切削工具と切削加工業界の情報を発信するポータルサイト「タクミセンパイ」をご覧いただきありがとうございます。
当サイトを運営する編集長の服部です。
本記事は「2020年の切削加工業界」について振り返りました。
「新型コロナウイルスの影響で大打撃となった2020年の切削加工業界を語るために、JIMTOF2018からの流れ」で説明しています。
【記事の信頼性】
本記事を書いた私(服部)は2014年から切削加工業界に携わり、2020年から「タクミセンパイ」を運営しています。
工具メーカーで営業として500社以上の切削工具ユーザー(工作機械で切削加工されている方)に訪問し、技術支援をさせていただきました。
また、マーケティングとして展示会とイベントの企画・運営、カタログとWEBサイトの大型リニューアルプロジェクト、ブランディングプロジェクトを経験しました。
営業とマーケティングの経験をもとに、切削加工業界で働く皆さまに向けて本記事を執筆しています。
切削加工業界2020年振り返り
新型コロナウイルスの影響を受ける前の2018年から、コロナで大打撃となった2020年を振り返りました。
切削加工業界にも影響したイベント、ニュース、TOPICSについてまとめています。
切削加工業界の2018→2020盛り上がり
JIMTOF2018が開催された2018年から、新型コロナウイルスの影響でJIMTOF2020がJIMTOF Onlineに変更となった2020年まで、私が切削工具ユーザー(工作機械で切削加工されている方)からお聞きした声やメディアから得た情報を元に、切削加工業界の盛り上がりをグラフ化してみました。
新型コロナウイルスが発生しなかった場合を、グレーの破線で表現しております。
4月からの緊急事態宣言と、INTERMOLD2020、INTERMOLD名古屋、JIMTOF2020が中止となったことで、切削加工業界は時が止まったかのような状態に一時的になりました。
他の業界と比べ、製造業はWEB会議システムなどのIT周りの整備が遅れていたため、対応が遅れました。
INTERMOLDオンラインおよびJIMTOF Onlineの開催が決まってから、盛り上がり始めましたが、やはりリアルの展示会と比較すると盛り上がりに欠けていたと感じます。
下記からは、2018年から2020年までのイベント・ニュース、各年のTOPICSをまとめてみました。
2018年
2018年イベント
2018年11月1日~11月6日:JIMTOF2018
JIMTOF2018(第29回日本国際工作機械見本位置)が2018年11月1日(木)~6日(火)に東京ビックサイトで開催された。1085社の企業・団体が国内外から出展。11月1日(木)~6日(火)における、重複を除く来場者数は153,103人となり、過去最高を記録した。
また、東京ビックサイトが東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会において、IBC(国際放送センター)・MPC(メインプレスセンター)として利用されるため、JIMTOF2020が2020年12月7ん地位(月)~12日(土)に開催されることが発表された。
2018年TOPICS
- JIMTOF2018の来場者数過去最高の記録、訪日外国人数の増加等から、JIMTOF2020の期待値は高かった。一方、開催がいつもより1か月遅れであるため、年末による来場者数の減少、メーカーや機械工具販売店が開催するアフターJIMTOFの効果減少を心配する声もあった
- 当時、切削工具ユーザー(工作機械で切削加工されている方)の会社用PCではYoutubeが閲覧禁止されていることが多かった
- 当時、WEB会議やWEBセミナーはほとんど実施されていなかった
2019年
2019年イベント
4月17日~20日:INTERMOLD2019
INTERMOLD2019(第30回金型加工技術展)/金型展2019/金属プレス加工技術展2019が2019年4月17日(水)~20日(土)に東京ビッグサイト 青海展示棟で開催された。青海展示棟での開催は初。4月17日(水)~20日(土)における来場者数は42,585人となった。
6月19日~22日:INTERMOLD名古屋
INTERMOLD名古屋/金型展名古屋/金属プレス加工技術展名古屋が2019年6月19日(水)~22日(土)にポートメッセなごやで開催された。6月19日(水)~22日(土)における来場者数は40,171人となった。
10月23日~26日:MECT2019
