切削工具と切削加工業界の情報を発信するポータルサイト「タクミセンパイ」をご覧いただきありがとうございます。
当サイトを運営する編集長の服部です。
本記事では「専門誌:機械技術」についてレビューしています。
【記事の信頼性】
本記事を書いた私(服部)は2014年から切削加工業界に携わり、2020年から「タクミセンパイ」を運営しています。
工具メーカーで営業として500社以上の切削工具ユーザー(工作機械で切削加工されている方)に訪問し、技術支援をさせていただきました。
また、マーケティングとして展示会とイベントの企画・運営、カタログとWEBサイトの大型リニューアルプロジェクト、ブランディングプロジェクトを経験しました。
営業とマーケティングの経験をもとに、切削加工業界で働く皆さまに向けて本記事を執筆しています。
専門誌レビュー
切削工具ユーザー(工作機械で切削加工されている方)・機械工具販売店・メーカーの皆さまが求める情報に対して、最適な専門誌を紹介することができればと思っております。
対象は「機械技術」「機械と工具」「ツールエンジニア」「生産財マーケティング」の4誌です。
こちらの記事では、最も歴史の長い「機械技術」についてレビューしています。
媒体概要
出版 | 日刊工業新聞社 |
テーマ | 不明 |
創刊 | 1953年 |
発行日 | 毎月25日 |
発行部 | 35,000部 |
判型 | B5判 |
価格 | 1,683円(税込) 1年間購読18,480円(税込)1,716円お得 |
WEB | 専用ページ |
*情報は2021年1月時点のもの
「機械技術」は工作機械や工具、測定機器などの動向および最新加工技術を、現場実務的視点から解説した専門誌です。
切削加工の専門誌の中で最も歴史が長い媒体です。
生産現場に密着した生産・加工技術、システム技術、生産現場で必要な技術的知識・ノウハウなどのテーマが特集として取り上げられています。
読者の業種と職種
公開されている「機械技術」の読者の業種と職種は下記になります。
業種
業種 | 読者割合 |
金属加工 | 35.6% |
自動車・輸送車両 | 10.6% |
精密機械 | 9.7% |
専用工作機械 | 5.5% |
汎用工作機械 | 3.5% |
エンジニアリング・コンサルティング | 2.8% |
金型材料・標準部品 | 2.8% |
切削工具・砥石 | 2.8% |
プレス金型 | 2.5% |
情報通信機器・OA機器 | 2.3% |
産業機械 | 2.3% |
プレス機械 | 2.3% |
プラスチック金型 | 2% |
商社 | 2% |
周辺機器 | 2% |
家電製品 | 1.5% |
建設機械 | 1.5% |
鉄鋼・非鉄金属 | 1.5% |
その他 | 6.8% |
職種
職種 | 読者割合 |
研究・開発 | 8.5% |
システム開発・設計 | 2% |
機器設計 | 5.5% |
金型設計 | 3% |
生産技術 | 50.9% |
生産管理 | 5.5% |
企画・調査 | 2.3% |
営業・営業技術 | 7% |
経営・財務 | 5.5% |
上記より、「機械技術」のメイン読者は金属加工の生産技術部門であることが分かります。
特集内容
2019年と2020年の特集を下記に記載しました。
2019年特集
1月号:革新を続けるモノづくりとデジタル支援技術-CAD/CAM/シミュレーション/ソフトウェア技術
2月号:JIMTOD2018にみる最新鋭工作機械と加工技術
3月号:JIMTOF2018にみる切削工具と周辺機器
4月号:旋削加工の基本技術と高精度加工技術
5月号:自動車部品加工と工作機械活用技術
6月号:ダイヤモンド工具・cBN工具による高精密・高精細加工技術
7月号:進展するレーザ加工技術 -穴あけ・切断・微細形状・表面処理加工の動向-
8月号:高精密・微細加工に求められる工作機械・CNC制御・周辺技術
9月号:高精度・高能率穴あけ加工技術―工具・機械の最適活用ポイント
10月号:高精度・高品位化要求に応える精密研削技術
11月号:金属3Dプリンタが拓くモノづくり―付加製造の先進技術
12月号:2019年版 世界の先端をゆく工作機械の活用技術
2020年特集
1月号:IoT・AI時代の機械加工の動向 CNC制御・モニタリング技術を活用したモノづくり
