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切削加工業界の専門誌 4媒体を徹底比較

切削加工業界の情報収集に役立つ媒体を探していませんか

この記事を書いた私は工具メーカーでの営業・マーケティングの経験を活かし、切削工具と切削加工業界に特化した専門サイト「タクミセンパイ」を2020年から運営しています。
中立的な立場として切削加工業界の専門誌を比較しました。

本記事では「ページ・タイトル分析」「タイトルのカテゴリ分類」「情報タイプ2軸マトリクス」などについて比較しています。
この記事を読むことで、切削加工業界の情報を発信する専門誌「機械技術」「機械と工具」「ツールエンジニア」「生産財マーケティング」のうちどの媒体が業務に役に立つかがわかります

比較の結果、読みごたえ、見やすさ、コスパと掲載情報から評価して、「機械技術」と「生産財マーケティング」が優秀な専門誌であると結論付けました

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切削加工業界の専門誌 4媒体を徹底比較

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比較した切削加工業界の専門誌は下記4媒体で、それぞれリンク先で詳細なレビューを確認できます。

本記事では、切削工具ユーザー(工作機械で切削加工されている方)・機械工具販売店・メーカーの皆さまが求める情報に対して、最適な専門誌を紹介することができればと思っております。

切削加工業界の専門誌 創刊年と価格比較

「機械技術」「機械と工具」「ツールエンジニア」「生産財マーケティング」の創刊年・価格(税込み)をまとめました。

機械技術機械と工具ツール
エンジニア
生産財
マーケティング
創刊年1953年1957年1959年1964年
価格
(税抜)
1,683円1,650円1,375円1,100円
定期購読
特別価格
(税抜)
1,540円1,625円805円

*価格は2021年1月時点のもの
*定期購読特別価格は、「機械技術」「機械と工具」は1年購読、「生産財マーケティング」は3年購読における1冊あたりの価格


4誌を比較して

技術情報がメインの「機械技術」「機械と工具」「ツールエンジニア」の3誌の創刊時期は近く、この時期が専門誌の最盛期であったことが考えられます。

最も歴史のある「機械技術」が1953年に創刊してから11年後に、4誌の中では最も新しい「生産財マーケティング」が創刊されています。
日本では1950年代半ばにマーケティングという言葉が使われ始めており、製造業においても技術以外にマーケティングという視点が、この頃から重視され始めたと考えられます。

価格については、新しい専門誌ほど安くなっていることが分かりました。
こちらは、他誌からの乗り換えなども意識した価格戦略があると予想します。
最も高い「機械技術」が1,683円で、最も安い「生産財マーケティング」が1,100円であり、583円の価格差があります。

価格については「生産財マーケティング」が圧倒的に安く、さらに定期購読による割引額も大きいのが特徴です。
「生産財マーケティング」は他3誌と違ってマーケティングにフォーカスしていることから、2冊目需要を狙った価格設定をしている可能性もあります。
(例えば、「機械技術」を購入している人に、2冊目の専門誌として「生産財マーケティング」を購入してもらいたいなど)

切削加工業界の専門誌 ページ・タイトル分析比較

「機械技術」「機械と工具」「ツールエンジニア」「生産財マーケティング」から3冊分(*2020年10月~2021年1月号から3冊)の内容を確認したところ、下記のようなデータとなりました。

機械技術機械と工具ツール
エンジニア
生産財
マーケティング
価格
(税抜)
1,683円1,650円1,375円1,100円
総ページ数122.7135.3123.7174.0
広告を除く
ページ数
99.792.091.3132.0
広告を除く
ページの単価
16.9円17.9円15.1円0.83円
広告のない
ページ割合
81%67%74%76%
タイトル数30.718.320.738.7

*全て3冊分の平均
*総ページ数は表裏表紙を除く
*ページの単価は1冊購入時の金額から算出
*タイトル数は目次からカウント


4誌を比較して

技術情報がメインの「機械技術」「機械と工具」「ツールエンジニア」3誌の総ページ数に大きな違いはありませんが、広告のないページの割合は「機械技術」が優れており、読みごたえがあることがわかります。

