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MECT2023来場者数と会場レポート

MECT2023(MECHATRONICS TECHNOLOGY JAPAN/メクト)の来場者数、新型コロナウイルスの影響、会場のレポートを前回との比較データとあわせて知りたいと困っていませんか。

この記事を書いた私は工具メーカーでの営業・マーケティングの経験を活かし、切削工具と切削加工業界に特化した専門サイト「タクミセンパイ」を2020年から運営しています。
2015年からMECTに4回参加してきた視点と会場で感じたことから本記事を執筆しました。

本記事では国内最大級の工作機械見本市「MECT」の新型コロナウイルスの影響、来場者数データ、会場で感じたことをまとめています。
この記事を読むことで、前回との比較データとあわせてMECT2023の来場者数(開催実績)と会場の様子を知ることができます。

MECT2023の来場者数(重複なし)は2019年と比較して来場者数が14.4%減った77,225人であり、回復の兆しが見えました

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MECT2023来場者数と会場レポート

mect2023-logo

キャッチコピーは「FEEL IT!工作機械の迫力をさあ、会場で。」です。
工作機械の実機を間近で見て、感じてもらうこを重視しており、会場には工作機械や鍛造・板金機械など285台が展示されました。

名称メカトロテックジャパン2023
MECHATRONICS TECHNOLOGY JAPAN2023
(略称:MECT2023)
会期2023年10月18日(水)〜21日(土)
開催時間10:00~17:00(最終日は16:00まで)
会場ポートメッセなごや(名古屋市国際展示場)
新第1展示館・第2展示館・第3展示館
出展規模492社・団体 2103小間
来場者数77,225人


2023年は新第1展示館が初めて使用され、既存施設の第2展示館と第3展示館を含めた総展示面積は従来の34,000m2から6,000m2増え、40,000m2の最大規模で開催されました。

port_messe_nagoya_1
ポートメッセ名古屋公式サイトより


MECT2023の様子(新第1展示館内)

画像


MECTについて詳しくは「【2023年】MECTとは」をご覧ください。


MECT2023の来場者データ

2023年10月18日(水)〜21日(土)に開催されたMECT2023の来場者数は下記です。

MECT2023来場者数MECT2021来場者数
(MECT2019来場者数)
10月18日
(水)
18,084人14,255人
(16,250人)
10月19日
(木)
20,108人15,897人
(19,948人)
10月20日
(金)
24,731人23,675人
(26,653人)
10月21日
(土)
14,302人15,102人
(27,393人)
合計77,225人68,929人
(90,244人)


新型コロナウイルスの影響を受けていないMECT2019の来場者数合計は90,244人で、2023年は2019年と比較して来場者数が14.4%減った77,225人でした
会期中の新型コロナウイルスの影響について、会場でマスクをしている人(出展者・来場者)は1割程度であり、コロナ前とほとんど変わらない環境で開催されました。

来場者数の減少について、工作機械受注が9ヶ月連続前年を下回っていたことなどから、不況の影響でコスト削減として展示会の参加が難しくなったなどもあるのではと予想しました。

来場者数と曜日について、例年通り金曜日が最も多いという結果でした。
土曜日の来場者数は2021年と同じく減少傾向にあり、2019年と比較して47.8%減少しています。

これまで土曜日はプライベートで参加する方や家族連れの参加が多い傾向にありました。
2023年は1日目(水曜日)と2日目(木曜日)の来場者数が2019年と比較して多く、土曜日参加を避けて平日に参加する傾向が強くなっていると予測します。
JIMTOFでも土曜日・日曜日の来場者数が減少傾向にあり、切削加工業界で働き方に変化が起きていると考えます。

MECT2023出展メーカー

MECT2023に出展した工作機械メーカー(切削)、ツーリングメーカー、切削工具メーカーをまとめました。

工作機械メーカー(切削)

出展社名(五十音順)小間番号
アマダ1D39
岩間工業所1B07
エグロ1A25
オーエム製作所1D13
オークマ1D33
岡本工作機械製作所1D08
北村製作所1D06
キラ・コーポレーション1A30
ジェイテクト1D36
シチズンマシナリー1B13
芝浦機械1A09
嶋田鉄工所1C23
新日本工機1C25
スギノマシン1A37
スター精密1B27
西部電機1D27
ソディック1B36
高松機械工業1B34
TAKISAWA1A13
ツガミ1A38
DMG森精機1C27
東洋精機工業1A11
中村留精密工業1C11
西島1C07
ニデックオーケーケー1A17
ニデックマシンツール1A18
野村DS1B10
長谷川機械製作所1A33
ファナック1A31
ブラザー工業1D24
豊和工業1A39
ホーコス1D31
牧野フライス製作所1A16
松浦機械製作所1A12
三井精機工業1D38
三井ハイテック1C17
村田機械1B08
安田工業1A34
ヤマザキマザック1A41
碌々産業1B26


