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切削工具の種類・分類と独自ランキング

切削工具の種類と分類をおおまかに把握したいと困っていませんか。

この記事を書いた私は工具メーカーでの営業・マーケティングの経験を活かし、切削工具と切削加工業界に特化した専門サイト「タクミセンパイ」を2020年から運営しています。
切削工具を種類ごとに分類した上で、中立的な立場としてアンケートを設計し、調査を実施しました。

本記事では切削工具をわかりやすい種類・分類で解説し、「切削工具の利用率」と「バリの発生に困っている切削工具」を独自のランキングとしてまとめています。
この記事を読むことで、切削工具の種類・分類をおおまかに把握した上で、独自のランキングから各切削工具をより深く理解することができます。

切削工具の利用率TOP3はドリル(90%)・エンドミル(83%)・タップ(78%)、バリの発生に困っている切削工具TOP3はドリル(38%)、エンドミル(16%)、旋削加工用のねじ切り工具(9%)というランキング結果でした。

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切削工具の種類・分類と独自ランキング

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画像提供:タンガロイ


「切削工具の情報サイト タクミセンパイ」では、切削工具の種類を11カテゴリに分類しています。

  • フェイスミル
  • エンドミル
  • サイドカッター
  • Tスロットカッター
  • 面取りカッター
  • ドリル
  • リーマ
  • ボーリング
  • タップ
  • スレッドミル
  • 旋削工具


刃先を交換して使用する工具を「インサート式工具」「スローアウェイ式工具」「刃先交換式工具」と呼びます。
使い捨ての意味のスローアウェイは環境意識の高まりで使用されることが少なくなり、インサートの呼び方が主流になってきています。
本記事内ではインサートで記載しています。

また、切削加工は旋削加工(ターニング)、フライス加工(ミーリング)、穴加工(ドリリング)の3つに分類することができます。
本記事内でどの分類に該当するか記載しています。

各切削工具について、概要やさらに細かい分類、切削工具の利用率やバリの発生に困っている切削工具のランキングについて解説します。


切削工具の独自ランキング

切削工具の利用率ランキング

100名の切削工具ユーザー(工作機械で切削加工されている方)に普段利用している切削工具をアンケートで回答いただいた結果が下記となります。

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1位:ドリル(90%)
2位:エンドミル(83%)
3位:タップ(78%)
4位:リーマ(75%)
5位:面取りカッター(74%)
6位:旋削加工用の内径・外径工具(61%)
7位:フェイスミル(60%)
8位:旋削加工用の溝入れ・突切り工具(52%)
9位:ボールエンドミル(49%)
10位:ボーリング(48%)
11位:Tスロットカッター(42%)
12位:旋削加工用のねじ切り工具(41%)
13位:サイドカッター(27%)
14位:スレッドミル(22%)

本記事内で、各切削工具の使用率の順位と%を記載しています。

バリの発生に困っている切削工具ランキング

株式会社ジーベックテクノロジーと共同で、「最もバリの発生に困っている切削工具について」アンケート調査を実施しました。
詳しくは「バリの発生に困っている切削工具ランキング」に記載しています。

88名の切削工具ユーザー(工作機械で切削加工されている方)に14種類の切削工具の中から1種をアンケートで回答いただいた結果が下記となります。

cuttingtool-burr

1位:ドリル
2位:エンドミル
3位:旋削加工用のねじ切り工具
4位:タップ
5位:面取りカッター
6位:Tスロットカッター
6位:旋削加工用の内径・外径工具
8位:フェイスミル
9位:サイドカッター
9位:リーマ
11位:旋削加工用の溝入れ・突切り工具
11位:ボーリング
13位:スレッドミル

13位:ボールエンドミル

本記事内で、各切削工具のバリの発生に困っている順位を記載しています。

フェイスミル

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工具名フェイスミル(Face mill)
加工分類フライス加工(ミーリング)
順位切削工具の使用率:7位(60%)
バリの発生に困っている切削工具:8位
概要フェイスミル(正面フライス)は、広い平面を切削するための切削工具です。端面と外周面に切れ刃を持ちます。

