JIMTOF(日本国際工作機械見本市/ジムトフ)について、基本情報と最新情報、前回との比較データをまとめて知りたいと困っていませんか。
この記事を書いた私は工具メーカーでの営業・マーケティングの経験を活かし、切削工具と切削加工業界に特化した専門サイト「タクミセンパイ」を2020年から運営しています。
2014年からJIMTOFに3回参加した経験をもとに本記事を執筆しました。
本記事では国内最大の工作機械見本市「JIMTOF」の基本情報、2022年最新の来場者推移と来場者データ、切削関連の出展企業をまとめています。
この記事を読むことで、JIMTOFに初めて参加する・久々に参加する方にとって、前回の開催結果と比較した情報を知ることができます。
JIMTOFは国内最大の工作機械見本市として新製品を見たり最新の情報が入手できる貴重な展示会で、新入社員・若手の方からベテランまで参加をオススメします。
本記事と同テーマで書いた最新の記事として「【2024年】JIMTOFの基本から最新情報まで徹底解説」を公開しています。
JIMTOFの基本から最新情報まで徹底解説
JIMTOF(ジムトフ)は「JAPAN INTERNATIONAL MACHINE TOOL FAIR」の頭文字で、日本国際工作機械見本市とも呼ばれます。
1962年にスタートした国内最大で歴史のある展示会です。
新型コロナウイルスの影響で、前回(2020年)はオンラインのみでの開催となったため、4年ぶりのリアル開催となりました。
JIMTOF基本情報
JIMTOF、IMTS(米国のシカゴ国際製造技術展、シカゴショー)、EMO(欧州国際工作機械見本市)を合わせて世界3大工作機械見本市といいます。
また、最近はCIMT(中国国際工作機械見本市)を合わせて世界4大工作機械見本市といわれるようになりました。
JIMTOFの歴史について詳しく知りたい方は「切削加工業界の歴史をJIMTOFで振り返る」をご確認ください。
公式サイトにて、JIMTOFの特徴が3つ紹介されています。
- 世界で最も早く最先端の技術を見せる見本市
多くの出展者がJIMTOFに合わせて新製品の開発を行うなど、最先端技術がいち早く発表される場として、世界各国・地域の業界関係者より高く評価されています。 - 質・量ともに世界レベル!幅広い来場者層
景況に左右されることなく、近年のJIMTOFは継続的に10万人以上の来場者をお迎えしており、高く安定した集客力には定評があります。 - 充実した併催企画・高度な情報交換の場
業界最先端の技術者会議から業界トップが経営戦略を語る講演会・セミナーなどJIMTOFは専門性の高い情報が飛び交う併催企画も充実しています。
一番のポイントは、開催規模が最も大きく、工作機械メーカーや切削工具メーカーがJIMTOFに合わせて新製品が発表・展示・実演されることです。
JIMTOFの開催年と開催場所
JIMTOFは、偶数年に東京ビックサイト(東京国際展示場)で開催されています。
実は第1回(1962年)は大阪で開催されており、第19回(1998年)までは2年ごとに大阪と東京で交互に開催されていました。
第20回(2000年)からは東京のみでの開催となりました。
JIMTOFが開催されない奇数年にMECTが開催されています。
JIMTOFの主催・趣旨・出展製品
JIMTOFは「一般社団法人日本工作機械工業会」と「株式会社東京ビッグサイト」が主催です。
協賛は日本工作機械輸入協会、 (一社)日本鍛圧機械工業会、 日本精密機械工業会、 日本機械工具工業会、 (一社)日本工作機器工業会、 日本精密測定機器工業会、 研削砥石工業会、 ダイヤモンド工業協会、 日本光学測定機工業会、 (一社)日本フルードパワー工業会、 (一社)日本試験機工業会、 (一社)日本歯車工業会が参加しています。
開催趣旨は「工作機械及びその関連機器等の内外商取引の促進ならびに国際間の技術交流をはかり、もって産業の発展と貿易の振興に寄与することを目的とする。」となっています。
出展製品は下記となっています。
- 工作機械
- 鍛圧機械
- 工作機器
- 機械工具(切削工具・耐摩耗工具)
- ダイヤモンド・CBN工具
- 研削砥石
- 歯車・歯車装置
- 油圧・空気圧・水圧機器
- 精密測定機器
- 光学測定機器
- 試験機器
- 制御装置および関連ソフトウェア(CAD、CAM等)
- その他工作機械に関連する環境対応機器装置・機器・資材・製品・技術および情報
JIMTOFの来場者数推移
JIMTOFは1962年から開催されています。
第17回(1994年)以前と第18回(1996年)以降で来場者の集計方法が変わっており、分割して来場者の推移のグラフを用意しました。
全来場者数と海外からの来場者数が確認できます。
