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【2022年】JIMTOFとは【工作機械と切削工具の展示会を徹底解説】

ブログをご覧いただきましてありがとうございます。
「切削工具の情報サイト タクミセンパイ」を運営する、編集長の服部です。

本記事では「工作機械と切削工具の展示会 JIMTOF(ジムトフ)」について解説しています。
「JIMTOFの概要、近年の動向」について理解が深まる記事を目指して執筆しました。

【記事の信頼性】
本記事を書いた私は、2014年から切削加工業界に携わり、2020年から「切削工具の情報サイト タクミセンパイ」を運営しています。

工具メーカーで営業として500社以上の切削工具ユーザー(工作機械で切削加工されている方)に訪問し、技術支援をさせていただきました。
また、マーケティングとして展示会とイベントの企画・運営、カタログとWEBサイトの大型リニューアルプロジェクト、ブランディングプロジェクトを経験しました。

営業とマーケティングの経験をもとに、切削加工業界で働く皆さまに向けて本記事を執筆しています。

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JIMTOFとは

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JIMTOF(ジムトフ)は「JAPAN INTERNATIONAL MACHINE TOOL FAIR」の頭文字で、日本国際工作機械見本市とも呼ばれます。
1962年にスタートした国内最大で歴史のある展示会です。

新型コロナウイルスの影響で、前回(2020年)はオンラインのみでの開催となったため、4年ぶりのリアル開催となりました。

JIMTOF、IMTS米国のシカゴ国際製造技術展、シカゴショー)、EMO欧州国際工作機械見本市)を合わせて世界3大工作機械見本市といいます。
また、最近はCIMT(中国国際工作機械見本市)を合わせて世界4大工作機械見本市といわれるようになりました。

JIMTOFの歴史について詳しく知りたい方は「JIMTOFで振り返る切削加工業界の歴史」をご確認ください。

公式サイトにて、JIMTOFの特徴が3つ紹介されています。

  1. 世界で最も早く最先端の技術を見せる見本市
    多くの出展者がJIMTOFに合わせて新製品の開発を行うなど、最先端技術がいち早く発表される場として、世界各国・地域の業界関係者より高く評価されています。
  2. 質・量ともに世界レベル!幅広い来場者層
    景況に左右されることなく、近年のJIMTOFは継続的に10万人以上の来場者をお迎えしており、高く安定した集客力には定評があります。
  3. 充実した併催企画・高度な情報交換の場
    業界最先端の技術者会議から業界トップが経営戦略を語る講演会・セミナーなどJIMTOFは専門性の高い情報が飛び交う併催企画も充実しています。


一番のポイントは、開催規模が最も大きく、工作機械メーカーや切削工具メーカーがJIMTOFに合わせて新製品を発表・展示・実演することです。

JIMTOFについて、下記をまとめています。

  • 開催年と開催場所
  • 主催・趣旨・出展製品
  • 来場者数の推移
  • 来場者データ
  • JIMTOF2018
  • 幻のJIMTOF2020とJIMTOF2020 Online
  • JIMTOF2022と出展メーカー


開催年と開催場所

JIMTOFは、偶数年に東京ビックサイト(東京国際展示場)で開催されています。

実は第1回(1962年)は大阪で開催されており、第19回(1998年)までは2年ごとに大阪と東京で交互に開催されていました。
第20回(2000年)からは東京のみでの開催となりました。

JIMTOFが開催されない奇数年にMECTが開催されています。

主催・趣旨・出展製品

JIMTOFは「一般社団法人日本工作機械工業会」と「株式会社東京ビッグサイト」が主催です。

協賛は日本工作機械輸入協会、 (一社)日本鍛圧機械工業会、 日本精密機械工業会、 日本機械工具工業会、 (一社)日本工作機器工業会、 日本精密測定機器工業会、 研削砥石工業会、 ダイヤモンド工業協会、 日本光学測定機工業会、 (一社)日本フルードパワー工業会、 (一社)日本試験機工業会、 (一社)日本歯車工業会が参加しています。