フェイスミルメーカーの一覧とランキング

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画像提供:タンガロイ(DoTriple-Mill)

フェイスミルメーカーの一覧については「フェイスミルメーカー24社一覧とランキング」をご確認ください。

また、タクミセンパイでは切削工具ユーザー(工作機械で切削加工されている方)にアンケートを依頼し、フェイスミルメーカーのランキングを作成しています。
フェイスミルメーカーのランキングは、「フェイスミルメーカーのユーザーランキング」をご確認ください。


エンドミル

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工具名エンドミル(End mill)
加工分類フライス加工(ミーリング)
順位切削工具の使用率:2位(83%)
バリの発生に困っている切削工具:2位
概要エンドミルは、溝加工・肩削り加工・ポケット加工・穴加工などをするための切削工具です。エンドは端、ミルは粉砕を意味しています。側面と端面に切れ刃を持ちます。

エンドミルの分類

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エンドミルは構造で「インサートタイプ」、ボディ自体が刃部の機能を果たす「ソリッドタイプ」、チップをボディにろう付けする「ロウ付タイプ」に分類できます。

先端(刃底)形状で「スクエア刃(スクエアエンドミル)」「ボール刃(ボールエンドミル)」「ラジアス刃(ラジアスエンドミル)」に分類できます。
スクエア刃が最も一般的で、ボール刃は金型などの曲面の加工に、ラジアス刃は金型などの角の丸みを加工する際に使用されます。

外周切れ刃形状で「ストレート刃」「テーパー刃(テーパーエンドミル)」「ニック切れ刃」「ラフィング切れ刃(ラフィングエンドミル)」に分類できます。
ストレート刃が最も一般的で、切れ刃に溝(ニック)が刻まれたニック切れ刃は中仕上げ~粗削り、切れ刃が波状になったラフィング切れ刃は粗削りに使用されます。

エンドミルメーカーの一覧とランキング

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画像提供:タンガロイ(SolidMeister エンドミル)


エンドミルメーカーの一覧については「エンドミルメーカー61社一覧とランキング」を、ボールエンドミルメーカーの一覧については「ボールエンドミルメーカー47社一覧とランキング」をご確認ください。

また、タクミセンパイでは切削工具ユーザー(工作機械で切削加工されている方)にアンケートを依頼し、エンドミルメーカーのランキングを作成しています。
エンドミルメーカーのランキングについては「エンドミルメーカーのユーザーランキング」を、ボールエンドミルにのランキングについて「ボールエンドミルメーカーのユーザーランキング」として公開しております。


サイドカッター

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工具名サイドカッター(Side cutter)
加工分類フライス加工(ミーリング)
順位切削工具の使用率:13位(27%)
バリの発生に困っている切削工具:8位
概要サイドカッターは、溝加工をするための切削工具です。外周部とサイドに切れ刃を持ちます。両サイドに刃を持つフルサイドカッターと、片側に刃を持つハーフサイドカッターがあります。

サイドカッターの一覧とランキング

2024年に公開予定です。

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画像提供:タンガロイ(SlotMill series)



Tスロットカッター

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工具名Tスロットカッター(Tslot cutter)
加工分類フライス加工(ミーリング)
順位切削工具の使用率:11位(42%)
バリの発生に困っている切削工具:13位
概要Tスロットカッターは、T溝加工をするための切削工具です。T溝フライスとも呼ばれます。

Tスロットカッターの一覧とランキング

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画像提供:タンガロイ(TungMeister Tスロット)


タクミセンパイでは切削工具ユーザー(工作機械で切削加工されている方)にアンケートを依頼し、Tスロットカッターメーカーのランキングを作成しています。
Tスロットカッターメーカーのランキングは、「Tスロットカッターメーカーのユーザーランキング」をご確認ください。


