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タングステンの有効活用

切削工具と切削加工業界の情報を発信するポータルサイト「タクミセンパイ」をご覧いただきありがとうございます。
当サイトを運営する編集長の服部です。

本記事では、「切削工具材料のタングステン」について解説しています。

【記事の信頼性】
本記事を書いた私(服部)は2014年から切削加工業界に携わり、2020年から「タクミセンパイ」を運営しています。

工具メーカーで営業として500社以上の切削工具ユーザー(工作機械で切削加工されている方)に訪問し、技術支援をさせていただきました。
また、マーケティングとして展示会とイベントの企画・運営、カタログとWEBサイトの大型リニューアルプロジェクト、ブランディングプロジェクトを経験しました。

営業とマーケティングの経験をもとに、切削加工業界で働く皆さまに向けて本記事を執筆しています。

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レアメタルであるタングステンの現状

Metallfräser


超硬工具の約90%はレアメタルであるタングステンで構成されています。

タングステンは熱に強く、他の金属と混ぜる(合金化する)ことで硬度が高くなるなどの特徴から、世界の主要国で主に超硬工具の製造用途に利用されています。

資源としてのタングステンの現状について、埋蔵・鉱石生産・製錬工程が特定国(中国の割合が高い)に偏在し、日本は全量を輸入に依存していることから、供給リスクが高いという課題があります。

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「2050年カーボンニュートラル実現に向けた鉱物資源政策」より


そして、タングステンは代替可能性が低いことが課題となっています。

超硬工具の生産高は切削工具全体の約7割を占めているため、タングステンの有効活用は切削加工業界において重要なテーマであるといえます。

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タングステンを有効活用するために、直近のアクションとしては切削工具の再研磨による有効活用と国内リサイクル率の向上が必要であると考えます。

タングステンに関する国や企業の取り組み事例

国の取り組み

経済産業省 資源エネルギー庁のタングステンに対する取り組みとして、下記が実施されています。

  • オセアニアでの埋蔵探査
  • 備蓄対象鉱種への指定
  • 省資源化の技術開発支援
  • 廃棄される超硬工具のリサイクルコストを低減する技術開発


上記の中で、備蓄対象鉱種への指定、省資源化の技術開発支援が一定の効果を出したと報告されています。

今後は新たな埋蔵地の探査、リサイクルを促進・円滑化するための政策支援が検討されています。

日本企業の取り組み

切削工具の原材料から完成品までを手掛ける国内大手メーカーの住友電工グループは、超硬工具(チップやドリル・エンドミル等)のほぼ全量(国内販売量100%)を国内でリサイクルできる体制を完備し、リサイクルを推進しています。

住友電工グループの超硬工具のリサイクルに関する情報はこちらに掲載されています。


海外企業の取り組み

ドイツのBMWは、使用済みの切削工具(ドリルやフライス等)からタングステンを回収し、ドイツとオーストリアの工場で超硬工具用のセカンダリー・タングステンとして再利用を開始しています。

現地の再生可能エネルギーを100%活用し、スクラップから粉末状の再生タングステンを生産。
その後、タングステン粉末から超硬工具を製造し、同社工場で利用しています。

BMWの年間スクラップ排出量は9tで、平均タングステン含有率は80%以上。
この取り組みで、年間タングステン消費量を7t、エネルギー消費量を70%、二酸化炭素排出量を60%削減できると発表しています。

聴くSDGs media(音声メディアVoicy)に出演

株式会社Dropが手掛けるSDGs mediaの公式チャンネル「聴くSDGs media(音声メディアVoicy)」に出演し、タングステンの重要性についてお話させていただきました。

下記リンク先で無料で聴くことができます。

タクミセンパイに聞く「切削工具業界が抱えるレアメタル問題」

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