JIMTOF来場者推移(~第17回1994年)
JIMTOFの第1回(1962年)から第17回(1994年)の来場者推移です。
グラフより、1980年から海外からの来場者数が増加していることがわかります。
JIMTOF来場者推移(第18回1996年~)
第18回(1996年)から第29回(2018年)の来場者推移です。
来場者は増加傾向にあり、特に海外からの来場者数が2004年以降に伸びています。
JIMTOFは海外からの来場者が多い展示会で、2018年は全体の約1割が海外からの来場者でした。
出展者としては、多言語でのブース設計や商談対応が必要な展示会です。
2008年のリーマンショック後は来場者数が一時的に減少しており、東日本大震災(2011年)の影響はほとんどなかったことが確認できます。
JIMTOFの来場者データ
JIMTOF2018の来場者データから、JIMTOFの特徴を説明いたします。
JIMTOF2018の来場目的(国内)
JIMTOF2018 の来場者(国内)に対して、来場目的を複数回答してもらった結果が上記グラフです。
業界動向と新製品情報の獲得を目的に参加されている方が圧倒的に多いことがわかります。
JIMTOF2018来場者の関心のある品目(国内)
JIMTOF2018 の来場者(国内)に対して、関心のある品目を複数回答してもらった結果が上記グラフです。
工作機械が圧倒的に多く、次いで工作機器、機械工具(切削工具など)、精密測定機器が多いことがわかります。
関心のある品目からも、切削加工業界の方が多く参加していることがわかります。
JIMTOF2018来場者の業種別カテゴリー(国内)
JIMTOF2018 の来場者(国内)に対して、業種を回答してもらった結果が上記グラフです。
製造業に従事されている方が75%と圧倒的に多く、次いで関連する商社・代理店が15%となっています。
JIMTOF2018来場者の職種(国内)
JIMTOF2018 の来場者(国内)に対して、職種を回答してもらった結果が上記グラフです。
生産・製造、技術・設計の2つの職種で約50%を占めており、技術系の職種の方が業界動向と新製品情報を求めて参加していることがわかります。
JIMTOF2022について
2018年から4年ぶりのリアル開催です。
キャッチコピーは「開かれる扉(ミライ)、世界を動かす技術の出会い」。
4年ぶりの開催となるJIMTOFで多くの素晴らしい出会いが生まれ、産業の躍進に繋がっていってほしいという思いが込められています。
名称 | JIMTOF2022 JAPAN INTERNATIONAL MACHINE TOOL FAIR (第31回日本国際工作機械見本市) |
会期 | 2022年11月8日(火)〜13日(日) |
開催 時間 | 9:00~17:00(最終日は16:00まで) |
会場 | 東京ビッグサイト(東京国際展示場) 全館 |
公式サイトの情報から、新型コロナウイルスの感染予防策として小間数削減などはなく、過去最大規模での開催が予定されています。
JIMTOF2022出展メーカー
JIMTOF2022に出展する工作機械メーカー(切削)、ツーリングメーカー、切削工具メーカーをまとめました。
工作機械メーカー(切削)
出展社名(五十音順) | 小間番号 |
アマダ | E1022 |
岩間工業所 | E1030 |
エグロ | E3022 |
オーエム製作所 | E5007 |
大鳥機工 | E6021 |
オークマ | E6037 |
唐津プレシジョン | E2020 |
キタムラ機械 | E4023 |
北村製作所 | E1074 |
キラ・コーポレーション | E1040 |
紀和マシナリー | E5022 |
サワイリエンジニアリング | E5016 |
ジェイテクト | E3011 |
シチズンマシナリー | E5024 |
静岡鐵工所 | E3031 |
芝浦機械 | E3027 |
嶋田鉄工所 | E3014 |
新日本工機 | E4030 |
スギノマシン | E1069 |
スター精密 | E6016 |
西部電機 | E2022 |
西部ハイテック | E4002 |
ソディック | E4021 |
大日金属工業 | E3021 |
タカハシキカイ | E1010 |
高松機械工業 | E5025 |
TAKISAWA | E2015 |
ツガミ | E6012 |
東洋精機工業 | E4009 |
DMG森精機 | E8017 |
中村留精密工業株 | E2026 |
ニイガタマシンテクノ | E5009 |
西島 | E3035 |
ニデックオーケーケー | E2034 |
日本電産マシンツール | E2033 |
野村DS | E2027 |