面取りカッター

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工具名面取りカッター(Chamfercutter)
順位切削工具の使用率:5位(74%)
バリの発生に困っている切削工具:5位
加工分類フライス加工(ミーリング)
概要面取りカッターは、エッジの面取りをするための切削工具です。

面取りカッターメーカーの一覧とランキング

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画像提供:タンガロイ(TungQuad)


面取りカッターメーカーの一覧については「面取りカッターメーカー48社一覧とランキング」をご確認ください。

また、タクミセンパイでは切削工具ユーザー(工作機械で切削加工されている方)にアンケートを依頼し、面取りカッターメーカーのランキングを作成しています。
面取りカッターメーカーのランキングは、「面取りカッターメーカーのユーザーランキング」をご確認ください。


ドリル

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工具名ドリル(Drill)
加工分類穴あけ(ドリリング)
順位切削工具の使用率:1位(90%)
バリの発生に困っている切削工具:1位
概要ドリルは、穴加工をするための切削工具です。切削工具の中でドリルが最も利用されています。先端角118°の切れ刃が一般的で、安定的な加工ができ、寿命が長いという特徴があります。

ドリルの分類

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ドリルは構造で「インサートタイプ」「ヘッド交換式タイプ」「ソリッドタイプ」「ロウ付タイプ」に分類できます。
ソリッドタイプが主流ですが、インサートタイプやヘッド交換式タイプが増えています

溝のねじれ形状で、ねじれ角の異なる「ねじれドリル(ツイストドリル)」「直刃ドリル(ストレートドリル)」に分類できます。

加工用途で「汎用ドリル」の他に、2つの直径をもつ「段付きドリル」、直径と全長の比(L/D)が大きい「ロングドリル」「ガンドリル」、「センタ穴ドリル」などがあります。

ドリルメーカーの一覧とランキング

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画像提供:タンガロイ(SolidDrill)

ドリルメーカーの一覧については「ドリルメーカー48社一覧とランキング」をご確認ください。

また、タクミセンパイでは切削工具ユーザー(工作機械で切削加工されている方)にアンケートを依頼し、ドリルメーカーのランキングを作成しています。
ドリルメーカーのランキングは、「ドリルメーカーのユーザーランキング」をご確認ください。


リーマ

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工具名リーマ(Reamer)
加工分類穴あけ(ドリリング)
順位切削工具の使用率:4位(75%)
バリの発生に困っている切削工具:8位
概要リーマは、穴の内径寸法(公差)、内径の面相度、真円度、真直度を達成するための切削工具です。適用穴径はφ20mm程度で、それ以上大きい穴はボーリングが使用されます。

リーマの分類

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リーマは構造で「インサートタイプ」「ソリッドタイプ」、「ロウ付タイプ」に分類できます。

リーマメーカーの一覧とランキング

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画像提供:タンガロイ(ReamMeister)

リーマメーカーの一覧については「リーマメーカー36社一覧とランキング」をご確認ください。

また、タクミセンパイでは切削工具ユーザー(工作機械で切削加工されている方)にアンケートを依頼し、リーマメーカーのランキングを作成しています。
リーマメーカーのランキングは、「リーマメーカーのユーザーランキング」をご確認ください。


ボーリング

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工具名ボーリング(Boring)
加工分類穴あけ(ドリリング)
順位切削工具の使用率:10位(48%)
バリの発生に困っている切削工具:12位
概要ボーリングは、既に空いている穴の内面をくり広げて、内径寸法を仕上げるための切削工具です。

ボーリングの分類

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ボーリングは構造で「インサートタイプ」「ヘッド交換タイプ」に分類できます。

ボーリングの一覧とランキング


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画像提供:タンガロイ(SwissBore)


ボーリングメーカーの一覧については「ボーリングメーカー13社一覧とランキング」をご確認ください。

タクミセンパイでは切削工具ユーザー(工作機械で切削加工されている方)にアンケートを依頼し、ボーリングメーカーのランキングを作成しています。
ボーリングメーカーのランキングは、「ボーリングメーカーのユーザーランキング」をご確認ください。

