切削工具と切削加工業界の情報を発信するポータルサイト「タクミセンパイ」をご覧いただきありがとうございます。
当サイトを運営する編集長の服部です。
本記事では「切削加工業界に対する興味について工学部の学生にアンケート調査を実施した内容」をまとめています。
「学生がどのように企業の情報を入手しているか、切削加工業界への就職にどの程度興味をもっているか」がわかる記事になっています。
本記事の内容をまとめてYouTubeでも公開しています。
【記事の信頼性】
本記事を書いた私(服部)は2014年から切削加工業界に携わり、2020年から「タクミセンパイ」を運営しています。
工具メーカーで営業として500社以上の切削工具ユーザー(工作機械で切削加工されている方)に訪問し、技術支援をさせていただきました。
また、マーケティングとして展示会とイベントの企画・運営、カタログとWEBサイトの大型リニューアルプロジェクト、ブランディングプロジェクトを経験しました。
営業とマーケティングの経験をもとに、切削加工業界で働く皆さまに向けて本記事を執筆しています。
回答者(学生)の属性
ある大学(匿名とさせていただきます)の学生に対してアンケート調査を実施しました。
特定の大学のみの結果であることから、全国の学生を網羅したアンケート結果ではないことをご理解ください。
アンケートの概要は下記となっています。
調査方法 | WEBアンケート |
集計期間 | 2023年12月29日~2024年1月14日 |
回答数 | 63名(すべて学生) |
利用データ数 | 50名分 |
63名のうち、学部として工学部、学科として機械科・電気科・情報科のみを抽出した50名分のデータを集計しました。
アンケート回答者の学科
工学部の学生(50名)の学科分布は下記となっています。
アンケート回答者の学年
工学部の学生(50名)の学年分布は下記となっています。
工作機械や切削工具の情報を入手するキッカケ
工作機械や切削工具の情報を入手するキッカケについて調査した結果が下記です。
「学校の設備」が最も多い74%でした。
続いて「授業の配布資料」が56%、「教科書・参考書」が48%でした。
「業界新聞」「業界誌・専門誌」については0%でした。
切削加工業界への就職に対する興味
工作機械メーカー就職に対する興味
工作機械メーカー就職に対する興味を選択式で回答してもらった結果が下記です。
工作機械メーカー就職に対して興味をもっているのは全体の30%でした。
機械科のみ(22名)の結果が下記です。
切削工具メーカー就職に対する興味
切削工具メーカー就職に対する興味を選択式で回答してもらった結果が下記です。
切削工具メーカー就職に対して興味をもっているのは全体の18%でした。
興味をもっている割合は工作機械メーカーより12%低い結果でした。
機械科のみ(22名)の結果が下記です。
金属加工業就職に対する興味
金属加工業就職に対する興味を選択式で回答してもらった結果が下記です。
金属加工業就職に対して興味をもっているのは全体の22%でした。
興味をもっている割合は工作機械メーカーより8%低く、切削工具メーカーより4%高いという結果でした。
機械科のみ(22名)の結果が下記です。
編集長コメント
「切削加工業界に対する興味について工学部の学生に聞いてみた2024」いかがでしたか。
切削加工業界に優秀な若い人材を増やし、切削加工業界が人材面においても持続可能なビジネスになるためのヒントになればと思い、この調査を実施しました。
特定の大学のみの結果であることから、全国の学生を網羅したアンケート結果ではありませんが、参考になるデータではあると思います。
工作機械や切削工具の情報を入手するキッカケについて、「学校の設備」が最も多い74%でした。
学校で使用した工作機械のメーカーが、就職において1つの検討材料になるとすれば、工作機械メーカーが学校に工作機械を寄贈することは効果的であると考えます。
工作機械を開発したり製造するのではなく、自ら操作して加工したい学生も存在すると考えると、金属加工業(工作機械で切削加工されている企業)は学生に対してどのメーカーの設備を保有しているか発信することが重要になるかもしれません。
また、入社したばかりの新入社員に対して、最新機種や学校の設備にない工作機械(高額・巨大・特殊なもの)に触る機会を提供することが重要なのかもしれません。
JIMTOFは学生の参加に力を入れていますが、「展示会」を情報の入手に利用している割合は14%と低い結果でした。
「業界新聞」「業界誌・専門誌」については0%であり、学生に対して情報を届ける方法を業界全体として検討する必要があると感じました。
切削加工業界への就職について、「興味がある」割合は20~30%程度と低く、この少ない学生を各企業が取り合っている状況だと思います。
学生に対して情報を届けるだけでなく、切削加工業界に興味を持ってもらう取り組みを業界全体として急務で進めるべきだと感じました。
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