MECT2019(メカトロテックジャパン2019)が2019年10月23日(水)~26日(土)に開催された。477社の企業・団体が国内外から出展。10月23日(水)~26日(土)における重複を除く来場者数は90,244人となった。
2019年TOPICS
- 日本特殊陶業株式会社が始めた小型自動旋盤向けツールホルダを定額で利用できるサブスクリプションサービス「SUISUI SWISS(すいすいスイス)」など、サブスクリプションサービスが切削加工業業界でも現れるようになった
- 当時、ユーザーの会社用PCではYoutubeが閲覧禁止されていることが多かった
- 当時、WEB会議やWEBセミナーはほとんど実施されていなかった
- 東京ビックサイトの南展示館(2019年7月)、仮設の青海展示棟が建設された
- 東京ビックサイトが2020年東京オリンピック・パラリンピックの影響で、2019年4月から東展示場が利用不能に、2020年5月から5ヵ月間全館閉鎖されることが発表される。この期間に開催されるはずの500本以上の展示会やイベントが縮小開催か中止を余儀なくされるということで、署名運動が起こった。あるサイトでは、オンライン署名が123,695名分集まった
- 日本政府観光局(JNTO)によると、2019年年間の訪日外国人数(推計値)は、前年比2.2%増の3,188万2100人で、過去最多を更新した。2020年は東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会が開催されるため、さらに訪日外国人人数は増加すると予測されていた。これらの数値からも、JIMTOF2020の期待値は上がっていた
2020年
2020年イベント・ニュース
1月15日:国内初の新型コロナウイルス感染者確認
2020年1月15日(水)に国内で初の新型コロナウイルスの感染者が確認される。
2月28日:イベント自粛要請
2020年2月28日(金)にイベントの自粛が要請される。
3月10日:INTERMOLD2020中止発表
2020年3月10日(火)にインテックス大阪で2020年4月15日(水)~18日(土)に開催予定だった、INTERMOLD2020(第31回金型加工技術展)、金型展2020、金属プレス加工技術展2020の中止が発表される。
3月24日:東京オリンピック延期決定
2020年3月24日(火)に東京オリンピック・パラリンピックの1年程度の延期が決定する。
3月30日:東京オリンピックの開催時期決定
2020年3月30日(月)に東京オリンピック・パラリンピックが2021年夏に延期されることが決定する。
4月7日:7都府県に緊急事態宣言発令
2020年4月7日(水)に東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県に緊急事態宣言が発令される。
4月8日:ROBOT TECHNOLOGY JAPAN2020中止発表
2020年4月8日(木)に愛知県国際展示場で2020年7月2日(水)~4日(土)に開催予定だった、ROBOT TECHNOLOGY JAPAN2020の開催中止が発表される。
4月15日~18日:INTERMOLD2020中止
インテックス大阪で2020年4月15日(水)~18日(土)に開催予定だった、INTERMOLD2020(第31回金型加工技術展)、金型展2020、金属プレス加工技術展2020が中止となる。
4月16日:全国に緊急事態宣言発令
2020年4月16日(木)に緊急事態宣言の対象が全国になる。
東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡、北海道、茨城、石川、岐阜、愛知、京都の13の都道府県を、特定警戒都道府県と位置づける。
5月11日:INTERMOLD名古屋中止発表
2020年5月11日(月)にポートメッセなごやで2020年7月15日(水)~18日(土)に開催予定であったINTERMOLD名古屋、金型展名古屋、金属プレス加工技術展名古屋の7月の開催中止が発表される。
5月14日:39県の緊急事態宣言解除
2020年5月14日(木)に北海道・東京・埼玉・千葉・神奈川・大阪・京都・兵庫の8つの都道府県を除く、39県で緊急事態宣言が解除される。
5月21日:大阪・京都・兵庫の緊急事態宣言解除
2020年5月21日(木)に大阪・京都・兵庫の3府県について緊急事態宣言が解除される。
5月25日:首都圏1都3県と北海道の緊急事態宣言解除
2020年5月25日(月)に首都圏1都3県と北海道の緊急事態宣言が解除される。
6月9日:INTERMOLD名古屋中止発表