ツーリングメーカー

出展社名(五十音順)小間番号
アルプスツール1A36
エヌティーツール2D10
MSTコーポレーション2C33
聖和精機2D09
大昭和精機2D08
戸田精機2D25
日研工作所2D18
ハイマージャパン2C30
ビーシーテック2D23
マンヨーツール2D20
ユキワ精工2D17


切削工具メーカー

海外製品の日本代理店やオリジナル切削工具を扱う商社も含まれており、全ての会社がメーカーではありませんが、こちらの記事では全てメーカーと表現しております。

出展社名(五十音順)小間番号
旭商工2A26
イスカルジャパン2A16
IZUSHI2C22
イワタツール2C08
宇都宮製作所1A14
栄工舎2D12
NTKカッティングツールズ2D02
エフ・ピー・ツール2C19
エムーゲ・フランケン2B06
オーエスジー2B28
岡﨑精工2D15
兼房2C11
Kamogawa2B01
京セラ2A35
グーリングジャパン2B09
グリーンツール2A13
Cominix2C24
コイズミツール2A34
サイトウ製作所2C14
さくさく2A02
ジーネット3B20
ジーベックテクノロジー2D03
住友電気工業2A17
曽根田工業2A21
ダイジェット工業2A23
大昭和精機2D08
大洋ツール2B05
田野井製作所2C10
タンガロイ2B26
中京2C13
ツールドインターナショナル2B20
テグテックジャパン2A19
東鋼2C31
日研工作所2D18
日進工具2B17
ノア2D19
ノガ・ウォーターズ2B18
ビーシーテック2D23
不二越2D01
富士精工2D16
フジBC技研2C04
松岡カッター製作所2A20
丸一切削工具2D21
三菱マテリアル2A36
MOLDINO2A24
彌満和製作所2C18
ユニオンツール2B16
ライノス2C17
菱高精機2B27


MECT2023主催者企画展示(コンセプトゾーン)

MECT2023では「驚きのスゴ技 加工のヒントがここに」をテーマとして、コンセプトゾーンにて中小企業がもつ高い加工技術が披露されました。

他社の加工技術に触れることができる機会は少ないため、コンセプトゾーンにて実加工や実物のワークを確認したり、担当者と会話できることは、学びにつながるいい企画であると感じました。

アクリルで実物大の昆虫を忠実に再現

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Jpキュービックと碌々スマートテクノロジーの協力によって実現した展示です。

工具を工夫し、5軸加工を劇的に時短

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アルファーテクノロジーと安田工業の協力、オーエスジーの工具提供によって実現した展示です。

MECT2023ものづくり交流会

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名称ものづくり交流会(略称:もの交)
開催日2023年10月20日(金)
開催時間17:30~19:00
会場ポートメッセなごや(名古屋市国際展示場)
コンベンションセンター 3F-A1
主催・サイトウ製作所
・町工場LT
・イワタツール
・大野精工
・NCネットワーク
・ものづくりオンラインサロン

MECT主催の企画ではなく、出展社とものづくり関係の団体が主催となり、ものづくり交流会が開催されました。
JIMTOF2022で第1回が開催され、今回は2回目の開催となります。

ものづくりに関してSNSを活用する企業・個人のパネルディスカッション、参加者による展示、交流が実施されました。
主催より、80名近い方の参加が報告されています。

MECT2021と新型コロナウイルス

coronavirus-1


前回のMECT2021は新型コロナウイルスの影響がある中での開催でした。
MECT2021公式サイトでは、下記のような形で「マスク着用の徹底」が推奨され、「入場時の検温」や「入場時の手指消毒」が実施されていました。

mect2021-guide


新型コロナウイルスの影響を受けていないMECT2019の来場者数合計は90,244人で、2021年は前回から来場者数が23.6%減った68,929人でした。

2021年1月1日(金)~10月23日(土)の全国と愛知県の新型コロナウイルスの感染者状況が下記のグラフです。
感染者数の増減について、全国と愛知県でほぼ同じ動きをしています。

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MECT2021開幕前日の2021年10月19日(火)の新型コロナウイルス感染者数は全国が372名、愛知県が15名でした。
2021年10月17日(日)~23日(土)1週間の全国の感染者数は、2021年で最も少なく(2021年10月25日時点で)、ベストなタイミングでの開催でした

