
切削加工業界の情報収集に役立つ媒体を探していませんか。
この記事を書いた私は工具メーカーでの営業・マーケティングの経験を活かし、切削工具と切削加工業界に特化した専門サイト「タクミセンパイ」を2020年から運営しています。
中立的な立場として切削加工業界の専門誌をレビューしました。
本記事では「媒体概要」「読者の業種と職種」「ページ・タイトル分析」などについてまとめています。
この記事を読むことで、切削加工業界の情報を発信する専門誌「機械技術」が業務に役に立つかどうかの参考になります。
レビューの結果、「機械技術」は読みごたえがあり、技術情報が満点で、技術情報以外も平均点以上であると評価しました。


切削加工業界の専門誌「機械技術」レビュー

切削工具ユーザー(工作機械で切削加工されている方)・機械工具販売店・メーカーの皆さまが求める情報に対して、最適な専門誌を紹介することができればと思い本記事を執筆しました。
対象は「機械技術」「機械と工具」「ツールエンジニア」「生産財マーケティング」の4誌です。
こちらの記事では、最も歴史の長い「機械技術」についてレビューしています。
機械技術の媒体概要
出版 | 日刊工業新聞社 |
テーマ | 不明 |
創刊 | 1953年 |
発行日 | 毎月25日 *2025年5月号を最後に季刊に変更 |
発行部 | 35,000部 |
判型 | B5判 |
価格 | 1,683円(税込) 1年間購読18,480円(税込)1,716円お得 |
WEB | 専用ページ |
*情報は2021年1月時点のもの
「機械技術」は工作機械や工具、測定機器などの動向および最新加工技術を、現場実務的視点から解説した専門誌です。
切削加工の専門誌の中で最も歴史が長い媒体です。
生産現場に密着した生産・加工技術、システム技術、生産現場で必要な技術的知識・ノウハウなどのテーマが特集として取り上げられています。
機械技術 読者の業種と職種
公開されている「機械技術」の読者の業種と職種は下記になります。
業種
業種 | 読者割合 |
金属加工 | 35.6% |
自動車・輸送車両 | 10.6% |
精密機械 | 9.7% |
専用工作機械 | 5.5% |
汎用工作機械 | 3.5% |
エンジニアリング・コンサルティング | 2.8% |
金型材料・標準部品 | 2.8% |
切削工具・砥石 | 2.8% |
プレス金型 | 2.5% |
情報通信機器・OA機器 | 2.3% |
産業機械 | 2.3% |
プレス機械 | 2.3% |
プラスチック金型 | 2% |
商社 | 2% |
周辺機器 | 2% |
家電製品 | 1.5% |
建設機械 | 1.5% |
鉄鋼・非鉄金属 | 1.5% |
その他 | 6.8% |
職種
職種 | 読者割合 |
研究・開発 | 8.5% |
システム開発・設計 | 2% |
機器設計 | 5.5% |
金型設計 | 3% |
生産技術 | 50.9% |
生産管理 | 5.5% |
企画・調査 | 2.3% |
営業・営業技術 | 7% |
経営・財務 | 5.5% |
上記より、「機械技術」のメイン読者は金属加工の生産技術部門であることが分かります。
機械技術の特集内容
「機械技術」の2019年と2020年の特集を下記にまとめました。
2019年特集
1月号:革新を続けるモノづくりとデジタル支援技術-CAD/CAM/シミュレーション/ソフトウェア技術
2月号:JIMTOD2018にみる最新鋭工作機械と加工技術
3月号:JIMTOF2018にみる切削工具と周辺機器
4月号:旋削加工の基本技術と高精度加工技術
5月号:自動車部品加工と工作機械活用技術
6月号:ダイヤモンド工具・cBN工具による高精密・高精細加工技術
7月号:進展するレーザ加工技術 -穴あけ・切断・微細形状・表面処理加工の動向-
8月号:高精密・微細加工に求められる工作機械・CNC制御・周辺技術
9月号:高精度・高能率穴あけ加工技術―工具・機械の最適活用ポイント
10月号:高精度・高品位化要求に応える精密研削技術
11月号:金属3Dプリンタが拓くモノづくり―付加製造の先進技術
12月号:2019年版 世界の先端をゆく工作機械の活用技術
2020年特集
1月号:IoT・AI時代の機械加工の動向 CNC制御・モニタリング技術を活用したモノづくり
2月号:高難度加工と切削工具活用ガイド 加工データシートで見る最適工具の活用術
3月号:高難度切削加工に追随する最新ツーリング技術
4月号:高付加価値を生む精密研磨の最新技術動向
5月号:成功事例に学ぶ ロボットを活用した金属加工現場の高度化技術
6月号:進化する小型マシニングセンタの技術動向
7月号:金型づくり最新技術
8月号:切削加工の精度を最適化する計測・測定技術
9月号:製品の高機能化に応える歯車の最新加工技術
10月号:新素材・難削材加工の最新技術動向
11月号:加工品質向上を実現するCAM活用術
12月号:切削加工の基本技術と高度化のポイント
「機械技術」の特集は加工技術・製品技術が中心です。
切削加工の特集が多い印象です。
世界の主要な国際機械見本市の開催に合わせて、取材レポートが掲載されています。
JIMTOF開催の年には、日本工作機械見本市ガイドブックを発行しています。
機械技術のページ・タイトル分析
「機械技術」3冊分(2020年10月・11月、2021年1月号)の内容を確認したところ、下記のようなデータとなりました。
*2020年12月号はJIMTOF仕様で変則的な構成だったため除外
総ページ数(平均) | 122.7ページ |
広告を除くページ数(平均) | 99.7ページ |
広告を除くページの単価(平均) | 16.9円 |
広告のないページ割合(平均) | 81% |
タイトル数(平均) | 30.7タイトル |
*総ページ数は表裏表紙を除く
*ページの単価は1冊購入時の金額から算出
*タイトル数は目次からカウント
「機械技術」は広告の割合が2割以下で、タイトル数が多く、読み応えのある構成になっています。
機械技術タイトルのカテゴリ分類
「機械技術」のタイトルを製品技術、加工技術、メーカーインタビュー、ユーザーインタビュー、マーケティング、統計データ、新製品情報、ニュース、海外動向、その他の10カテゴリに分類し、3冊分(2020年10月・11月、2021年1月号)のタイトル数の平均が下記のグラフになります。