開催趣旨は「工作機械及びその関連機器等の内外商取引の促進ならびに国際間の技術交流をはかり、もって産業の発展と貿易の振興に寄与することを目的とする。」となっています。

出展製品は下記となっています。

  • 工作機械
  • 鍛圧機械
  • 工作機器
  • 機械工具(切削工具・耐摩耗工具)
  • ダイヤモンド・CBN工具
  • 研削砥石
  • 歯車・歯車装置
  • 油圧・空気圧・水圧機器
  • 精密測定機器
  • 光学測定機器
  • 試験機器
  • 制御装置および関連ソフトウェア(CAD、CAM等)
  • その他工作機械に関連する環境対応機器装置・機器・資材・製品・技術および情報

来場者数の推移

JIMTOFは1962年から開催されています。

第17回(1994年)以前と第18回(1996年)以降で来場者の集計方法が変わっており、分割して来場者の推移のグラフを用意しました。

全来場者数と海外からの来場者数が確認できます。

来場者推移:~第17回(1994年)

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JIMTOFの第1回(1962年)から第17回(1994年)の来場者推移です。

グラフより、1980年から海外からの来場者数が増加していることがわかります

来場者推移:第18回(1996年)~

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第18回(1996年)から第29回(2018年)の来場者推移です。

来場者は増加傾向にあり、特に海外からの来場者数が2004年以降に伸びています

JIMTOFは海外からの来場者が多い展示会で、2018年は全体の約1割が海外からの来場者でした。
出展者としては、多言語でのブース設計や商談対応が必要な展示会です。

2008年のリーマンショック後は来場者数が一時的に減少しており、東日本大震災(2011年)の影響はほとんどなかったことが確認できます。

来場者データ

JIMTOF2018の来場者データから、JIMTOFの特徴を説明いたします。

JIMTOF2018の来場目的(国内)

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JIMTOF2018 の来場者(国内)に対して、来場目的を複数回答してもらった結果が上記グラフです。

業界動向と新製品情報の獲得を目的に参加されている方が圧倒的に多いことがわかります。

JIMTOF2018来場者の関心のある品目(国内)

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JIMTOF2018 の来場者(国内)に対して、関心のある品目を複数回答してもらった結果が上記グラフです。

工作機械が圧倒的に多く、次いで工作機器、機械工具(切削工具など)、精密測定機器が多いことがわかります。
関心のある品目からも、切削加工業界の方が多く参加していることがわかります。

JIMTOF2018来場者の業種別カテゴリー(国内)

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JIMTOF2018 の来場者(国内)に対して、業種を回答してもらった結果が上記グラフです。

製造業に従事されている方が75%と圧倒的に多く、次いで関連する商社・代理店が15%となっています。

JIMTOF2018来場者の職種(国内)

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JIMTOF2018 の来場者(国内)に対して、職種を回答してもらった結果が上記グラフです。

生産・製造、技術・設計の2つの職種で約50%を占めており、技術系の職種の方が業界動向と新製品情報を求めて参加していることがわかります。

JIMTOF2018

JIMTOF2018について

jimtof2018


JIMTOF2018の開催概要は下記です。


名称
JIMTOF2018
JAPAN INTERNATIONAL MACHINE TOOL FAIR
(第29回日本国際工作機械見本市)
会期2018年11月1日(木)~6日(火)
9:00~17:00
会場東京ビッグサイト(東京国際展示場)全館
出展規模1,085社・団体
5,524小間
来場者数153,103人



JIMTOF2018の入場ゲートの様子。会場直後は混雑します。

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公式サイトより



JIMTOF2018のブースの様子。お昼ごろに来場者数がピークになることが多いです。

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公式サイトより



JIMTOF2018のセミナー会場の様子。事前予約が必要で、早くに満席になることがあります。

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公式サイトより


JIMTOF2018の来場者データ

JIMTOF2018の来場者数は下記です。

天候国内海外合計
11/1
(木)
晴れ21,8414,78726,628
11/2
(金)
晴れ36,0203,28939,309
11/3
(土)
晴れ35,8242,02837,852
11/4
(日)
曇り
13,4051,18514,590
11/5
(月)
曇り18,7191,12919,848
11/6
(火)
14,36051614,876

