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【53社】切削工具の再研磨会社を分析

切削工具と切削加工業界の情報を発信するポータルサイト「タクミセンパイ」をご覧いただきありがとうございます。
当サイトを運営する編集長の服部です。

本記事では「切削工具の再研磨会社 53社」について分析しています。
「切削工具の再研磨、再研磨とSDGs、会社の分布」について理解が深まる記事を目指して執筆しました。

【記事の信頼性】
本記事を書いた私(服部)は2014年から切削加工業界に携わり、2020年から「タクミセンパイ」を運営しています。

工具メーカーで営業として500社以上の切削工具ユーザー(工作機械で切削加工されている方)に訪問し、技術支援をさせていただきました。
また、マーケティングとして展示会とイベントの企画・運営、カタログとWEBサイトの大型リニューアルプロジェクト、ブランディングプロジェクトを経験しました。

営業とマーケティングの経験をもとに、切削加工業界で働く皆さまに向けて本記事を執筆しています。

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切削工具の再研磨会社を分析

使用して切れ味の悪くなった切削工具を研磨し、摩耗や刃こぼれを修復して、再び使用できるようにすることを再研磨といいます。

再研磨ができる切削工具としては、ドリル、リーマー、タップ、エンドミル、面取りカッターなどがあります。

刃長が短くなるため、再研磨できる回数には限界があります。

再研磨は、切削工具ユーザー(工作機械で切削加工されている方)が社内で実施(内製)する場合や、再研磨を業務としている会社や工具商社に委託する場合があります。
再研磨技術を保有する技術者の高齢化や減少により、外部に再研磨を委託する動きがあるようです。

切削工具の再研磨会社について、下記の項目で分析を実施しました。

  • 再研磨の市場規模
  • 再研磨とSDGs
  • 再研磨会社の分布
  • 再研磨会社の増加

再研磨の市場規模

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再研磨の市場規模がわかる公表データを見つけることができませんでした。

ただ、再研磨の市場規模に関係する内容が書かれた企業のニュース・プレスリリースを発見しましたので、紹介いたします。

株式会社不二越のニュースリリース内で、2003年度の新作品(超硬ラウンドツール、精密工具)市場が480億円、再研削市場が320億円と記載されています。
(参考:2005年4月 株式会社不二越 切削工具の再研削・再コーティング事業を強化

株式会社MonotaROが2009年に出したプレスリリース内で、超硬エンドミルの市場規模が新品で約370億円、再研磨・再コーティング市場の規模が約400~600億円と予測されています。
(参考:2009年5月 株式会社MonotaRO様 5月14日(木)、切削工具の「再研磨・再コーティングサービス」を開始

これらの情報から再研磨の市場規模は新品切削工具と同規模かそれ以上あることがあります。

再研磨とSDGs

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再研磨とSDGs(Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標))について考えてみました。

SDGsの目標12「つくる責任 つかう責任」は、再研磨と関連性が高い目標であると考えました。
目標12のターゲット12.5は、 「2030年までに、廃棄物の発生防止、削減、再生利用及び再利用により、廃棄物の発生を大幅に削減する。」となっています。

つまり、切削工具を再研磨して再利用することは、切削工具ユーザー(工作機械で切削加工されている方)にとってコストメリットがあるだけでなく、持続可能な社会の実現に貢献できるともいえます。

超硬工具の設計・製作、各種切削工具の再研磨をされている、株式会社石川工具研磨製作所は、WEBサイトでSDGsに関する取り組みを宣言されています。

再研磨会社の分布

タクミセンパイに掲載している再研磨会社 53社について、会社が所在する県に会社数を記載してみました。

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切削加工業限定の統計データはないのですが、金属加工業や金属製品加工業の生産額上位の県に、再研磨会社が多いことが分かりました。

再研磨会社の増加

タクミセンパイに掲載している再研磨会社 53社の、誕生した年(WEBサイトに公開されている創業・創立・設立で古い方)をグラフにしてみました。

縦軸が再研磨会社の数、横軸は再研磨会社が誕生した年です。

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1960年頃から会社数が増加し、2000年以降も増えていることに驚きました。

再研磨の動向がわかる統計データを見つけることができなかったのですが、会社数の増加から、1960年以降再研磨のニーズが増えていることがわかりました。

再研磨.comについて

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再研磨とWEBサイトで検索すると、上位に表示される「再研磨.COM」について、簡単にまとめてみました。

再研磨.comは、茨城県に本社をもつ株式会社宮本製作所が運営されています。

宮本製作所は焼結金属の切削加工ユーザーとして、自社の加工のために、切削工具の再研磨を開始されています。
実際に再研磨した切削工具を使い、製造現場からのフィードバックを元に改善・改良を重ねられています。

宮本製作所は、「再研磨サービスを単に再研磨を行うのではなく、切れ味の悪くなった切削工具を元の切削工具と同等もしくはそれ以上に“切れる”刃物に蘇らせること」をポリシーとして掲げられています。

再研磨.COMには、再研磨に関する用語集やよくある質問などのコンテンツが豊富で、オススメのサイトです。

まとめ

  • 再研磨市場は、新品の切削工具と同規模かそれ以上で推移してる(ただし公表データなし)
  • 再研磨はSDGsの目標12・ターゲット12.5との関連性が高く、切削工具ユーザーにとって再研磨はコストメリットがあるだけでなく、持続可能な社会の実現に貢献している
  • タクミセンパイに掲載している再研磨会社 53社を分析した結果、金属加工部品の生産額が大きい地域に本社を置いていることがわかった
  • タクミセンパイに掲載している再研磨会社 53社を分析した結果、1960年頃から会社数が増加していることがわかった

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