2020年6月9日(火)にポートメッセなごやで2020年7月15日(水)~18日(土)に開催予定であったINTERMOLD名古屋、金型展名古屋、金属プレス加工技術展名古屋の開催中止が発表される。
6月9日:IMTS中止発表
2020年6月9日(火)にIMTS(米国国際製造技術展)の開催中止が発表される。
7月2日~4日:ROBOT TECHNOLOGY JAPAN2020中止
愛知県国際展示場で2020年7月2日(水)~4日(土)に開催予定だった、ROBOT TECHNOLOGY JAPAN2020の開催が中止となる。
7月15日~18日:INTERMOLD名古屋中止
ポートメッセなごやで2020年7月15日(水)~18日(土)に開催予定であったINTERMOLD名古屋、金型展名古屋、金属プレス加工技術展名古屋が中止となる。
8月4日:JIMTOF Onlineの開催発表
2020年8月4日(水)にJIMTOF Onlineの開催が発表された。
8月7日:INTERMOLDオンラインの開催発表
2020年8月7日(金)にINTERMOLD/金型展/金属プレス加工技術展オンラインの開催が発表された。
9月14日~19日:IMTS2020中止
マコーミックス・プレイス(米国イリノイ州シカゴ)で2020年9月14日(月)~19日(土)に開催予定であったIMTS2020が中止となる。
9月14日~18日:IMTS Network開催
2020年9月14日(月))~18日(金)にIMTS Networkが開催された。
9月~2021年3月15日:IMTS SPARK 2020開催
9月~2021年3月15日(月)にIMTS SPARK 2020が開催された。
10月5日~16日:INTERMOLDオンライン開催
INTERMOLD/金型展/金属プレス加工技術展オンラインが2020年10月5日(月)~16日(金)に開催された。517社・団体が出展。企業ページは9月23日(水)~12月23日(金)の期間に公開。
11月16日~27日:JIMTOF Online開催
JIMTOF Onlineが2020年11月16日(月)~27(金)に開催された。世界8カ国・地域から393社(国内369社、海外24社)が出展。11月16日~11月27日における、重複を除く来場者数は約5.2万人(うち海外約3千人)となった。11月27日(金)~12月11日(金)はアーカイブ期間として公開。
12月7日~12日:JIMTOF2020中止
東京ビックサイトで2020年12月7日(月)~12日(土)に開催予定であったJIMTOF2020(第30回国際工作機械見本市)が中止となる。
2020年TOPICS
- WEB商談やWEBセミナー(ウェビナー)、WEB展示会の開催が増えた
- DMG森精機株式会社のAIチップリムーバルや、アルム株式会社のARMCODE1(加工プログラムをAIによって完全自動化)、ユアサ商事株式会社のAIスタートアップとの資本提携など、AIに関するニュースを多く確認できた
- DX(デジタルトランスフォーメーション)が取り上げられることが増えた
- SDGsの中に2020年をゴールとするものがあったこともあり、様々な媒体でSDGsが取り上げられ、切削加工業においてもSDGsへの取り組みに関する発信が増えた
- 切削工具の専門通販サイト、さくさくECがオープンした
- なんでも重工やしぶちょーなど、個人の切削加工関係の情報発信が増えた
- meivy、caddi、MitsuriなどのWEB発注サービスが存在感を表してきた
まとめ
- 新型コロナウイルス発生前は、JIMTOF2018の来場者数過去最高の記録、訪日外国人数の増加などから、JIMTOF2020の期待値が高かった
- 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の影響で、2019年から展示会の会場などが変則的になり、展示会関連の会社からは一部不満の声が上がっていた
- 新型コロナウイルス発生前は、WEB会議やWEBセミナーはほとんど実施されていなかった
- 新型コロナウイルス発生後は、WEB会議やWEBセミナー(ウェビナー)、WEB展示会の開催が急増した
- 新型コロナウイルスの影響で、INTERMOLD2020および名古屋、ROBOT TECHNOLOGY JAPAN2020(初開催予定だった)、JIMTOF2020が開催中止となった
- INTERMOLDおよびJIMTOFがオンラインで開催された
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