2月号:高難度加工と切削工具活用ガイド 加工データシートで見る最適工具の活用術
3月号:高難度切削加工に追随する最新ツーリング技術
4月号:高付加価値を生む精密研磨の最新技術動向
5月号:成功事例に学ぶ ロボットを活用した金属加工現場の高度化技術
6月号:進化する小型マシニングセンタの技術動向
7月号:金型づくり最新技術
8月号:切削加工の精度を最適化する計測・測定技術
9月号:製品の高機能化に応える歯車の最新加工技術
10月号:新素材・難削材加工の最新技術動向
11月号:加工品質向上を実現するCAM活用術
12月号:切削加工の基本技術と高度化のポイント
特集は加工技術・製品技術が中心です。
切削加工の特集が多い印象です。
世界の主要な国際機械見本市の開催に合わせて、取材レポートが掲載されています。
JIMTOF開催の年には、日本工作機械見本市ガイドブックを発行しています。
ページ・タイトル分析
3冊分(2020年10月・11月、2021年1月号)の内容を確認したところ、下記のようなデータとなりました。
*2020年12月号はJIMTOF仕様で変則的な構成だったため除外
総ページ数(平均) | 122.7ページ |
広告を除くページ数(平均) | 99.7ページ |
広告を除くページの単価(平均) | 16.9円 |
広告のないページ割合(平均) | 81% |
タイトル数(平均) | 30.7タイトル |
*総ページ数は表裏表紙を除く
*ページの単価は1冊購入時の金額から算出
*タイトル数は目次からカウント
広告の割合が2割以下で、タイトル数が多く、読み応えのある構成になっています。
タイトルのカテゴリ分類
タイトルを製品技術、加工技術、メーカーインタビュー、ユーザーインタビュー、マーケティング、統計データ、新製品情報、ニュース、海外動向、その他の10カテゴリに分類し、3冊分(2020年10月・11月、2021年1月号)のタイトル数の平均が下記のグラフになります。
製品技術、加工技術が半分を超える、技術に力を入れた専門誌であることが分かります。
情報タイプの2軸マトリクス
技術情報×営業・マーケティング情報の2軸マトリクスに「機械技術」を配置してみました。
製品技術、加工技術、メーカーインタビューの3カテゴリを技術情報、ユーザーインタビュー、マーケティング、統計データの3カテゴリを営業・マーケティング情報としています。
技術情報が多いですが、営業・マーケティング情報の掲載もそれなりにあり、非常にバランスの取れた専門誌であることが分かります。
編集長コメント
「機械技術」のレビュー結果をまとめてみました。
読みごたえ | ★★★★★ |
見やすさ | ★★★☆☆ |
コストパフォーマンス | ★★★☆☆ |
技術情報 | ★★★★★ |
営業 マーケティング情報 | ★★★☆☆ |
総合 | ★★★★☆ |
*読みごたえは、広告を除くページ数とタイトルのカテゴリ分類で評価
*見やすさは、カラーページの割合とページ構成で評価
*コストパフォーマンスは、広告を除くページ単価で評価
*技術情報は、情報タイプの2軸マトリクスで評価
*営業・マーケティングは、情報タイプの2軸マトリクスで評価
読みごたえ、技術情報が満点、それ以外も平均点以上で総合点が★4となりました。
まとめ
- 技術情報をメインとしながら、営業・マーケティング情報も掲載され、かつ広告の割合が2割以下と低くてタイトル数が多いため、優秀な専門誌
- 4種類の専門誌で最も表紙が厚く、コーティングされているため、油で汚れた手で触っても耐久性が髙そうで、利用・保管においてポイント高い
- 広告を除くと全て白黒ページなので、カラーページを増やしてほしい
- 専門誌としてのテーマが設定・発信されると、最適な購買層に情報が届いていいのでは
関連記事
メールマガジンのご案内
タクミセンパイでは月に1回メールマガジンを配信しております。
お届けする内容としては下記になります。
・切削工具・切削加工業界の新着オリジナル記事
・切削工具・切削加工業界のオススメ記事
・イベント情報
・会員優先のキャンペーン・イベント情報
ご興味のある方は「メールマガジンのご案内」ページをご確認ください。
会員登録は無料でいつでも退会可能です。