例年、金曜日と土曜日の来場者数が多い傾向にあります。
今年(2022年)は火曜日スタートであることと、新型コロナウイルスの影響もあるため、過去実績とは異なる来場者の分布になることが予想されます。

JIMTOF2018は世界63ヵ国・地域からの来場があり、海外来場者数が過去最多となりました。

幻のJIMTOF2020とJIMTOF2020 Online

幻のJIMTOF2020

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2020年は本来、下記の内容でJIMTOF2020が開催される予定でした。

名称JIMTOF2020
JAPAN INTERNATIONAL MACHINE TOOL FAIR
(第30回日本国際工作機械見本市)
会期2020年12月7日(月)〜12日(土)
会場東京ビッグサイト(東京国際展示場)

しかし、新型コロナウイルスの影響で中止となりました。

JIMTOF2020 Online

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JIMTOF2020中止発表の後、メーカーとユーザーからの要望があり、下記の内容でJIMTOF2020 Onlineが開催されました。

名称JIMTOF2020 Online
会期2020年11月16日(月)〜27日(金)
2020年11月27日(金)~12月11日(金)が
アーカイブ期間

出展者数と来場者数の結果は下記です。

国内海外合計
出展者
(社・団体)
37024394
来場者
(人)
49,0593,10952,168

JIMTOF2018の来場者数の合計は153,103人であるため、オンラインでの参加者数52,168人はリアル開催比較で約35%程度になっています。


JIMTOF2022

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2018年から4年ぶりのリアル開催です。

キャッチコピーは「開かれる扉(ミライ)、世界を動かす技術の出会い」。
4年ぶりの開催となるJIMTOFで多くの素晴らしい出会いが生まれ、産業の躍進に繋がっていってほしいという思いが込められています。

名称JIMTOF2022
JAPAN INTERNATIONAL MACHINE TOOL FAIR
(第31回日本国際工作機械見本市)
会期2022年11月8日(火)〜13日(日)
開催
時間
9:00~17:00(最終日は16:00まで)
会場東京ビッグサイト(東京国際展示場)
全館

公式サイトの情報から、新型コロナウイルスの感染予防策として小間数削減などはなく、過去最大規模での開催が予定されています。

出展メーカー

JIMTOF2022に出展する工作機械メーカー(切削)、ツーリングメーカー、切削工具メーカーをまとめました。

工作機械メーカー(切削)

出展社名(五十音順)小間番号
アマダE1022
岩間工業所E1030
エグロE3022
オーエム製作所E5007
大鳥機工E6021
オークマE6037
唐津プレシジョンE2020
キタムラ機械E4023
北村製作所E1074
キラ・コーポレーションE1040
紀和マシナリーE5022
サワイリエンジニアリングE5016
ジェイテクトE3011
シチズンマシナリーE5024
静岡鐵工所E3031
芝浦機械E3027
嶋田鉄工所E3014
新日本工機E4030
スギノマシンE1069
スター精密E6016
西部電機E2022
西部ハイテックE4002
ソディックE4021
大日金属工業E3021
タカハシキカイE1010
高松機械工業E5025
TAKISAWAE2015
ツガミE6012
東洋精機工業E4009
DMG森精機E8017
中村留精密工業株E2026
ニイガタマシンテクノE5009
西島E3035
ニデックオーケーケーE2034
日本電産マシンツールE2033
野村DSE2027
長谷川機械製作所E1033
ファースト技研E6009
ファナックE4019
ブラザー工業E6034
豊和工業E4022
ホーコスE4028
牧野フライス製作所E2014
松浦機械製作所E3013
三井精機工業E3026
村田機械株E3030
安田工業E5023
山崎技研E5026
ヤマザキマザックE5001
碌々産業E2005


