切削工具と切削加工業界の情報を発信するポータルサイト「タクミセンパイ」をご覧いただきありがとうございます。
当サイトを運営する編集長の服部です。
今回、有限会社ウンノ研磨工業所の代表取締役社長 渡辺礼子様にインタビューさせていただきました。
はじめに
有限会社ウンノ研磨工業所と渡辺礼子様について簡単に紹介させていただきます。
ウンノ研磨工業所は、東京都品川区南大井と茨城県那珂市に工場を構え、関東一円(東京・神奈川県・埼玉県・千葉県)を中心に、各種切削工具の再研磨と研削加工を事業展開されています。
会社の設立は1969年、2020年12月に渡辺礼子様が代表取締役社長に就任されています。
1. 再研磨事業を始めたキッカケ
タクミセンパイ服部(以下、服部):ウンノ研磨工業所が再研磨事業を始められたキッカケを教えてください。
有限会社ウンノ研磨工業所 渡辺礼子様(以下、渡辺様):約半世紀前(昭和40年頃)、父が職人として住み込みで勤務をしていた工具製作会社が突然の大きな火事により、業務が停止してしまいました。
難を逃れた父は、困っているお客様のために独立を決意。
1台の研磨械を購入して知人の工場の片隅を間借りし、1件のお客様を譲り受けて再研磨事業をスタートしました。
「出来ることは何でもする」「モノを大事にする」「笑顔を絶やさない」が父の信条です。
お客様の難儀な依頼も「何とかやってみます」と快く笑顔で引き受け、試行錯誤と努力を重ねて次第にお客様に認められました。
仕上がりに満足いただいたお客様の紹介などで仕事の依頼も増えていき、1969年の12月に会社を設立しました。
創業当時に購入した1台の研磨機は、現在も父の相棒として55年間以上活躍しています。
2. ウンノ研磨工業所の再研磨における強み
服部:ウンノ研磨工業所の再研磨における強みを教えてください。
渡辺様:多品種小ロットの再研磨を得意とし、早く安くご提供することを1つの強みとしています。
1本から再研磨を対応しており、メーカーでの対応だと間に合わない時など、急ぎの対応としてご依頼いただくこともあります。
早く対応することにおいて、東京の品川に拠点を持っていることが有利になることもあります。
難易度の高い研磨や、市販品にないサイズへのカスタマイズなど、ユーザーの悩みを解決することにも力を入れています。
早く安くご提供するサービス力と、ユーザーの悩みを解決する高い技術力が当社の強みであるといえます。
3.現在力を入れていること
服部:現在渡辺様が力を入れていることを教えてください。
渡辺様:女性の採用に力を入れています。
まだまだ再研磨業界には女性が少ないですが、積極的に職人希望の女性を採用しています。
現在1名の女性が現場で活躍してくれています。
4. 再研磨のニーズや市場の変化について
服部:再研磨において、ニーズや市場の変化はどのようなものがありますか。
渡辺様:自動車部品や金型向けの切削工具の再研磨は昔からありましたが、最近は樹脂向けの工具のご依頼が増えていると感じます。
また、お客様の品質に関する要求として、検査図やCADの提供を依頼されることが多くなってきました。
品質に関するお客様の要求については、サービス力向上のために今後力を入れていきたいと考えています。
5. 機械や砥石などの技術の進化について
服部:再研磨において、機械や砥石などの技術の進化について教えてください。
渡辺様:優秀ソフトが組み込まれた誰でも使える工具研削盤が増え、ユーザーが内製で再研磨できる環境が整ったと感じます。
砥石に関しては、乾式で利用するWA砥石が、ダイヤ・CBN・ポラゾン砥石などに移り変わっています。
WA砥石はドレッシングが必要ですが、ダイヤ砥石は持ちが良いので、職人には喜ばれています。
ただ、ダイヤ・CBN・ポラゾン砥石などはWA砥石より高額であるため、コストは上昇しています。
6. 再研磨とSDGsのキカッケ
服部:WEBサイトでSDGsについて触れていますが、SDGsについて考えるようになったキッカケを教えてください。
渡辺様:私が事業継承をしようと思った時、世の中で環境問題やSDGsが注目されていました。
世の中の動きに合わせていこうと思い、WEBサイトでもSDGs関して宣言を掲載しました。
具体的なSDGsに関する取り組みとしては、廃液油は流さず専用の缶に封じ廃棄する、鉄の端クズと鉄粉は専用業者にて処理する、超硬合金リサイクルを受け付けるなどを実施しています。
また、鉄クズの再利用を検討しています。
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