に見る最新工作機械の新潮流 |
2月 | JIMTOF2022に見る切削工具・ツーリングの新潮流 |
3月 | 研削加工の最新技術動向 |
4月 | 新人必見!機械加工現場の素朴な疑問 |
5月 | 5軸マシニングセンタの効果的活用法 |
6月 | 穴加工の高品質化と生産性向上のポイント |
7月 | 金属加工を高度化するレーザ・放電活用術 |
8月 | 海外製工作機械・ツーリング機器の最新技術動向 |
9月 | 生産性を高める!切りくず対策の最前線 |
10月 | 小物部品への微細加工技術 |
11月 | 旋削加工の進化と高精度部品への最新適用動向 |
12月 | 機械加工現場の収益力を高める自動化のポイント |
「機械技術」は、新入社員にとって嬉しい「新人必見!機械加工現場の素朴な疑問」など幅広いテーマを扱っています。
また、技術情報だけでなく「機械加工現場の収益力を高める自動化のポイント(12月)」などビジネスと結び付けたテーマも確認できました。
「機械技術」はただ最新の製品やサービスを紹介するだけでなく、業界の最新動向を特集として多く組んでおり、業界の最先端で活躍するために必要な媒体であることがわかります。
- JIMTOF2022に見る最新工作機械の新潮流(1月)
- JIMTOF2022に見る切削工具・ツーリングの新潮流(2月)
- 研削加工の最新技術動向(3月)
- 海外製工作機械・ツーリング機器の最新技術動向(8月)
- 生産性を高める!切りくず対策の最前線(9月)
- 旋削加工の進化と高精度部品への最新適用動向(11月)
機械と工具
媒体概要
「機械と工具」の媒体概要は下記となっています。
出版 | 日本工業出版 |
テーマ | 生産加工技術を支える |
創刊 | 1957年(2010年の休刊を経て、2011年リニューアル創刊) |
発行日 | 毎月10日 |
発行部 | 32,000部 |
WEB | 専用ページ |
2023年 特集
「機械と工具」の2023年特集は下記となっています。
1月 | 生産加工を加速する新技術 |
2月 | JIMTOF2022にみる新技術 |
3月 | 加工を変える最新切削工具 最新切削工具の提案 Grinding Technology Japan2023 |
4月 | 金型製作技術の最前線 |
5月 | 新しい切削加工機械とその活用技術 |
6月 | 自動化へのニーズと新しい研削加工技術 |
7月 | 航空機部品加工へのニーズと対応技術 |
8月 | 加工のためのロボット、周辺機器活用技術 |
9月 | 高付加価値加工のための最新切削工具 |
10月 | 変わる自動車部品の加工技術 |
11月 | 高付加価値微細精密加工の実際 |
12月 | 計測・検査技術と高付加価値加工 |
「機械と工具」では、業界の最新動向を特集として多く組んでおり、業界の最先端で活躍するために必要な媒体であることがわかります。
- 生産加工を加速する新技術(1月)
- JIMTOF2022にみる新技術(2月)
- 金型製作技術の最前線(4月)
- 変わる自動車部品の加工技術(10月)
また、金型(4月)、航空機部品(7月)、自動車部品(10月)と業界に関する特集にも力を入れていることがわかります。
ツールエンジニア
媒体概要
「ツールエンジニア」の媒体概要は下記となっています。
出版 | 大河出版 |
テーマ | Tool Engineering & モノづくりの現場を伝える機械雑誌 |
創刊 | 1959年 |
発行日 | 毎月27日 |
WEB | 専用ページ |
2023年 特集
「ツールエンジニア」の2023年特集は下記となっています。
1月 | 医療機器を支える切削加工技術 |
2月 | 環境改善、コスト低減のための周辺機器・システム |
3月 | 先進の5軸 マシニングセンタ・複合加工機の活用 |
4月 | バリ取り・エッジ仕上げ加工 |
5月 | 製品に合わせた生産設備 CNC自動旋盤・ターニングセンタ |
6月 | 先端技術活用の切削工具 特色と加工事例 |
7月 | 先進のツーリング、ツールプリセッタ&チャック 関連機器 |
8月 | 注目の機械要素技術 基本と応用 |
9月 | 研削加工 自動化・省人化の研削盤、周辺機器 |
10月 | MECT2023 出展製品ガイド 輸入 工作機械・機器・工具のテクノロジと実際 |
11月 | 測れないものはつくれない! 測定機の活用 高精度・高付加価値加工を目指す |
12月 | デジタルツイン時代のCAD/CAM、高精度・多機能工作機械、工具管理の活用 |
「ツールエンジニア」は切削加工業界のトレンドや、業界で勝ち抜くヒントとなる特集は見当たりませんでした。
生産財マーケティング
媒体概要
「生産財マーケティング」の媒体概要は下記となっています。
出版 | ニュースダイジェスト社 |
テーマ | 設備材を中心とするR&D情報誌 |
創刊 | 1964年 |
発行日 | 毎月1日 |
発行部数 | 17,000部(2015年実績) |
WEB | 専用ページ |
2023年 特集
「生産財マーケティング」の2023年特集は下記となっています。
1月 | 今年はこうなる2023 JIMTOF後の商機を逃すな |
2月 | 今こそ工程集約を 5軸・複合を多品種少量に |
3月 | コラボで生み出す価値 外部の刺激で花開く |
4月 | 環境対応で生き残る 未来のアドバンテージ |
5月 | 変わる大型機市場 EV、航空、発電に光明 |
6月 | 工場物流を刷新せよ! 先端技術がマテハンを変える |
7月 | 塑性加工の新時代 生産性向上と環境配慮の両立 |
8月 | チャンスはどこに? データでひも解く世界市場 |
9月 | 驚きのスゴ技 〜加工のヒントがここに~ |
10月 | MECTの幕が開く 工作機械の今を感じよう |
11月 | 工具のここを語りたい 素材、形状にこだわり |
12月 | 「ロボットありき」の時代へ iREXに見る新提案 |
「機械技術」「機械と工具」「ツールエンジニア」の3誌が技術系の専門誌であるのに対して、「生産財マーケティング」はマーケティングを中心とした専門誌であるため、特集のタイトルも他誌と大きく異なります。
特集では「コラボで生み出す価値(3月)」や「チャンスはどこに? (8月)」など、将来の切削加工業界を生き抜く経営戦略のヒントとなるものがありました。
編集長コメント
「専門誌の特集で振り返る切削加工業界のトレンド」いかがでしたか。
2023年の「機械技術」「機械と工具」「生産財マーケティング」について、切削加工業界で勝ち抜くためのヒントになる魅力的な特集が組まれていました。
一方で、各誌共通の2023年を象徴とする切削加工業界のトレンドと言えるものは確認できませんでした。
EVについてのより実用的な特集が組まれるかと予想しましたが、全媒体でEVに関する特集が組まれることはありませんでした。
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