MECT2023来場者数と会場レポートまとめ

  • MECT2019の来場者数合計は90,244人で、2023年は2019年と比較して来場者数が14.4%減った77,225人だった
  • 会期中の新型コロナウイルスの影響について、会場でマスクをしている人(出展者・来場者)は1割程度であり、コロナ前とほとんど変わらない環境で開催された
  • 来場者数の減少について、工作機械受注が9ヶ月連続前年を下回っていることから、不況の影響でコスト削減として展示会の参加が難しくなったなどもあるのではと予想
  • 来場者数と曜日について、例年通り金曜日が最も多いという結果だった。土曜日の来場者数は2021年と同じく減少傾向にあり、2019年と比較して47.8%減少
  • 2023年は1日目(水曜日)と2日目(木曜日)の来場者数が2019年と比較して多く、土曜日参加を避けて平日に参加する傾向が強くなっていると予測

編集長コメント

新第1展示館が利用されるMECTとしては初めての開催となりました。

最寄り駅である「金城ふ頭」から新第1展示館→コンベンションセンター→第2展示館および第3展示館に、雨に濡れることなく移動できるため、非常に便利になったと感じました。
(横風があると雨がかなり降りこんでくるので傘はあったほうがいいかもしれません)

ただし、新第1展示館と第2・第3展示館が離れているため(徒歩5分程度)、何度も行き来すると時間をロスしてしまったり、体力を削られてしまうため、事前の視察ルートの設定がさらに重要になったと感じました。

総展示面積が増えたこともあり、最も来場者数が多い金曜日に参加しましたが、会場内で窮屈さを感じることはありませんでした。

旧第1展示館はドーム型であったため、全ブースを見落とすことなく視察するのに不便な形状でしたが、新第1展示館になったことでかなり視察しやすくなったと感じます。

コンベンションセンターにフードコートがあり、今回はキッチンカーの出展も多かったため、ランチは非常に利用しやすかったです。

ものづくり交流会(略称:もの交)での交流を1つの目的として、金曜日に参加しました。
事前にイベント内容として「パネルディスカッション」と「参加者による展示」が案内されていましたが、企画としての準備不足感、交流に使える時間が少ないことが課題であると感じました。
私は参加されている方との交流に時間を使いたいと思って申し込み、事前に問い合わせをしてパネルディスカッション中も交流が可能とお聞きしていました。
しかし、パネルディスカッション中は会話が難しい雰囲気であり、交流に使えた時間は少なかったと感じました。
他の参加者の皆さんが何を目的に申し込みされていたかわかりませんが、参加した方にアンケートを実施して、次回に活かして欲しいと考えます。

X(旧Twitter)などの情報より、周辺の道路が渋滞する、駐車場を出るのに時間がかかる(最大4時間などの情報あり)など、車でのアクセスは注意が必要です。
また、最寄り駅である「金城ふ頭」に接続する「あおなみ線」も、増便はしてはいますが開場前の時間帯は非常に混んでいました。
いずれも主催側が解決するのが難しい問題ではありますが、満足度の高い展示会を実現するために、参加者としては改善を希望したいです。

会期中のXは非常に盛り上がり、参加者と出展者の交流、フォロワー同士の交流がたくさん報告されていました。

自動車産業が急速なEV化により100年に1度の変革期をむかえており、切削加工業界の企業は変化に対応するために行動を開始しています。
変化に対応するための1つの手段として、XなどSNSを通じて同業者がつながる機会も増えています。

企業だけでなく、切削加工業界に関連する展示会も変わなければならないタイミングが来ているのではと感じます。
最新の情報はWEBで簡単に入手することができ、最新の工作機械は各社のプライベートショーで確認できる中、「人との出会い」と「交流」が展示会だからこそ提供できる価値になるのではと考えます。

下記は主催者がMECT2021来場者に対して実施したアンケートの結果であり、来場者目的は「新製品情報・資料の収集」や「業界動向の調査」が上位となっています。

mect2021-visitor-purpose


今回のMECT2023では「出展者(Xの中の人)に会うため」「Xでつながった来場者同士で交流するため」といった目的で参加されている方を確認しています。
展示会が「人との出会いの場」や「交流の場」としても活用され始めており、主催者は来場目的のアンケート設問を見直し、展示会のあり方について再検討してほしいと考えます。

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執筆者情報

hattori


本記事はタクミセンパイの服部が執筆・編集しました。

私は工具メーカーでの営業とマーケティングの経験を活かし、切削工具と切削加工業界に特化した専門サイト「タクミセンパイ」を2020年から運営しています。
私(服部)の実績や経歴については「運営について」に記載しています。

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