長谷川機械製作所 | E1033 |
ファースト技研 | E6009 |
ファナック | E4019 |
ブラザー工業 | E6034 |
豊和工業 | E4022 |
ホーコス | E4028 |
牧野フライス製作所 | E2014 |
松浦機械製作所 | E3013 |
三井精機工業 | E3026 |
村田機械株 | E3030 |
安田工業 | E5023 |
山崎技研 | E5026 |
ヤマザキマザック | E5001 |
碌々産業 | E2005 |
ツーリングメーカー
出展社名(五十音順) | 小間番号 |
アルプスツール | W2013 |
エヌティーツール | W2049 |
MST コーポレーション | W2038 |
カトウ工機 | W2024 |
聖和精機 | W2056 |
大昭和精機 | W2047 |
戸田精機 | WA006 |
日研工作所 | W2032 |
ビーシーテック | W2042 |
マンヨーツール | W1029 |
ユキワ精工 | W2045 |
切削工具メーカー
海外製品の日本代理店やオリジナル切削工具を扱う商社も含まれており、全ての会社がメーカーではありませんが、こちらの記事では全てメーカーと表現しております。
出展社名(五十音順) | 小間番号 |
アサヒ工具製作所 | W1040 |
イスカルジャパン | W1021 |
IZUSHI | WA030 |
イワタツール | W1027 |
栄工舎 | W1003 |
エフ・ピー・ツール | W1039 |
エムーゲ・フランケン | W1064 |
オーエスジー | W1020 |
岡崎精工 | W1047 |
兼房 | W2024 |
川野辺製作所 | W1074 |
京セラ | W1014 |
協和精工 | W1028 |
グーリングジャパン | W1026 |
グリーンツール | W1061 |
ケナメタルジャパン | W1024 |
サイトウ製作所 | W1056 |
CJVインターナショナル | W3032 |
ジーベックテクノロジー | WA003 |
新三協工具 | W1063 |
住友電気工業 | W1031 |
曽根田工業 | W3027 |
ダイジェット工業 | W1038 |
大昭和精機 | W2047 |
大洋ツール | W1019 |
田倉工具製作 | WA014 |
辰野目立加工所 | W1011 |
田野井製作所 | W1049 |
タンガロイ | W1050 |
中京 | W1012 |
ツールドインターナショナル | W1077 |
テグテックジャパン | W1022 |
東鋼 | W1067 |
TOWA | WA027 |
日研工作所 | W2032 |
日進工具 | W1053 |
日本特殊陶業 | W1001 |
ノア | W1071 |
ノガ・ウォーターズ | W1013 |
パル | WA024 |
ビーシーテック | W2042 |
ビック・ツール | W3053 |
富士元工業 | W3052 |
不二越 | W1052 |
富士精工 | W1030 |
フジBC技研 | W1063 |
松岡カッター製作所 | W1008 |
マパール | E6035 |
丸一切削工具 | WA018 |
三井刻印 | WA020 |
三菱マテリアル | W1037 |
MOLDINO | W1070 |
彌満和製作所 | W1018 |
ユニオンツール | W1015 |
ライノス | W1060 |
菱高精機 | W1023 |
JIMTOF2022のユーザー注目度ランキング
タクミセンパイでは、切削加工ユーザーにアンケートを実施し、JIMTOF2022で注目している切削工具メーカーのランキングを作成しました。
アンケート対象の25社について、「JIMTOF2022でブースに訪問予定の切削工具メーカーを教えてください。」という質問で、切削工具メーカーの注目度をアンケートで調査しました。
アンケートに回答いただいたのはJIMTOF2022に参加予定の方です。
集計期間 | 2022年6月8日~2022年11月6日 |
回答数 | 43名(回答者は全て切削加工ユーザー) |
下のグラフがJIMTOF2022においてユーザーが注目する切削工具メーカーのランキングです。
切削工具メーカー25社について、JIMTOF2022注目度の上位10社は下記となりました。
- オーエスジー株式会社(72%)
- 京セラ株式会社(63%)
- 三菱マテリアル株式会社(60%)
- 株式会社不二越(58%)
サンドビック株式会社(53%)- 株式会社ジーベックテクノロジー(51%)
- 住友電工ハードメタル株式会社(51%)
- 株式会社タンガロイ(51%)
- 日進工具株式会社(47%)