「機械技術」は製品技術、加工技術が半分を超える、技術に力を入れた専門誌であることが分かります。
機械技術の情報タイプ2軸マトリクス
技術情報×営業・マーケティング情報の2軸マトリクスに「機械技術」を配置してみました。
製品技術、加工技術、メーカーインタビューの3カテゴリを技術情報、ユーザーインタビュー、マーケティング、統計データの3カテゴリを営業・マーケティング情報としています。

「機械技術」は技術情報が多いですが、営業・マーケティング情報の掲載もそれなりにあり、非常にバランスの取れた専門誌であることが分かります。
切削加工業界の専門誌「機械技術」レビュー結果
「機械技術」のレビュー結果をまとめました。
読みごたえ | ★★★★★ |
見やすさ | ★★★☆☆ |
コストパフォーマンス | ★★★☆☆ |
技術情報 | ★★★★★ |
営業 マーケティング情報 | ★★★☆☆ |
総合 | ★★★★☆ |
*読みごたえは、広告を除くページ数とタイトルのカテゴリ分類で評価
*見やすさは、カラーページの割合とページ構成で評価
*コストパフォーマンスは、広告を除くページ単価で評価
*技術情報は、情報タイプの2軸マトリクスで評価
*営業・マーケティングは、情報タイプの2軸マトリクスで評価
「機械技術」は読みごたえがあり、技術情報が満点で、技術情報以外も平均点以上で総合点が★4となりました。
切削加工業界の専門誌「機械技術」レビューまとめ
- 技術情報をメインとしながら、営業・マーケティング情報も掲載され、かつ広告の割合が2割以下と低くてタイトル数が多いため、優秀な専門誌
- 4種類の専門誌で最も表紙が厚く、コーティングされているため、油で汚れた手で触っても耐久性が髙そうで、利用・保管においてポイント高い
- 広告を除くと全て白黒ページなので、カラーページを増やしてほしい
- 専門誌としてのテーマが設定・発信されると、最適な購買層に情報が届いていいのでは
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執筆者情報

本記事はタクミセンパイの服部が執筆・編集しました。
私は工具メーカーでの営業とマーケティングの経験を活かし、切削工具と切削加工業界に特化した専門サイト「タクミセンパイ」を2020年から運営しています。
私(服部)の実績や経歴については「運営について」に記載しています。
タクミセンパイとして収集した最新情報をもとに、ここでしか読めない独自視点の記事や調査データを提供しています。
中立的な立場として発信する情報は、読者から「信頼できる」と高い評価を得ています。
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