ツーリングメーカー

出展社名(五十音順)小間番号
アルプスツールW2013
エヌティーツールW2049
MST コーポレーションW2038
カトウ工機W2024
聖和精機W2056
大昭和精機W2047
戸田精機WA006
日研工作所W2032
ビーシーテックW2042
マンヨーツールW1029
ユキワ精工W2045


切削工具メーカー

海外製品の日本代理店やオリジナル切削工具を扱う商社も含まれており、全ての会社がメーカーではありませんが、こちらの記事では全てメーカーと表現しております。

出展社名(五十音順)小間番号
アサヒ工具製作所W1040
イスカルジャパンW1021
IZUSHIWA030
イワタツールW1027
栄工舎W1003
エフ・ピー・ツールW1039
エムーゲ・フランケンW1064
オーエスジーW1020
岡崎精工W1047
兼房W2024
川野辺製作所W1074
京セラW1014
協和精工W1028
グーリングジャパンW1026
グリーンツールW1061
ケナメタルジャパンW1024
サイトウ製作所W1056
CJVインターナショナルW3032
ジーベックテクノロジーWA003
新三協工具W1063
住友電気工業W1031
曽根田工業W3027
ダイジェット工業W1038
大昭和精機W2047
大洋ツールW1019
田倉工具製作WA014
辰野目立加工所W1011
田野井製作所W1049
タンガロイW1050
中京W1012
ツールドインターナショナルW1077
テグテックジャパンW1022
東鋼W1067
TOWAWA027
日研工作所W2032
日進工具W1053
日本特殊陶業W1001
ノアW1071
ノガ・ウォーターズW1013
パルWA024
ビーシーテックW2042
ビック・ツールW3053
富士元工業W3052
不二越W1052
富士精工W1030
フジBC技研W1063
松岡カッター製作所W1008
マパールE6035
丸一切削工具WA018
三井刻印WA020
三菱マテリアルW1037
MOLDINOW1070
彌満和製作所W1018
ユニオンツールW1015
ライノスW1060
菱高精機W1023

JIMTOF2022のユーザー注目度ランキング

タクミセンパイでは、切削加工ユーザーにアンケートを実施し、JIMTOF2022で注目している切削工具メーカーのランキング作成しました。

アンケート対象の25社について、「JIMTOF2022でブースに訪問予定の切削工具メーカーを教えてください。」という質問で、切削工具メーカーの注目度をアンケートで調査しました。

アンケートに回答いただいたのはJIMTOF2022に参加予定の方です。

集計期間2022年6月8日~2022年11月6日
回答数43名(回答者は全て切削加工ユーザー)


下のグラフがJIMTOF2022においてユーザーが注目する切削工具メーカーのランキングです。

attention-ranking-jimtof2022



切削工具メーカー25社について、JIMTOF2022注目度の上位10社は下記となりました。

  • オーエスジー株式会社(72%)
  • 京セラ株式会社(63%)
  • 三菱マテリアル株式会社(60%)
  • 株式会社不二越(58%)
  • サンドビック株式会社(53%)
  • 株式会社ジーベックテクノロジー(51%)
  • 住友電工ハードメタル株式会社(51%)
  • 株式会社タンガロイ(51%)
  • 日進工具株式会社(47%)
  • 株式会社日研工作所(44%)

*住友電工ハードメタル株式会社は住友電気工業株式会社で出展されています
*JIMTOF2022にサンドビック株式会社は出展されませんでした

JIMTOFまとめ

  • 新型コロナウイルスの影響で、2020年のJIMTOFがオンラインのみでの開催となったため、4年ぶりのリアル工作機械見本市となる
  • 来場者数は増加傾向にあり、特に海外からの来場者数が2004年以降に伸びている
  • JIMTOFに参加される方の目的は、業界動向と新製品情報の獲得が圧倒的に多い
  • JIMTOF参加者の関心のある品目は、工作機械が圧倒的に多く、次いで工作機器、機械工具(切削工具など)、精密測定機器が多い
  • JIMTOF参加者のうち75%が製造業に従事されている方で、生産・製造、技術・設計の2つの職種で約50%を占めている

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