
ブログをご覧いただきましてありがとうございます。
「切削工具の情報サイト タクミセンパイ」を運営する、編集長の服部です。
本記事では「withコロナ時代に開催された工作機械と切削工具の展示会 MECT2021」について解説しています。
「2021年10月20日(水)~23日(土)にポートメッセなごやで開催されたMECT2021に参加し、withコロナ時代のリアル展示会」について理解が深まる記事を目指して執筆しました。
開催時の新型コロナウィルスの状況と来場者数もまとめています。
*本来は「メカトロテックジャパン」が正しい表記ですが、本記事では公式でも採用されている略語「MECT」を使用しております。
【記事の信頼性】
本記事を書いた私は、2014年から切削加工業界に携わり、2020年から「切削工具の情報サイト タクミセンパイ」を運営しています。
工具メーカーで営業として500社以上の切削加工ユーザーに訪問し、技術支援をさせていただきました。
また、マーケティングとして展示会とイベントの企画・運営、カタログとWEBサイトの大型リニューアルプロジェクト、ブランディングプロジェクトを経験しました。
営業とマーケティングの経験をもとに、切削加工業界で働く皆さまに向けて本記事を執筆しています。


MECT2021までの展示会参加状況
私が新型コロナウイルス発生前の2019年に参加した展示会は下記の3つです。
・インターモールド2019(2019年4月17~20日 / 東京ビックサイト 青海展示棟)
・MECT2019(2019年10月23~26日 / ポートメッセ名古屋)
・国際ロボット展2019(2019年12月18~21日 / 東京ビックサイト)
国際ロボット展2019から16か月、新型コロナウイルス発生後初めての展示会としてインターモールド2021(4月)に参加して現場で感じたことを書いています。
インターモールド2021から6ヶ月、新型コロナウイルス発生以降のリアル展示会として、最大規模で開催されるMECT2021に参加し、現場で感じたことを書きました。
2020年と2021年のイベントに対する影響

2020年
2020年の切削加工業界のイベントと新型コロナウイルス関連ニュースについてまとめてみました。(2020年当時の状況は、「切削加工業界2020年振り返り」に詳しく記載しています。)
1月15日:国内初の新型コロナウイルス感染者確認
2月28日:イベント自粛要請
4月7日:7都府県に緊急事態宣言発令
4月15日~18日:インターモールド2020中止
4月16日:全国に緊急事態宣言発令(1回目)
5月25日:全国の緊急事態宣言解除(1回目)
7月15日~18日:インターモールド名古屋中止
10月5日~16日:インターモールドオンライン開催
11月16日~27日:JIMTOF Online開催
12月7日~12日:JIMTOF2020中止
新型コロナウイルスの影響で、インターモールド2020・名古屋、JIMTOF2020が中止となりました。
2021年
2021年のMECT2021開催までの切削加工業界のイベントと新型コロナウイルス関連ニュースについてまとめてみました。
1月8日:緊急事態宣言発令(2回目)
3月21日:全国の緊急事態宣言解除(2回目)
4月14日~17日:インターモールド2021開催
4月25日:緊急事態宣言発令(3回目)
6月20日:全国の緊急事態宣言解除(3回目)
7月12日:緊急事態宣言発令(4回目)
9月30日:全国の緊急事態宣言解除(4回目)
3度の緊急事態宣言の合間で、インターモールド2021が開催されました。
MECT2021開催時のコロナ
MECT2021は2021年10月20日(水)~23日(土)にポートメッセなごや(愛知県)で開催されています。
2021年1月1日(金)~10月23日(土)の全国と愛知県の新型コロナウイルスの感染者状況をグラフにしました。
感染者数の増減について、全国と愛知県でほぼ同じ動きをしています。

MECT2021開幕前日の10月19日(火)の新型コロナウイルス感染者数は全国が372名、愛知県が15名でした。
10月17日(日)~23日(土)1週間の全国の感染者数は、2021年で最も少なく(2021年10月25日時点で)、ベストなタイミングでの開催でした。
4回目の緊急事態宣言(2021年7月12日~9月30日)と、ワクチンの接種が進んだことなどが、感染者数の減少につながったと考えられます。(感染者減少の正確な理由は特定できていないようですが)
感染者数が全国的に減少していたため、これまで展示会の視察を控えていた方も、遠方から多く参加されたのではないでしょうか。
MECT2021の来場者データ
10月20日(水)~23日(土)に開催された、MECT2021の来場者数は下記です。
MECT2021来場者数 (MECT2019来場者数) | |
10月20日 (水) | 14,255人 (16,250人) |
10月21日 (木) | 15,897人 (19,948人) |
10月22日 (金) | 23,675人 (26,653人) |
10月23日 (土) | 15,102人 (27,393人) |
合計 | 68,929人 (90,244人) |
新型コロナウイルスの影響を受けていないMECT2019の来場者数合計は90,244人で、2021年は前回から来場者数が23.6%減った68,929人でした。
4月に東京で開催されたインターモールド2021が、2019年と比較して来場者数が74%減った結果と比べると、通常通りに戻ってきているように感じます。
また、MECT2019実績で海外の来場者は1,000名程度であるため、来場者の減少に海外はほとんど影響していないと考えられます。
例年通り、金曜日が最も来場者数が多いという結果でした。
土曜日の来場者数は他の曜日と比較して例年以上に少なく、前回から44.9%減少しています。
これまで土曜日はプライベートでの参加や、家族連れの参加が多い傾向にあったため、これらの層の参加が減少したのではと予測します。
新型コロナウイルスの感染予防策のために小間数が例年より1割少なく、かつ来場者数が前回から23.6%減ってることから、密を避けて最大規模で開催できたと考えられます。
MECT2021の現場の様子
主催の取り組み
新型コロナウイルスの感染防止策が、MECT2021の公式サイトに掲載されていました。