「生産財マーケティング」は他の3誌と比べて総ページ数とタイトル数が多く、かつ広告を除くページの単価が圧倒的に低いのが特徴です。

切削加工業界の専門誌 タイトルのカテゴリ分類比較

「機械技術」「機械と工具」「ツールエンジニア」「生産財マーケティング」の記事タイトルを製品技術、加工技術、メーカーインタビュー、ユーザーインタビュー、マーケティング、統計データ、新製品情報、ニュース、海外動向、その他の10カテゴリに分類し、3冊分(*2020年10月~2021年1月号から3冊)のタイトル数の平均が下記のグラフになります。

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4誌のカテゴリ分類(円グラフ)を見てみると、カテゴリの構成に違いがあることがわかります。

「機械技術」と「機械と工具」

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「機械技術」と「機械と工具」は、製品技術(円グラフの青)と加工技術(円グラフのオレンジ)が約半分を占めており、カテゴリの構成が似ています。
「機械技術」はメーカーインタビューの割合も高く、切削工具ユーザー(工作機械で切削加工されている方)にオススメできる専門誌だと判断します。

「ツールエンジニア」

toolengineer-graph

「ツールエンジニア」は「機械技術」「機械と工具」より製品技術の割合が高いものの、それ以外のカテゴリが弱く、読みごたえがない印象をうけます。

「生産財マーケティング」

seisanzaimarketing-graph

「生産財マーケティング」は、専門誌であるものの、技術よりマーケティングにフォーカスしていることもあり、他の3誌とカテゴリの構成がかなり異なります。
一方、他3誌と異なり、技術的な内容の割合は少なくなっています。

切削加工業界の専門誌 オススメの選択肢

もし2冊の専門誌を購入することが可能であるならば、「機械技術」で技術情報の収集を、「生産財マーケティング」でマーケティングや最新情報の入手することをオススメします。

下図の円グラフを見るとわかるとおり、この2冊で幅広いカテゴリの情報を入手することができます。

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切削加工業界の専門誌 情報タイプ2軸マトリクス比較

技術情報×営業・マーケティング情報の2軸マトリクスに「機械技術」「機械と工具」「ツールエンジニア」「生産財マーケティング」を配置してみました。

製品技術、加工技術、メーカーインタビューの3カテゴリを技術情報、ユーザーインタビュー、マーケティング、統計データの3カテゴリを営業・マーケティング情報としています。

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「機械技術」は技術情報の提供に優れており、かつ営業・マーケティング情報もそれなりに掲載されているバランスの良い専門誌です。
「生産財マーケティング」は営業・マーケテイング情報の提供に優れており、技術情報はそこそこといった専門誌です。
 
タイトルのカテゴリ分類と同じ結論になりますが、「機械技術」と「生産財マーケティング」を読んでおけば、幅広い情報の収集が可能だといえます。

切削加工業界の専門誌 比較結果

「機械技術」「機械と工具」「ツールエンジニア」「生産財マーケティング」の比較結果をまとめました。

機械技術機械と工具ツール
エンジニア
生産財
マーケティング
読みごたえ★★★★★★★☆☆☆★★☆☆☆★★★★★
見やすさ★★★☆☆★★★☆☆★★★☆☆★★★★☆
コスパ★★★☆☆★★★☆☆★★★☆☆★★★★★
技術情報★★★★★★★★☆☆★★★☆☆★★☆☆☆
営業
マーケ情報
★★★☆☆★☆☆☆☆★☆☆☆☆★★★★★
総合★★★★☆★★★☆☆★★★☆☆★★★★☆

*読みごたえは、広告を除くページ数とタイトルのカテゴリ分類で評価
*見やすさは、カラーページの割合とページ構成で評価
*コストパフォーマンスは、広告を除くページ単価で評価
*技術情報は、情報タイプの2軸マトリクスで評価
*営業・マーケティングは、情報タイプの2軸マトリクスで評価


読みごたえ、見やすさ、コスパと掲載情報から評価して、「機械技術」と「生産財マーケティング」が優秀な専門誌であることがわかりました。

この2冊を読んでおけば、どんな部署であっても、切削加工・切削工具に関する幅広い情報収集が可能だと判断します。

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執筆者情報

hattori


本記事はタクミセンパイの服部が執筆・編集しました。

私は工具メーカーでの営業とマーケティングの経験を活かし、切削工具と切削加工業界に特化した専門サイト「タクミセンパイ」を2020年から運営しています。
私(服部)の実績や経歴については「運営について」に記載しています。

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