タップ

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工具名タップ(Tap)
加工分類穴あけ(ドリリング)
順位切削工具の使用率:3位(78%)
バリの発生に困っている切削工具:4位
概要タップは、雌ねじを加工するための切削工具です。

タップの分類

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加工方法で、切り屑を排出する「タップ(切削タップ)」と、切り屑を排出しない「フォーミングタップ(転造タップ)」に分けられます。

切削タップには、切り屑が出口側に落ちる「ポイントタップ」、切り屑が入り口側に上がる「スパイラルタップ」があります。

ねじの種類で、「メートルねじ並目 / 細目用」「ウィット用」「ユニファイねじ並目 / 細目用」「ミシン用ねじ用」「PF(管用平行 / テーパねじ)用」「NPT(アメリカ管用テーパねじ)用」に分類できます。

タップメーカーの一覧とランキング

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タップメーカーの一覧については「タップメーカー16社一覧とランキング」をご確認ください。

また、タクミセンパイでは切削工具ユーザー(工作機械で切削加工されている方)にアンケートを依頼し、タップメーカーのランキングを作成しています。
タップメーカーのランキングは、「タップメーカーのユーザーランキング」をご確認ください。


スレッドミル

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工具名スレッドミル(Thread mill)
加工分類フライス加工(ミーリング)
順位切削工具の使用率:14位(22%)
バリの発生に困っている切削工具:13位
概要スレッドミルは、ねじを加工するための切削工具です。ねじ切りカッターとも呼ばれます。カッターをリードに合わせてヘリックスに送ることでねじを切ります。

スレッドミルの一覧とランキング

2024年に公開予定です。

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画像提供:タンガロイ(ThreadMilling)



旋削工具

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工具名旋削工具(Turning tool)
加工分類旋削加工(ターニング)
順位内径・外径用
 切削工具の使用率:6位(61%)
 バリの発生に困っている切削工具:6位

溝入れ・突切り用
 切削工具の使用率:8位(52%)
 バリの発生に困っている切削工具:11位

ねじ切り用
 切削工具の使用率:12位(41%)
 バリの発生に困っている切削工具:3位
概要旋削工具は、旋盤で使用する切削工具です。旋盤で使用されるバイトという言葉は日本で生まれで、英語ではカッティングツールと呼ばれます。

旋削工具の分類

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旋削工具は構造で「インサートタイプ」「ソリッドタイプ(むくバイト / 完成バイト)」「ロウ付タイプ(付け刃バイト)」に分類できます。
現在は、チップをボディに機械的に締結するスローアウェイタイプが主流です。

加工用途で「内径・外径加工用」「溝入れ・突切り加工用」「ねじ切り加工用」に分類できます。

旋削工具メーカーの一覧とランキング

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画像提供:タンガロイ(TurningA)

旋削加工用の工具メーカーの一覧については「旋削加工用の内径・外径工具メーカー27社一覧とランキング」、「旋削加工用の溝入れ・突切り工具メーカー23社一覧とランキング」、「旋削加工用のねじ切り工具メーカー21社一覧とランキング」をご確認ください。

タクミセンパイでは切削工具ユーザー(工作機械で切削加工されている方)にアンケートを依頼し、旋削工のランキングを作成しています。
旋削工具のランキングは、「旋削加工用の内径・外径工具メーカーのユーザーランキング」、「旋削加工用の溝入れ・突切り工具メーカーのユーザーランキング」、「旋削加工用のねじ切り工具メーカーのユーザーランキング」をご確認ください。

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執筆者情報

hattori


本記事はタクミセンパイの服部が執筆・編集しました。

私は工具メーカーでの営業とマーケティングの経験を活かし、切削工具と切削加工業界に特化した専門サイト「タクミセンパイ」を2020年から運営しています。
私(服部)の実績や経歴については「運営について」に記載しています。

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