切削工具のカタログ利用状況を知りたくても、参考となる情報が存在せず困っていませんか。
この記事を書いた私は工具メーカーでの営業・マーケティングの経験を活かし、切削工具と切削加工業界に特化した専門サイト「タクミセンパイ」を2020年から運営しています。
中立的な立場としてアンケートを設計し、調査を実施しました。
本記事では「切削工具の探し方」と「紙カタログの利用状況」について調査した内容をまとめています。
この記事を読むことで、2023年の切削加工業界における切削工具の探し方と紙カタログの利用状況がわかり、WEB環境の整備や戦略の参考になります。
アンケート調査の結果、利用は減っているものの半数が紙カタログで切削工具を探す人である一方で、残りの半数はPDFカタログやメーカーサイト・アプリで探しており、デジタルでの切削工具探しが一般的になりつつあることがわかりました。
切削工具のカタログ利用状況調査2023
「切削工具のカタログ」についてtwitterで下記5つのアンケート調査を実施しました。
(調査期間:2023年5月30日(火)~6月1日(木))
- 切削工具の探し方
- 紙カタログの利用状況
- 紙の総合カタログの入手方法
- 総合カタログにおいて重要な要素
- 中身を見たくなる新製品カタログの表紙
切削工具を普段利用している切削工具ユーザー(工作機械で切削加工されている方)を対象としてアンケートをお願いしておりますが、twitterでは回答者のプロフィールを確認できないため、参考情報として考えていただければと思います。
切削工具の探し方
切削工具を普段利用している切削工具ユーザー(工作機械で切削加工されている方)に対して、よく利用する切削工具メーカーについて、切削工具をどのように探しているか、下記3つの選択肢から1つを選んでいただきました。
- 紙のカタログで探す
- PDFのカタログで探す
- メーカーサイトやアプリで探す
68人が回答したtwitterのアンケート結果が下記となります。
(回答だけ見たい人がいたずらに選択しないように「回答結果を見る」を選択肢に入れています)
「回答結果を見る」を除いて作成したグラフが下記です。
「紙のカタログで探す」方が47%で最も多いことがわかりました。
ただし、「メーカーサイトやアプリで探す」も33%と2番目に多く、従来の紙カタログだけでなく、デジタルでの切削工具探しが一般的になっていることがわかります。
「切削加工業界のZ世代戦略」でも触れていますが、デジタルネイティブであるY世代およびZ世代において、デジタルでの情報提供の重要性が高まっています。
切削工具メーカーとしては、紙のカタログを従来通りに作りつつ、デジタルにも力を入れる必要があると考えます。
切削工具ユーザー(工作機械で切削加工されている方)としては、若い方などは紙のカタログでの切削工具探しにストレスを感じ、WEBサイトやアプリで探したいと感じているかもしれません。
必要に応じて、WEBサイトやアプリで切削工具を探すことができる環境を整えましょう。
紙カタログの利用状況
切削工具を普段利用している切削工具ユーザー(工作機械で切削加工されている方)に対して、新型コロナウイルス発生前(~2019年)と比較して、紙のカタログの利用(入手・閲覧・保管)に変化があったか、下記3つの選択肢から1つを選んでいただきました。
- 増えた
- 変わらない
- 減った
36人が回答したtwitterのアンケート結果が下記となります。
(回答だけ見たい人がいたずらに選択しないように「回答結果を見る」を選択肢に入れています)
「回答結果を見る」を除いて作成したグラフが下記です。
「変わらない」と回答した人が最も多い52%でした。
2番目に多い回答(35%)が「減った」であるため、紙のカタログの利用は減少傾向にあると考えられます。
紙の総合カタログの入手方法
切削工具を普段利用している切削工具ユーザー(工作機械で切削加工されている方)に対して、切削工具メーカーの紙の総合カタログ(最新版)をどのように入手しているか、下記3つの選択肢から1つを選んでいただきました。
- 切削工具メーカーに依頼する
- 機械工具販売店に依頼する
- 展示会でもらう
29人が回答したtwitterのアンケート結果が下記となります。
(回答だけ見たい人がいたずらに選択しないように「回答結果を見る」を選択肢に入れています)
「回答結果を見る」を除いて作成したグラフが下記です。
「機械工具販売店に依頼する」と回答した人が最も多い62%でした。
機械工具販売店については、迅速に最新カタログをユーザーに案内することが重要だと考えます。
総合カタログにおいて重要な要素
切削工具を普段利用している切削工具ユーザー(工作機械で切削加工されている方)に対して、切削工具メーカーの総合カタログにおいて特に重要な要素について、下記3つの選択肢から1つを選んでいただきました。
- 検索性
- 仕様・寸法のわかりやすさ
- 加工条件のわかりやすさ
36人が回答したtwitterのアンケート結果が下記となります。
(回答だけ見たい人がいたずらに選択しないように「回答結果を見る」を選択肢に入れています)
「回答結果を見る」を除いて作成したグラフが下記です。
「検索性」と「仕様・寸法のわかりやすさ」が同率1位(43%)でした。
切削工具メーカーについては、総合カタログは検索性を重視しつつ、仕様・寸法のわかりやすさについても力を入れる必要があると考えます。
中身を見たくなる新製品カタログの表紙
切削工具を普段利用している切削工具ユーザー(工作機械で切削加工されている方)に対して、中身を見たくなる新製品カタログ(単品カタログ)の表紙として、下記3つの選択肢から1つを選んでいただきました。
- 気になる特徴の説明文
- 気になる使用用途の説明文
- 気になる写真・画像
45人が回答したtwitterのアンケート結果が下記となります。
(回答だけ見たい人がいたずらに選択しないように「回答結果を見る」を選択肢に入れています)
「回答結果を見る」を除いて作成したグラフが下記です。
「気になる写真・画像」方が51%で最も多いことがわかりました。
カタログを開いてもらう上で、表紙の写真・画像が重要であることがわかりました。
2位(27%)の「気になる使用用途の説明文」、3位(22%)の「気になる特徴の説明文」とほとんど差がなかったため、切削工具メーカーについては、写真・画像にこだわった上で、説明文についても伝え方を工夫する必要があると考えます。
編集長コメント
「ユーザーに切削工具のカタログについて聞いてみた」いかがでしたか。
切削工具メーカーだけでなく、機械工具販売店と切削工具ユーザー(工作機械で切削加工されている方)においても参考になる情報をお伝えできたのではと思います。
切削工具を探す方法が、紙カタログからデジタルに移行しているタイミングであり、切削工具メーカーとしてはどちらにも力を入れる必要がある大変な時期かもしれません。
切削工具のカタログ制作について「【対談】厚物カタログ制作にも効率性が求められる時代の解決方法とは」でお話をお伺いしたあかがねが、カタログとWEBを両立させるデータベースに関する記事を公開しています。
切削工具の情報提供に力を入れたい切削工具メーカーの方は、一度読んでみてはいかがでしょうか。
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執筆者情報
本記事はタクミセンパイの服部が執筆・編集しました。
私は工具メーカーでの営業とマーケティングの経験を活かし、切削工具と切削加工業界に特化した専門サイト「タクミセンパイ」を2020年から運営しています。
私(服部)の実績や経歴については「運営について」に記載しています。
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