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超硬切削工具の材料であるタングステンを有効活用することの重要性

超硬切削工具の材料であるタングステンに関する情報を知りたくて困っていませんか

この記事を書いた私は工具メーカーでの営業・マーケティングの経験を活かし、切削工具と切削加工業界に特化した専門サイト「タクミセンパイ」を2020年から運営しています。

本記事ではレアメタルであるタングステンの現状、タングステンに関する国や企業の取り組み事例をまとめています。
この記事を読むことで、超硬切削工具の材料であるタングステンがいかに重要であるかを知ることができます。

使用済みの切削工具からタングステンを回収して再利用することで、エネルギー消費量を70%、二酸化炭素排出量を60%削減できるなどのデータもあります。

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超硬切削工具の材料であるタングステンを有効活用することの重要性

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超硬切削工具の約90%はレアメタルであるタングステンで構成されています。

タングステンは熱に強く、他の金属と混ぜる(合金化する)ことで硬度が高くなるなどの特徴から、世界の主要国で主に超硬工具の製造用途に利用されています。

資源としてのタングステンの現状について、埋蔵・鉱石生産・製錬工程が特定国(中国の割合が高い)に偏在し、日本は全量を輸入に依存していることから、供給リスクが高いという課題があります。

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2050年カーボンニュートラル実現に向けた鉱物資源政策」より作成


そして、タングステンは代替可能性が低いことが課題となっています。

超硬工具の生産高は切削工具全体の約7割を占めているため、タングステンの有効活用は切削加工業界において重要なテーマであるといえます。

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タングステンを有効活用するために、直近のアクションとしては切削工具の再研磨による有効活用と国内リサイクル率の向上が必要であると考えます。

切削工具の再研磨・リサイクルに関しては「切削工具の再研磨・リサイクルとSDGs」の記事で紹介しています。

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タングステンに関する国や企業の取り組み事例

国の取り組み

経済産業省 資源エネルギー庁のタングステンに対する取り組みとして、下記が実施されています。

  • オセアニアでの埋蔵探査
  • 備蓄対象鉱種への指定
  • 省資源化の技術開発支援
  • 廃棄される超硬工具のリサイクルコストを低減する技術開発


上記の中で、備蓄対象鉱種への指定、省資源化の技術開発支援が一定の効果を出したと報告されています。

今後は新たな埋蔵地の探査、リサイクルを促進・円滑化するための政策支援が検討されています。

日本企業の取り組み

切削工具の原材料から完成品までを手掛ける国内大手メーカーの住友電工グループは、超硬工具(チップやドリル・エンドミル等)のほぼ全量(国内販売量100%)を国内でリサイクルできる体制を完備し、リサイクルを推進しています。

住友電工グループの超硬工具のリサイクルに関する情報はこちらに掲載されています。


海外企業の取り組み

ドイツのBMWは、使用済みの切削工具(ドリルやフライス等)からタングステンを回収し、ドイツとオーストリアの工場で超硬工具用のセカンダリー・タングステンとして再利用を開始しています。

現地の再生可能エネルギーを100%活用し、スクラップから粉末状の再生タングステンを生産。
その後、タングステン粉末から超硬工具を製造し、同社工場で利用しています。

BMWの年間スクラップ排出量は9tで、平均タングステン含有率は80%以上。
この取り組みで、年間タングステン消費量を7t、エネルギー消費量を70%、二酸化炭素排出量を60%削減できると発表しています。

「玉木巧のサステナビリティ朝礼」に出演

音声メディアVoicy「玉木巧のサステナビリティ朝礼」に出演し、切削工具の再研磨・リサイクルについてお話させていただきました。

下記リンク先で無料で聴くことができます。

タクミセンパイに聞く「切削工具業界が抱えるレアメタル問題」

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執筆者情報

hattori


本記事はタクミセンパイの服部が執筆・編集しました。

私は工具メーカーでの営業とマーケティングの経験を活かし、切削工具と切削加工業界に特化した専門サイト「タクミセンパイ」を2020年から運営しています。
私(服部)の実績や経歴については「運営について」に記載しています。

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