- 株式会社日研工作所(44%)
*住友電工ハードメタル株式会社は住友電気工業株式会社で出展されています
*JIMTOF2022にサンドビック株式会社は出展されませんでした
JIMTOF2018について
JIMTOF2018の開催概要は下記です。
名称 | JIMTOF2018 JAPAN INTERNATIONAL MACHINE TOOL FAIR (第29回日本国際工作機械見本市) |
会期 | 2018年11月1日(木)~6日(火) 9:00~17:00 |
会場 | 東京ビッグサイト(東京国際展示場)全館 |
出展規模 | 1,085社・団体 5,524小間 |
来場者数 | 153,103人 |
JIMTOF2018の入場ゲートの様子。会場直後は混雑します。
JIMTOF2018のブースの様子。お昼ごろに来場者数がピークになることが多いです。
JIMTOF2018のセミナー会場の様子。事前予約が必要で、早くに満席になることがあります。
JIMTOF2018の来場者データ
JIMTOF2018の来場者数は下記です。
天候 | 国内 | 海外 | 合計 | |
11/1 (木) | 晴れ | 21,841人 | 4,787人 | 26,628人 |
11/2 (金) | 晴れ | 36,020人 | 3,289人 | 39,309人 |
11/3 (土) | 晴れ | 35,824人 | 2,028人 | 37,852人 |
11/4 (日) | 曇り 雨 | 13,405人 | 1,185人 | 14,590人 |
11/5 (月) | 曇り | 18,719人 | 1,129人 | 19,848人 |
11/6 (火) | 雨 | 14,360人 | 516人 | 14,876人 |
例年、金曜日と土曜日の来場者数が多い傾向にあります。
今年(2022年)は火曜日スタートであることと、新型コロナウイルスの影響もあるため、過去実績とは異なる来場者の分布になることが予想されます。
JIMTOF2018は世界63ヵ国・地域からの来場があり、海外来場者数が過去最多となりました。
幻のJIMTOF2020とJIMTOF2020 Onlineについて
幻のJIMTOF2020
2020年は本来、下記の内容でJIMTOF2020が開催される予定でした。
名称 | JIMTOF2020 JAPAN INTERNATIONAL MACHINE TOOL FAIR (第30回日本国際工作機械見本市) |
会期 | 2020年12月7日(月)〜12日(土) |
会場 | 東京ビッグサイト(東京国際展示場) |
しかし、新型コロナウイルスの影響で中止となりました。
JIMTOF2020 Online
JIMTOF2020中止発表の後、メーカーとユーザーからの要望があり、下記の内容でJIMTOF2020 Onlineが開催されました。
名称 | JIMTOF2020 Online |
会期 | 2020年11月16日(月)〜27日(金) 2020年11月27日(金)~12月11日(金)がアーカイブ期間 |
出展者数と来場者数の結果は下記です。
国内 | 海外 | 合計 | |
出展者 | 370社・団体 | 24社・団体 | 394社・団体 |
来場者 | 49,059人 | 3,109人 | 52,168人 |
JIMTOF2018の来場者数の合計は153,103人であるため、オンラインでの参加者数52,168人はリアル開催比較で約35%程度になっています。
JIMTOFの基本から最新情報まで徹底解説まとめ
- 新型コロナウイルスの影響で、2020年のJIMTOFがオンラインのみでの開催となったため、4年ぶりのリアル工作機械見本市となる
- 来場者数は増加傾向にあり、特に海外からの来場者数が2004年以降に伸びている
- JIMTOFに参加される方の目的は、業界動向と新製品情報の獲得が圧倒的に多い
- JIMTOF参加者の関心のある品目は、工作機械が圧倒的に多く、次いで工作機器、機械工具(切削工具など)、精密測定機器が多い
- JIMTOF参加者のうち75%が製造業に従事されている方で、生産・製造、技術・設計の2つの職種で約50%を占めている
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執筆者情報
本記事はタクミセンパイの服部が執筆・編集しました。
私は工具メーカーでの営業とマーケティングの経験を活かし、切削工具と切削加工業界に特化した専門サイト「タクミセンパイ」を2020年から運営しています。
私(服部)の実績や経歴については「運営について」に記載しています。
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