会場入口には複数人の体温を一斉に測定できる検温システムが設置され、警備員が来場者の体温に異常がないかモニターで確認する方法が採用されていました。
そのおかげで、1人ずつ検温する方法と比べてスムーズに入場することができました。
また、今回は事前来場登録推奨だったため、配られるホルダーに持参した入場証を差し込めば入場できるようになっており、比較的スムーズに人が流れているという印象でした。
会場に4時間ほどいましたが、出展者も来場者もマスクの装着を徹底しており、安心できる空間でした。
新型コロナウイルスの感染予防策としてスペースや通路を確保するため、小間数を例年より1割削減されていることもあり、安心して参加できる環境でした。
出展企業の取り組み
出展企業のブースについて、比較的ブース内の通路にゆとりがあり、人との接触を気にせず商談できるように工夫されていると感じました。
MECT2019では出展者やコンパニオンがブース前で声かけをして、カタログや手提げ袋、ノベルティなどを配布していましたが、ほとんど実施されていませんでした。
大型のバックはカタログや配布物を入れるのに便利で毎回重宝していましたが、エコの関連からも今後縮小していくかもしれません。
出展企業のブース前での声かけがほとんどなかったため、何をしている会社なのか、ブースの装飾や展示物から判断しなければならず、ブースのメッセージがこれまで以上に重要だなと感じました。
会場について
MECT2021の会場であるポートメッセなごやは、館内に元々座れるスペースが少ないのですが、新型コロナウイルスでソーシャルディスタンスを確保すると座れる人数が半分以下になるため、休憩しにくいと感じました。
ポートメッセなごやは現在改修が進んでおり、新第1展示館とコンベンション施設が2022年に完成予定です。
次回のMECT2023では新第1展示館とコンベンション施設が利用できる想定ですので、館内休憩エリアが増えるといいなと思っています。
編集長コメント
今回、リアルで参加しましたが、ウィズコロナ時代においてもリアル展示会は対策さえすれば問題なく開催できると感じました。
声を発するフェスや飲食のイベントと異なり、マスクをした状態で最低限の声量で商談は可能で、基本1対1なので安全だと思いました。
出展社としては、ブースに大きな文字で何をしている会社かわかるメッセージを書いたり、短い動画を音声付きで流すなど、声かけしなくてもブースに人が入ってくる仕組みが重要であるとわかってきました。
MECT2021まとめ
- MECT2021が開催された10月20日(水)~23日(土)の新型コロナウイルスの感染者状況は、2021年で最も感染者数が少ない週で、ベストなタイミングでの開催となった
- 全国的にも感染者数が少なかったため、出張して参加した方も多かったと考えられる
- MECT2019では出展者やコンパニオンがブース前で声かけをして、カタログや手提げ袋、ノベルティなどを配布していたが、今回はほとんど実施されていなかった
- 出展者の呼び込みがなかったため、何をしている会社なのか、ブースの装飾や展示物から判断しなければならず、ブースのメッセージが今まで以上に重要であると感じた
- MECT2019の来場者数の合計は90,244人で、2021年は2019年と比較して23.6%減った68,929人だった
- 土曜日の来場者数は他の曜日と比較して例年以上に少なく、前回から44.9%減少。これまで土曜日はプライベートでの参加や、家族連れの参加が多い傾向にあったため、これらの層の参加が減少したのではと予測
- 新型コロナウイルスの感染予防策のために小間数が例年より1割少なく、かつ来場者数が前回から24%減ってることから、密を避けて最大規模で開催できたと考えた
- マスクをした状態で最低限の音量で商談は可能なので、ウィズコロナ時代においてもリアル展示会は対策すれば実現可能と感じた
関連記事
メールマガジンのご案内

タクミセンパイでは、月に1回メールマガジンを配信しております。
お届けする内容としては下記になります。
・切削工具・切削加工業界の新着オリジナル記事
・切削工具・切削加工業界のオススメ記事
・イベント情報
・会員優先のキャンペーン情報
ご興味のある方は、「メールマガジンのご案内」ページをご確認ください。
会員登録は無料で、いつでも退会可能です。