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NC工作機械で金属を切削加工しているオペレーター数を算出

ブログをご覧いただきましてありがとうございます。
タクミセンパイを運営している服部です。

タクミセンパイは切削工具の情報サイトを目指しており、そのターゲットとなる人数を算出してみました。

タクミセンパイを活用してほしい人=切削工具を業務で使用する人であるため、「NC工作機械(マシニングセンタもしくはNC旋盤)で金属を切削加工しているオペレーター」として算出してみました。

この記事を読んで欲しい人

  • 日本の切削加工業界の人口・規模を知りたい
  • NC工作機械で金属を切削加工しているオペレーター数を知りたい

算出の前提

工作機械にはNC工作機械と汎用工作機械がありますが、今回はNC工作機械に限定しています。
また、工作機械の中でも金属工作機械に限定しています。

金属工作機械には研削盤や専用機が含まれていますが、切削工具を使用する人を算出したいため、マシニングセンタおよびNC旋盤に限定しています。
切削工具を使う専用機もありますが、定義があいまいであるため、今回は除外しました。

国際調査から求める

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「NC工作機械(マシニングセンタもしくはNC旋盤)で金属を切削加工しているオペレーター」を算出するために、国勢調査のデータを利用しました。

国勢調査とは

国勢調査とは、日本に住んでいるすべての人および世帯を対象とする国の最も重要な統計調査で、国内の人口や世帯の実態を明らかにするため、5年ごとに行われています。
国勢調査から得られる様々な統計は、国や地方公共団体の政治・行政で広く利用されるだけでなく、民間企業や研究機関などでも経営や研究などの基礎データとして幅広い用途に利用されています。(総務省統計局より)

皆さんも5年に1度回答されている国勢調査に、実は「NC工作機械(マシニングセンタもしくはNC旋盤)で金属を切削加工しているオペレーター」に関する情報がありました。

国勢調査の中で対象となる統計データ

記事作成にあたり、国勢調査の中から「平成27年国勢調査(2015年)」を利用しました。
記事作成時点では、令和2年(2020年)の結果がまだ公表されていなかったため、平成27年(2015年)のデータを使っています。

国勢調査の中から、「NC工作機械(マシニングセンタもしくはNC旋盤)で金属を切削加工しているオペレーター」を算出するにあたり、下記のデータを利用しました。

抽出詳細集計
抽出詳細集計結果
 └抽出詳細集計(就業者の産業(小分類)・職業(小分類)など)
  └ 10 就業上の地位(8区分), 職業(小分類), 男女別15歳以上就業者数 – 全国

「10 就業上の地位(8区分), 職業(小分類), 男女別15歳以上就業者数 – 全国」の中に、「49d 金属工作機械作業従事者」という選択肢があり、こちらが生産工程で金属工作機械を使用する人です。

平成27年(2015年)の人数が下記となります。

総数(職業小分類)58,890,810人
└ H 生産工程従事者7,679,870人
  49 製品製造・加工処理従事者(金属製品)1,149,350人
  └ 49d 金属工作機械作業従事者161,930人

生産工程として金属工作機械を使用するオペレーターが約16万人いることがわかりました。

前述した通り、金属工作機械の定義には研削盤や専用機が含まれているため、49d 金属工作機械作業従事者から、マシニングセンタもしくはNC旋盤を使用するオペレーター数を算出する必要があります。

経済産業省 生産動態統計の活用

「49d 金属工作機械作業従事者」16万人から、マシニングセンタもしくはNC旋盤を使用するオペレーター数を算出するために、経済産業省 生産動態統計を利用しました。

「経済産業省 生産動態統計年報 機械統計編」で、マシニングセンタとNC旋盤の年間の生産台数を確認することができます。

金属工作機械の生産台数全体の中でマシニングセンタとNC旋盤が占める割合を使うことで、目的の数値を算出してみたいと思います。

2016~2020年 5年間の生産台数の平均から、金属工作機械全体でマシニングセンタとNC旋盤が占める割合が下記の数値です。

年間生産台数(5年平均)割合
金属工作機械69,849台
マシニングセンタ31,229台45%
└ NC旋盤15,529台22%

マシニングセンタとNC旋盤の生産台数を合算すると、金属工作機械の生産数量全体の67%を占めていることがわかりました。

49d 金属工作機械作業従事者」約16万人のうち、67%がマシニングセンタもしくはNC旋盤を使用していると仮定して算出すると、108,493人でした

つまり、「NC工作機械(マシニングセンタもしくはNC旋盤)で金属を切削加工しているオペレーター」は約10万人いる予想結果がでました

ちなみに同じ計算方法で、マシニングセンタを使用するオペレーターが72,869人、NC旋盤を使用するオペレーターが35,624人となります。

想定オペレーター数
マシニングセンタ72,869人
NC旋盤35,624人
合計108,493人

10万人に違和感がないか

「NC工作機械(マシニングセンタもしくはNC旋盤)で金属を切削加工しているオペレーター」が10万人いる予想結果が出ましたが、この数値に違和感がないか、別のデータを使って確認してみました。

使用したのはJIMTOF2018の来場者データです。
JIMTOFは2年に1回開催される、世界四大工作機械見本市で、国内の切削加工業界の方が最も参加する展示会です。

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JIMTOF2018は2018年11月1日(木)~11月6日(火)の6日間開催され、国内・海外合算の来場者数は188,955人と公表されています。

ユーザー数の算出

来場ユーザー数は、業種別カテゴリーから確認できます。

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JIMTOF2018に参加した製造業のユーザー数(国内)は、上記グラフより105,030人であることがわかりました。

ただ、この中には生産工程に携わっていない職種の方(例えば営業や事務など)も含まれています。

職種

生産工程に携わっている人を算出するために、来場者の職種を利用します。
(こちらは単一回答です)

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「NC工作機械(マシニングセンタもしくはNC旋盤)で金属を切削加工しているオペレーター」は、上記グラフの生産・製造に属していると考えられます。
生産・製造を職種とする人(国内)は、上記グラフより全体の22.9%であることがわかりました。

ユーザー数×職種

製造業のユーザーの数(国内)105,030人に、生産・製造を職種とする人(国内)の割合22.9%をかけると、24,052人という数字が出ました。

「NC工作機械(マシニングセンタもしくはNC旋盤)で金属を切削加工しているオペレーター」が10万人いる予想結果が出ています。
そのため、JIMTOF2018に「NC工作機械(マシニングセンタもしくはNC旋盤)で金属を切削加工しているオペレーター」の約4人に1人が来場していることになります。(24,052人/108,493人)

この結果に関して、私がバリ取り工具メーカーの営業として在籍して、JIMTOFのお話を聞いてきた経験から、そこまでは違和感はない数値だなと思いました。
会社の立地や規模、部署の役割によって異なりますが、5~10人に1人くらいかなと思っていたため、4人に1人という結果に違和感を感じることはありませんでした。

そのため、「NC工作機械(マシニングセンタもしくはNC旋盤)で金属を切削加工しているオペレーター」が10万人いるという予想は、それなりに当たっているのでないかと考えます。

まとめ

  • 平成27年国勢調査(2015年)のデータから、生産工程として金属工作機械を使用するオペレーターが約16万人いることがわかった
  • 経済産業省 生産動態統計年報 機械統計編のマシニングセンタとNC旋盤の年間の生産台数から、「NC工作機械(マシニングセンタもしくはNC旋盤)で金属を切削加工しているオペレーター」の数を算出した結果、10万人いる予想結果が出た

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